紙の本
歴史の事実から見たこの国のかたち
2021/09/15 17:03
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学で近代史を講義する著者が10年前から新聞等に書いていたエッセイ・論評をまとめたもの。エッセイで新聞に掲載していたので文章が短く読みやすい。著者は学術会議会員に推薦されながら除外された6人のうちの一人。国はこの問題について未だ理由を説明していない。学術会議はこの6人を特任連携会員として会議に参画させようとしたが著者は自分の意に反してまで「実」を取らないで「名」を取るとして特任会員にはならなかった。久しく「実」を取らず「名」をとるとの言葉を日本人は忘れてしまっているのでは。その他、その時の事象、戦争、戦前の出来事、天皇制について歴史学者の目から公正に論評していると思う。あとがきにあった「国家は国民を守らないのでは。」「国家と国民の社会契約の正味期限切れ」は正にコロナ禍の今のこの国のかたちではないだろうか。
紙の本
日本における良識って
2023/01/22 11:18
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投稿者:ノホホン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は,日本学術会議の名簿から除外された6名のうちの一人。
どのような考え,意見の方なのか知りたくて本書を読んだ。
本書には,歴史学者である著者の新聞連載のエッセーやコラムが
テーマ別(国家,震災と原発,天皇制,戦争,世界の中の日本)に
収められている。
読後感として,著者の意見・考えはニュートラルと思え,
私には同意できることが多かった。
日本学術会議の問題をはじめ,現実にモヤモヤを感じている人には
読んで欲しい一冊。
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近代歴史学者の著者による評論集。第一章:国家に問う、第二章:震災の教訓、第三章:「公共の守護者」としての天皇像、第四章:戦争の記憶、第五章:世界の中の日本、歴史の本棚。文書を大切にしない国は歴史をも大切にしない。中国には史官という役目の官僚がいたのに。今の日本には、後から批判される可能性がある都合の悪い文書はみんな破棄する悪弊を官僚が持っているのか…。
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今年一番のインテリジェンスな本だった。内田樹を初めて読んだ時の衝撃を思い出した。
『難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを愉快に、愉快なことをまじめに』
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各一章を読んだあと
ふーん なるほど
そういう視点のとらえ方があったか
と 思わせてもらえる一冊
考えながら
行きつ戻りつしながら
読ませてもらいました
新年早々に
心地よい刺激をもらえました
もし、未読の方にお勧めするなら
p169~
ー井上ひさしが追い続けた「かけがえなさ秘めた笑い」
の一章から を挙げたい
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東大教授加藤陽子氏のコラム&エッセー集。日本学術会議の6人除外当事者であり、事件についても詳しく語られている。
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歴史学は何をする学問か…「歴史の闇に埋没した『作者の問い』を発掘すること」…歴史上一定の時代に現れたり創られたりした制度・組織・論理が、なぜその時代に現れるのかを考える態度…制度や組織を創り出した「作者」の思索の跡をたどるのが歴史学の役割…(p28)
歴史の真実は、人間の行動の記録として残された事実だけで成り立っているのではなく、人間が書いたり発したりした「言葉」に現れた知性の営みの中にもあると先哲は教えてくれている。真実の歴史を「言葉」から探ること、本書ではこれを目指した。(p280 おわりに)
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読書は趣味、気楽なものがいい。
でも、たまにはと、この本を手に取った。
(著者は、政府に任命拒否された日本学術会議の新会員候補の一人。
歴史学の手法で首相官邸側の思惑を解き明かす時評を含む反骨の論評集。) 出版社より
老化の進む脳には厳しくて、メモを取りながら読んだ。
歴史学って 興味深いなあ。
真理に向かうための誠実で真摯な研究。
その一端をのぞかせてもらった。
記録を大切にしない風土の根幹には政治の不在がある。
そして、あとがきで著者は言う。
真実の歴史を「言葉」から探ること、本書ではこれを目指した、と。
≪ 国家とは 危機の時代に 問い直す ≫
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内容は鋭く、嘆きたくなる時勢について語れど、あくまで冷静で知的な文章が心地よい。
「国家の再生が必要となる時、ひとは国家の来歴を求め、自らの父祖の歴史をたぐり寄せる。だが、そうする時、自らの国家が他国との間でつむいだ歴史に潤色を加えようとするのは無意味だ。嘘をつくには相手がいるが、他国は国家の嘘につきあってはくれない」
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この方の「歴史観」歴史へのスタンスは素晴らしい 権力に対峙し軸がブレない
だから政府は恐れ、学術会議から外したと理解できる 実力を認識している
1.危機の指導者 長期的戦略思考力とは
対米戦争で長期化は回避と理解はしているが、具体策ないまま開戦 最悪
ロジスティクスの算段が出来る指導者の不在
2.戦後の「天皇退位規定」天皇の戦争責任論 一般人として極東軍事裁判
3.危機対応 平時も戦時も基本は同じ「構想手法」(下平拓哉防衛省)
①現状の把握 ②問題の析出 ③解決策の案出
4.現代資本主義経済体制の閉塞 水野和夫氏
1971 ニクソン・ショック
1973 オイルショック
5.必要な政治改革=参議院改革 衆議院に対して強すぎる