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久々の山本文緒。
お亡くなりになって残念です。
相変わらず、ぎょっ、とさせてくれる作品をかいてくれます。
年も境遇もバラバラの女性なのにどこかなんかどの主人公にも共感できる部分があってぎょっとする。
2022.3.21
42
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山本文緒さん遺作の短編集。山本さんの書く話の主人公にはいつも心をつねられるような気持ちにさせられ、大丈夫だよとハグをしたくなる。初めて読んだ本も短編集で同じ気持ちになったのを思い出した。もっともっと読みたかったな。
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短編集6編
愛という皮をかぶった打算執着、勘違いのままひっついたり離れたり、不毛な対人関係を描いている。あるいは勘違いのまま結婚した先に虚しさが漂う。
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いわゆる"痛い"女たちの短編集です。
特に何かドラマがあるでもなく、感動するでもないのですが、なんとなく心がザワめくのは何故か。
淡々と、俯瞰した目で紡ぐ文章が、小説全体に氷のようなキリッとした印象となり、とても好きです。
あっという間に読了でした。
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後出しジャンケンのような展開、話の途中で実はこうだった感がある。
身近にある話で入りやすいが、読後、残るものがないかなぁ!
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レビューの評価が高いけど、僕には合わない。もう一本目の「ばにらさま」で嫌気がさした。救いの無い話だ。
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恋愛短編集。胸キュンではないし、激しくもないし、爽やかでもほっこりでもないし、感動でもない。だが、なぜか惹かれてしまう。等身大の登場人物に等身大の日常。生きるってこういうことだよねって、心の奥底からじわじわと来る感覚。飾らない文章に著者の人柄を感じた。
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これが山本文緒さんの作品が読める最後の書籍になるのかと思うと寂しさと自分の昔を色々思い出します。
学生の時にブルーもしくはブルーとか眠れるラプンツェルとか夜中から朝方にかけて夢中で読んだっけ。今より時間があったからそんな贅沢もできました。
自転しながら公転するを数ヶ月前にあぁそうそうこれが山本文緒さんの作品!と昔を懐かしみながら読みました。
今回のばにらさまは読んでいると分かりますがパケットとかいう用語が出てきてもしやと裏側をめくったら2008年から2016年位に執筆された短編集だったんですね。
ばにらさま
男性がちょっと難のある女の子に引っかかっておわりかなぁとか思いながら読んでたら最後の数行でちよっと暖かみのある終わり方になった。いますよね。んーとか言って困ってるようにみせて実は遠回しに嫌だって否定する人。
わたしは大丈夫
序盤読んでてなんでこんなに分かりづらい文章のまとめ方するんだろうと思ったらまさかの結末。思い込みを見事に裏切ってくれました。
菓子苑
こちらも読んでいて途中のある一言で思い込んでた事を見事に違うものにみせてくれました。
胡桃は数十年後舞子の様になるのかならないのか…
バヨリン心中
これ素敵なお話ですね。前の3話とは雰囲気が違って。途中祖母の遠子さんがバスを車で止めようとして血を流すシーンがなんとも良い意味で唐突だけどこういう所が山本さんの作品らしいと…私は思いました。短編でも十分面白かったですが長編で読んでみたかったです。離れてしまった2人がお爺ちゃんお婆ちゃんになるまでの間どんな風に過ごしてきたか…
20×20
多分この短編集の中でも1番短いお話。最後の終わり方がピンとこなかったのは読解力不足ですね。
子供おばさん
これも面白かったです。最後の2行に何も成し遂げた実感のないまま、何もかも中途半端のまま、大人になりきれず、幼稚さと身勝手さがぬけることのないまま。とありますが、正直主人公達の様な人は今の時代いっぱいいるし、これを子供おばさんと捉えるかどうかは…人それぞれな気もするんですよねぇ。
他の未読の山本文緒さんの作品が読みたくなりました。
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文緒さん最期の書籍。
短編集。
好き。
心地よい。
わかる。
もっともっと読みたかった。
新作が読めない、って悲しい。
この本の最後に「子供おばさん」をもってくるのは編集者さんの仕業?
