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恋愛がらみ(?)の短編集。
どれも設定が変わっていて、不思議な読後感。
読み終わる頃に、やっと登場人物の関係性に気付いたものもあった。
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p74「陳腐な考えだ。恋愛も出産も、人間が己を陳腐な存在であることに気づかせるためにあるのだろうか」
p97「運命。運命。運命。男と寝ると胡桃はすぐ運命と口にした... 好きになれる相手はいくらでも存在する。問題は親密さを保つ努力や、相手のことを慮る想像力だ。それに加えてひと匙の縁」
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山本文緒さんの、最新刊にして遺作となったこの小説を読んで、もっともっと長く山本さんの作品を読みたかった、としみじみ思った。
シンプルに読み物として面白い作品をたくさん生み出し続けていたことに対する敬意とともに。
帯の「痛くて、切なくて、引きずり込まれる!」が、まさに、の感想。その3要素は私の好きな小説のタイプに当てはまるので、嫌いなわけがない。
6つの物語のうちいくつかは、ミステリではないもののいわゆるミスリードを誘うものがあり、気づいた時の「やられた」感がとても爽快。
表題作の「ばにらさま」は白くて可愛らしい歳上の彼女が出来た主人公目線なのだけど、ネットを通して彼女の裏側が明かされていくという哀切を感じる物語。
他の5つもそれぞれに切ない要素があってとても良くて、とくに好きな作品を選べない。どれもとても良い。
他人からは幸せに見えていたり、何の問題もなく生きているように見える人たちにも、それぞれの悩みや苦しみがある。そしてそれを取り繕って過ごす人間について描かれていて、昔からずっと山本文緒さんの作品といえばそれが醍醐味だったと改めて感じた。自分にも思い当たる面があるからこそ、グサッときたりする。
まだ読んでいない山本さんの作品も、大切に読んでいこうと決めた。
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アラサー女子に刺さる。いるいる、あるあるの嵐。
後半は私小説なのかな?と思うような、でも書かれているのがもっと前だからそんなことはないんだろうけれど、寂しくなったな。
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短編集ですが、ばにらさま・わたしは大丈夫・菓子苑は二度読みしたくなりました‼️
物語が後半になるにつれ、ほっこりするような、、、なんとも言えない感覚に襲われました
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構成が凝っていて、どの作品もある一文を読むと景色が変わる。
景色が変わった状態です読み返すと、味がある。
どの作品も結末が書かれていないので、読者によって感じ方はさまざま。
私には素敵な余韻を残してくれた作品に感じた。
ハッピーエンドの捉え方は人それぞれ。
登場人物達の幸せを願わずにはいられない。
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話の途中、「えっ?」と驚く瞬間(仕掛け)があって、そこからぐるりと印象が変わるのが面白かったです。
最後の『子供おばさん』と最初の『ばにらさま』は、終わり方に少し光が見えて良かったけれど、全体的に寂寥感が漂うお話でした(捉え方によってはホラーかもしれない)。
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表紙のタカノ綾の絵、どっかで見たことがあるなあと思ったら、20年も前にポストカードを買ってたのを思い出した。少しエロくて、だけどいやらしさのないエロさだった。
山本さんが書いた女性達の関係性は往々にして奇妙な雰囲気が多い。それは例えば母娘でも、友人でも、ましやライバルでも。一見親密そうな関係だが、互い妙に小競り合ったり、または距離を持って接したりしている。また自分自身との向き合い方も器用じゃないから、どのキャラクターも私にとって愛しい女性と思いました。
ばにらさまは6つの短編が書かれており、それぞれちょっと癖のある女がいる。ばにらさまの中の瑞希ちゃんはなんとなくこんなイメージだろう。20/20の無花果さんはもしかしてこんなイメージだろうと想像する。菓子苑の舞子や胡桃、子供おばさんの夕子と美和、女性達の会話や心境を読んで、こぐ淡々な文章だけど、濃ゆくて、重たい感情を感じる。
人間関係は難しい。本当かウソかがわからないけれど、それらと触れ合った時間は確かにそこにあると、思います。
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2021/12/23
ばにらさま
山本文緒さん。
山本文緒さんの遺作。
好きな作家さん。
ご冥福をお祈りします。
短編集。
どんでん返し的な感じで、
キレイに騙される。
おもしろい。
人の綺麗な表面。ドロドロした内面。
の表現が、
とてもうまい。
ありがとうございました。
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「自転しながら公転する」で山本文緒さんを知りました。
わたしは大丈夫と、菓子苑に、驚きました。
自分の先入観の強さにも気付かされました。
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「わたしは大丈夫」と「菓子苑」にはミスリードされましたー!それが楽しかった。
「ばにらさま」「20×20」「子供おばさん」も好きな作品でした。
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最後は半分寝ながら読んだのであれですが…
やはり「ばにらさま」がいちばん切なかったかと。
特に前半の数作品は、二度読みしてしまった。
作家の方はどうやって書いているのだろうか。
ひとつの設定を隠して書いたらこうもなるものだろうか…。
『自転しながら〜』が途中になっている中で、短編ならさっといけるかなと思って読んでしまった。
あと、他の方が感想に書いてたけど、不倫がめちゃナチュラルに書いてある。きっと身近なんだね思ってるより。
いろんなことは全て日常の延長なのかもね。
(良い悪いは一旦棚に上げました。よいしょー。)
メモ(子供おばさんより)
彼女がどうして私に愛犬を託すことにしたのか、その理由はやはりわからない。わからないまま私は暮らしてゆく。答えは出ないことを知っているのに答えを探して歩き回る。
私は週五日仕事にゆき、休日は犬の散歩と買いだしをし、夜は友人や家族と食事をしたり、風呂の中で推理小説を読んだりする。日常に倦むことはない。
何も成し遂げた実感のないまま、何もかも中途半端のまま、大人になりきれず、幼稚さと身勝手さが抜けることのないまま。確実に死ぬ日まで。
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+++
冴えない僕の初めての恋人は、バニラアイスみたいに白くて冷たい
日常の風景が一転! 思わず二度読み!
痛くて、切なくて、引きずり込まれる……。
6つの物語が照らしだす光と闇
島清恋愛文学賞、本屋大賞ノミネート『自転しながら公転する』の山本文緒最新作!
伝説の直木賞受賞さく『プラナリア』に匹敵るす吸引力! これぞ短編の醍醐味!
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登場人物がリアルに浮かび上がってくるような物語たちである。そして、先の展開に興味津々で読み進めていると、さらりとまったく別の世界に連れて行かれる。数ミリの段差もなく、滑るように視点が変わるので、ぞくっとさせられる。人間の思い込みの怖さをも思い知らされて、うなるしかない。人間の本質まで透けて見えてきそうな一冊である。
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久々に著者の本を手にとったら、こちらの本が遺作とのことで驚いた。トリックのような仕掛けがある意欲的な作品だった。著者の他の作品もまた読み返したいと思った。
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ざわざわとした感じ、
え…この二人は…と思うような話、
中でも「菓子苑」はやられた感があった。
もう一回だけ!読んでみよう、と思う