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【あの手この手で生き残りをかける化粧品業界】
本書が出版されたのは2019年9月で、コロナ渦も含め、これまでの業界の動向を把握することができます。
近年の動向としては、新規参入のメーカーが急増し、韓国や中国コスメも大人気といったところと、男性メイクも一般化しつつあるところです。新規参入の企業の中には、大手企業が使用している成分を配合した商品を安価に販売しているところもあります。しかし本書では、同じ成分を使用しても、配合量や製法が微妙に異なるだけで、違う商品ができてしまうとのこと。また、大手のように、常に同じ品質の商品を安定して提供していくことは大変だそうです。
コロナの影響で破産に追い込まれるメーカーがいる中、水面下ではM&Aやライセンス契約が盛んでもあります。私はよくコーセーの公式オンラインショップを利用しますが、そこでは自社以外のブランドの商品も購入できます。
メーカーはユーザーをつなぎとめておこうと努力しています。ほとんどの消費者は浮気症ではありますが、どうやら化粧水のユーザーに関しては、ずっと同じ商品を使い続ける傾向が強いと書いてありました。私自身にも当てはまり、思わず納得しました。
また、中国では化粧品成分が載っている専用アプリもあるとのこと。日本ではまだ少ないですが、成分の分析をしているのは科学者などの専門家なので信頼されているそうです。メーカーの研究開発部門の人でないことを祈りますが。