文緒さんがこの世に存在しなくても、私は生きているし、他の作家さんの本を読んでいる……
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「ばにらさま」表面だけ取繕っても裏を知られていては最初から興醒め。ばにらさま、痛々しすぎる。「子供おばさん」亡き友人からの意外すぎる負担付遺贈。
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▼体を鍛えて、能力を磨いて、社会の中で価値ある人間として生きてゆく。そのためには睡眠時間などいくらでも削るというのだろうか。そうして何を獲得してゆくのか。生きている実感なのか、他人からの賛辞なのか、家族との豊かな生活なのか、はたまた享楽と言われるもの全てなのか。(「菓子苑」p.88)
この本が出て1ヶ月して、著者が亡くなった。その頃、まだ前の『自転しながら公転する』を積んでいた。長編を読む体力がなく、読めるようになるのを待っていた。
『ばにらさま』は、"日常の風景が一転する"との触れ込みだった。著者は版元のサイトで「どの作品にも「え?!」と驚いて頂けるような仕掛けを用意しました」と書いている。
どの短編も、思わぬ展開だった。ページを戻って、2度、3度と読みなおした。
「菓子苑」の舞子と胡桃のことも、さいごのほうになるまで、気付かなかった。上に引いたのは、舞子が早出の仕事先で、朝活に通ってくる人びとを見ながら考えたこと。舞子は、この人たちに心の底から感心して「何のために」と思うのだ。
▼まだ朝の七時だというのに、ビジネススーツを着こんだ男女が颯爽と受付を済ませて教室に入ってゆく。そんなにまでして英会話だの余がだの習うのはいったい何のためなのだろう。馬鹿にしているわけではまったくなくて、私は心から感心してしまうのだ。一度か二度で来なくなってしまう人もいるけれど、一度も休まず長い期間続けている人も多い。そういう人はどんなに早朝でもきちんと身繕いをしている。女性は隙なくメイクをし、男性は丁寧に髭を剃って石鹸の匂いを漂わせている。(「菓子苑」p.88)
書き手が亡くなると、新しい作品が読めなくなる。干刈あがたが亡くなったときにも、そのことが残念でならなかった。
(2022年5月17日了)
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“あなたが好きな作家さんだったよね、山本文緒さん。亡くなったらしいよ”
2021年10月13日の夜に妻が私に語った一言の衝撃は未だ忘れられません。毎日およそ3,300名もの人がこの国のどこかでお亡くなりになられているという厚生労働省の統計値が示す通り、人が人である限り死は逃れることのできないものです。とは言えそんな統計値を見ていてもどこか他人事のようにも感じられます。しかし、身近で知る人の訃報に接すると死は一気に身近なものとなります。
2019年の暮れから読書&レビューの日々をスタートした私は今までに50名を超える作家さんの小説に接してきました。読書というものはその過程で自身の感情が大きく揺れ動くものだと思います。よく考えるとこれは凄いことです。ある作家さんが文字として記した文章をたまたま手にした一人の人間を楽しませたり、怒らせたり、そして切なくさせたりと、直接接してもいない人と人がそんな風に感情をコントロールすることができるというのは魔法と言っても良いくらいに凄いことだと思います。
そんな魔法を私に見せてくださった作家さんのお一人、それが山本文緒さんでした。『人はふたつの人生を生きることはできない』という当たり前の現実に『ドッペルゲンガー』というまさかの存在を登場させる「ブルーもしくはブルー」、『あなたはあなたの仕事が好きですか』という問いかけの先に”仕事をする”ということの意味を読者に問いかける「絶対泣かない」、そして私たちが毎日を生きるということを、それぞれの生活を送るのにプラスして社会の中で何らかの役割を果たしているという現実を惑星の自転と公転に比喩する「自転しながら公転する」など私の心に今も強く残る作品の数々がそこには思い浮かびます。
