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『お互いに何マイルも離れたところにいる人たちが、行動するときが来たと同時に気づくことがあるようです。
たぶん人の考えは、風に乗った花粉のように広がるのでしょう。』
ひとつの嘘から始まるこの壮大な物語は
醜い欲や弱さや偽りも、素晴らしい愛情や勇気も、
どちらも、それが人間というもの。
そして、変わることもできる。ということを教えてくれる。
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面白かった。イギリスやヨーロッパの王道、きっちりダークな部分が入ったファンタジー(おとぎ話)。能無し王に腹黒い側近ヴィラン。アホな勘違いからイッカボッグという架空の怪物(なまはげ的な扱い)討伐にでかけ、臆病者な側近の誤射で、少佐を殺してしまうが、イッカボッグの所為にして、嘘の上に嘘を重ね、さらに情報統制をし、重税を課し、ヴィランたちは私服をこやしていく。疑いを持った人や、真実を知った者、反抗しようとした者たちは、拘禁、処刑していく。残された孤児は虐待施設に集め、そこで主人公の子供達が、本当のイッカボッグに出会い、革命を起こすという大筋。まあ、筋的には古典的だし、ラップアップがむりくりだが、文章が面白いのと、ゆうても児童文学なので、肩こらずに読めるという感じ。
超個人的だが、挿絵が公募の一般作品で子供が描いた作品なんだが、これがあざといというか、これを「良い」といわんかったら、お前は人でなしだ!と脅迫されているような気がして、嫌な気分になった。
確かに素晴らしいとは思うが、それは別枠で書籍化すればよかろう。
図書館で借りた本に、文句をいう権利はないようにも思えてくるが、、
なんにせよ、実名と年齢がはいっていて、圧がすごい。
挿絵って、内容のヘルプにもなるが
ハズすとただのディストラクション。
安定の読みやすい翻訳だが、
1箇所だけ違和感はんぱなかったのが、
P134
イッカボッグが人間を捕らえて、食べる前に人間の言葉を教えさせている、という話を聞いたフレッド王が
「くわばら、くわばら、なんと残酷な!」
と言うんですが、
くわばらくわばら、て
雷以外のものに使うと妙。
原文がなんなのかしらんが、
ノックオンウッズみたいなんやったら、
天災とか自然災害全部に言うやつやったんでは
となると、日本語でポピュラーなのて思い浮かばんから、
「プロテゴ・トータラム」
とかだったら妙にウケたんだが(笑)
まあ、どうでもええけど
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ハリー・ポッターの作者JKローリングの書き下ろし童話。子どもに語り聞かせたものを発展させたという事で、5〜6ページの簡易な章が64章まである。これはこれで読み通すのには有効かも。
平和で豊かなコルヌピア王国。"怪物イッカボッグ"は子どもを怖がらせて良い子にする為の伝説…誰もがそう思っていた。だがある事件をきっかけに、王の側近たちはこの伝説を自分たちのついた嘘を覆い隠すために利用し始める。"イッカボッグは本当にいる"と。信じない人、邪魔する人は、彼らの作った法の名のもとに、次々と牢屋に送られ殺されていく。豊かだった王国は荒廃し人々は貧しくなっていく。そんな不条理な思いをさせられた子どもたちが成長し、嘘で固められた巨悪に立ち向かっていく。
久しぶりに再読したのは、ウクライナ侵略戦争はもちろん、あらゆる所で様々な『不条理』がまかり通っている現実を毎日のように見せつけられているからだ。『法による支配の正当性』が声高に叫ばれるけれども、その『法』が、彼らの不都合を糊塗するだけのものだったとしたら、我々はどうすれば良いのか?
…という訳で、ファンタジーでありながら現実的で、考えさせる問題を巧い具合に提唱している作者は見事です。ただ、本当に"子ども向け童話"かと言われると…。無茶苦茶いっぱい死ぬし(汗)。なので星4つとしました。ま、ハリーポッターシリーズ知ってる人なら想定内ですよね。なにしろ「生き残った男の子」から第一章が始まったんだから。
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かなりおもしろかった!児童文学?だと思うが結構辛いシーンも多く、人も死ぬ。
本物のイッカボッグが存在し、子どもたちとイッカボッグの交流のシーンはかなりジーンときてしまった。
挿絵が、イッカボッグを読んだ子どもたちが描いたもので、それはそれでジーンときた。