そんな山本さんが亡くなられたという事実は、もうあの作品世界に連れて行ってもらえないのか、という落胆を強く感じる瞬間でもありました。しかし一方で、山本さんが遺してくださった作品群が一緒に消滅することはありません。手元にあるそんな作品を開けばいつでもそこに山本さんの魔法を感じることができるのです。
さて、そんな山本文緒さんが最後に刊行された作品がここにあります。「ばにらさま」という不思議なデフォルメがなされた女性が佇む様が表紙に描かれたこの作品。読者を楽しませることを十分に考えられた緻密な構成に魅せられるこの作品。そしてそれは、山本文緒さんが『闇と光が反転する快感を味わって下さい!』とプレゼントしてくださった魔法に、読者が囚われることになる物語です。
『突然生活が白くなった』と、『白いワイシャツを着て白いオフィスで日々働』く『ホワイトカラーになった』主人公の中嶋広志は『しかも白い恋人までいる』という今の自身のことを考えます。そんな広志は『僕の白い恋人は、比喩ではなく本当に白い』、『うなじから二の腕の内側までバニラアイスクリームのように白い』と彼女である竹山瑞希のことを思います。『食事代は僕が出しお茶代は彼女が出す』という分担が定着した二人のデート。そんな二人の今日のデート先は『週末でもないのに店は混んでいた』という広志が『ネットで見つけてきたタイ料理屋』でした���そんなデートの中で『二十四日はなにか予定あるの?』『ちゃんこ鍋屋ですごいおいしいとこ知ってるんだ』と誘う広志に『嬉しい。ありがとう』とお礼を言う瑞希。『美人で髪がきれいで手足が細くて』という『女の子と自分がつきあっているなんて未だに実感がわかない』と思う広志は一方で『いったい瑞希は僕みたいな男のどこが気に入ったのだろう』とも思います。そして、『そろそろ帰りましょうか。明日も仕事だしね』という瑞希の一言で店を後にした二人。
(字体がゴシック体に切り替わる)
『十一月二十六日 友達とタイ料理を食べてきました… 酔っぱらって騒いでる人がいっぱいでうるさかった… でもステキな彼氏と一緒ならわたしも少しは酔っぱらってもいいかな…』
(字体が元に戻る)
『巨大金属グループが出資している冶金研究機関』で『対外的なアレンジ』を担当する広志は昼休みに『仕事はあまり教えてくれないし、妙に気疲れする』女性上司の誘いを上手く振り切り部屋を出ました。そんな時、『これからお昼?』と瑞希が『ランチバッグを手に提げて』声をかけてきました。『どこに食べに行くの?』と訊かれ『コンビニだよ。毎日コンビニ弁当』と答える広志に『中嶋君のも作ってあげようか』と言う瑞希に『とんでもない』と返す広志。そんな広志は『明日の土曜日、ごめんね』と謝ると『お母様の誕生日なんでしょ。親孝行してきて』と返す瑞希。『社会人になってはじめての母の誕生日なので何か喜んでもらえることがしたかった』という広志は彼女と分かれてコンビニへと向かいました。
(字体がゴシック体に切り替わる)
『十一月二十九日 久しぶりに部屋を片づけた。お休みの日はだいたい遊びに出ちゃうからね… 男の人ってだいたいみんなマザコンだよね』
『僕の白い恋人は、比喩ではなく本当に白い』という広志視点の物語に、日記調の文章が七回にわたって挿入されていくその先に、まさかの結末を見る表題作でもある短編〈ばにらさま〉。なんとも切ない後味が尾を引く好編でした。
2021年10月13日に58歳でお亡くなりになられた山本文緒さん。そんな山本さんが最後に刊行されたのがこの作品、「ばにらさま」という短編集です。2008年に「別冊文藝春秋」で発表された表題作の〈ばにらさま〉から、2015年に「小説トリッパー」で発表された〈20 × 20〉まで、七年の間に同じように発表されてきた六つの短編から構成されています。そんな短編間には一切の関連性はありませんが、それぞれの短編の構成に一捻りが入っているのが特徴です。では、それぞれの短編をそんな特徴とともに見てみたいと思います。
・〈ばにらさま〉: 『僕の白い恋人は、比喩ではなく本当に白い』という彼女・瑞希と付き合う広志。そんな広志は『僕みたいな男のどこが気に入ったのだろう』と幸せを感じていましたが、『偶然彼女の日記を見つけてしまった』ことから物語は大きく動き出します。
→ 特徴: 日記調の文体が差し込まれます。
・〈わたしは大丈夫〉: 『余計なお金を使わない』と倹約する主人公の秋穂は、家に帰ると娘の夏帆と『公園へ行ってきます』という義母のメモに気づきます。『残業なのでお袋よろしく』と夫からのメールも受けた秋穂。そんな物語に『私の恋人は妻のこ��を…』という文章が続きます。
→ 特徴: 二軸の物語が展開します。
・〈菓子苑〉: 『舞子はネイル行かないの?』、『行ったことない』と会話する胡桃と舞子。『明日早番だし』と帰る支度をする胡桃は『舞子さあ』と切り出し『また一緒に住まない?』『お金も折半にするし、迷惑かけないから』と語りますが舞子は『返事に窮』します。
→ 特徴: まさかの二人の関係に驚愕します。
・〈バヨリン心中〉: 『ここに入院してもう一年』という祖母を見舞った主人公の『私』に、祖母は、『ぼくはアダム』というポーランドの音楽大学から『音楽のワークショップ』のために来日した男性と知り合った時のこと、実に『五十六年も前の話』を始めました。
→ 特徴: まさかの未来世界が舞台になります。
・〈20 × 20〉: 『私は主婦であるがものを書く仕事をしていた』という主人公の『私』は、『リゾートマンションに籠城』して原稿を書く日々を送ります。そんな中、マンションに定住しているゲランという『六十代中頃』の女性に自身が作家であることを知られます。
→ 特徴: 主人公 = 山本文緒さん?
・〈子供おばさん〉: 『四十七歳で突然死んだ』中学時代の友人・美和の葬式から帰宅した主人公の『私』。そんな『私』に美和の兄から『妹があなたに託したいものがあることがわかりまして』と電話がかかってきます。『エンディングノート』に記されていたまさかの『負担付遺贈』。
→ 特徴: 『負担付遺贈』という民法1002条の内容に驚愕します。
六つの短編は上記した通りそれぞれ”特徴”を持っていて、この短編にはどんな”仕掛け”が待っているのか、という感じで読んでいて期待感をとても感じさせてくれます。特に〈わたしは大丈夫〉、〈菓子苑〉の二編は読み始めて一体これはどんな物語なのだろうかと、ポカン?とする展開の先にまさかの全体像が浮かび上がるという絶妙な作りがなされています。これから読まれる方はその驚きの瞬間を是非楽しみにしていただければと思います。また、上記でも触れましたが〈バヨリン心中〉の世界観もとても興味深いものがあります。それは、『もう祖母の時代とは何もかも違うと思いたいのに、誰かとつがいになって実子を生むことだけは二〇六五年の今でも変わらず求められる』というまさかの未来世界が実にさりげなく描かれていることです。未来世界、つまりSFが展開するこの作品。山本文緒さんの小説にSF?というと、違和感を感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は山本さんは他の作品でも似たような試みをされています。それは、1999年に発表された「落下流水」という作品において『その町と都心を結ぶリニアモーターカーの路線が建設中』というまさかの2027年という30年後の未来を描かれています。そして、この作品で描かれる2065年という未来世界の描写もとても大胆です。『世界的なパンデミックのあと、経済はなかなか持ち直さなかった。少子化は益々進み、自衛隊が組織を維持できなくなり、外国から傭兵を募ったことが治安悪化のきっかけだった』というまさかの2065年の日本を描写したこの表現。自衛隊が外国から傭兵を雇う!という大胆な予想の先にある未来世界の描写。いかにもSFな表現ではな���、現在の日常の延長にある未来世界をさりげなく描写する山本さんの描くSF!にも是非ご期待ください。
さて、それぞれの短編にさまざまな試みがなされていて読者を決して飽きさせないこの短編集ですが、全編とも隠された女性の内面を鋭く描写していく様が実に山本さんらしい作品に仕上がっていると思います。例えば、表題作でもある〈ばにらさま〉は広志という男性主人公の視点で展開する物語です。タイトルにもイメージされる『白』、それは『僕の白い恋人は、比喩ではなく本当に白い』、『うなじから二の腕の内側までバニラアイスクリームのように白い』という彼女の外観イメージから広志が抱くものです。そんな『白い恋人』ができたことにすっかり舞い上がってしまっている主人公は『こんなあか抜けている女の子と自分がつきあっているなんて未だに実感がわかない』と感じてもいます。この短編では視点は広志に固定、瑞希に移動することはありません。それを上記の”特徴”にも書いた通り、まさかの日記調の文章の差し込みによって瑞希という女性の内面を描き出していきます。『ステレオタイプと呼ばれる女の子達にも、内面にはその人しか持つことのない叫びや希望があるはず』と語る山本文緒さん。そんな山本さんは『そんなことをテーマにこの小説集を作りました』とこの短編集のテーマを語られます。そう、この作品は表向きには見えない女性の内面世界をさまざまな手法を駆使して物語の中に浮かび上がらせていくという共通点を持っています。それによってそれぞれの登場人物が、どのように感じ、どのように行動に移していくのか、それは決して大胆果敢なものというわけではありません。あくまで、日常の中にちょっとした変化を生んでいく、それだけのこととも言えます。しかし、この些細な変化、些細な前進という人の心の機微を感じさせる物語、それこそが山本さんの描く物語の一番の魅力であり、この短編集では六つのステージでそんな物語を楽しませていただきました。
『どの作品にも「え?!」と驚いて頂けるような仕掛けを用意しましたので、きっと楽しんで頂けると自負しております』とおっしゃる山本文緒さん。結果的に山本さんの最後の作品となってしまったこの短編集ですが、そこには山本さんに読者が期待する喜びが、驚きが、そして切なさの全てが詰め込まれていました。
『闇と光が反転する快感を味わって下さい! 山本文緒』
そんな写真付きのメッセージを残してくださった山本文緒さん。こんな素晴らしい作品世界にもっともっと浸りたかった、人の心の機微を描く作品世界にどっぷりと浸りたかった、そして山本さんの描く人間という生き物の強さと弱さをもっともっと見てみたかった。
読者のことを思い、読者に寄り添った素晴らしい作品を遺してくださった山本文緒さん。あなたの遺してくださった作品の数々はこれからも私の心を揺さぶり続けてくれると思います。そして、そんな物語に浸れることをいつまでも楽しみにさせていただきます。
山本文緒さん、どうか安らかにお眠りください。心よりご冥福をお祈りいたします。
素晴らしい作品の数々、どうもありがとうございました!
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ばにらさま
恋愛が全てではない。恋人がいてもそこに愛情がなければ虚しいだけ。家族、友人、恋人どんな関係であっても、人と人が思い合っていれば愛が生まれるのだと思いました。
バヨリン心中
ポーランド人の旦那さんは、決めつけるタイプの人でなくていい人だと思った。子供ができて、慣れない土地で暮らし、最終的にポーランドに帰ってしまうけれど、奥さんをポーランドに一緒に行こうって誘ってたし。けど、結局限界はあるのかなー。
でも死ぬ前とかって、こういう儚い恋愛を思い出したりするもんなのかね。
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表題作のばにらさまは面白かった。
また、ふわっとして、色白な女性を
ばにらさまって、いいネーミングですね。
他の作品はあまり、入ってこなかった。
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人間の建前と本音が入り乱れていて、後ろめたい部分も共感できたりして、チリチリした気分で読んだ。『ばにらさま』と『菓子苑』は結末のどんでん返しに驚いた。辛いことや寂しいことがあっても、日常の楽しみは変わらずあるし、それを楽しみにしている自分が薄情であるような気分にもなる。50代女性の心情が書かれているお話が多いけれど、私ももう少ししたらこんな心境になるのかしら、と思ったりして。
山本文緒さんの最後の作品となった本著、存分に楽しませていただきました。他の未読の作品も読んでいきたい。