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冴えない僕の初めての恋人は、バニラアイスみたいに白くて冷たい
日常の風景が一転! 思わず二度読み!
痛くて、切なくて、引きずり込まれる……。
6つの物語が照らしだす光と闇
島清恋愛文学賞、本屋大賞ノミネート『自転しながら公転する』の山本文緒最新作!
伝説の直木賞受賞さく『プラナリア』に匹敵るす吸引力! これぞ短編の醍醐味!
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登場人物がリアルに浮かび上がってくるような物語たちである。そして、先の展開に興味津々で読み進めていると、さらりとまったく別の世界に連れて行かれる。数ミリの段差もなく、滑るように視点が変わるので、ぞくっとさせられる。人間の思い込みの怖さをも思い知らされて、うなるしかない。人間の本質まで透けて見えてきそうな一冊である。
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久々に著者の本を手にとったら、こちらの本が遺作とのことで驚いた。トリックのような仕掛けがある意欲的な作品だった。著者の他の作品もまた読み返したいと思った。
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ざわざわとした感じ、
え…この二人は…と思うような話、
中でも「菓子苑」はやられた感があった。
もう一回だけ!読んでみよう、と思う
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短編6作どれもおもしろかった、中でも「菓子苑」の二人の関係が親子だとは全然考えられなかった。「それでも母親かよ!」の言葉にビックリ!もう一度読み返すとそこかしこにヒントらしき箇所が。
「子供おばさん」は主人公がなんとなく幸せになっていくように感じられてホッとした。
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育児に専念するため、クリスマス・イブの今日で、病院を辞める看護師の由紀恵。最終日も仕事が忙しく、てんてこ舞いの中、今日は家にいて、1歳の娘の面倒をみていた夫が、何者かに拉致監禁された? 夫と連絡が取れなくなったことを心配する由紀恵だったが・・・。監禁の描写はエグいが、話自体は意外に単純と思いきや、まさかのラストに驚き。医療関係者ではない秋吉さんが、現役の医師作家が書くミステリなどと比べても遜色ない程、病院内で起こる諸々のできごとを描いている。今作は医療ミステリではないが、今後、医療ミステリも書けるのでは?
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作者の山本文緒さんが亡くなってから読んだ本。大好きだった作家さんだけにショックが大きかった。これが最後の作品になってしまったのかと思うと「次がない」という気持ちになり多少ためらってしまった。(「自転しながら…はまだ読んでいる途中ですが)だから丁寧にゆっくり読んだ。やっぱり面白かった。あっと言わせる設定は山本さんならではだなぁと思った。昔、読んだ作品もあっと言わせる展開があって、それが好きでファンになっていた。次はないけれど、山本文緒さんの作品の面白さはいつまでも忘れない。ご冥福をお祈りいたします。
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6つの短編からなり個人的にはバヨリン心中と菓子苑が好みでした。いずれも異なる女性の異なる事情をリアルに描写されていて共感できる部分が多いのだと感じました(私は男ですが)
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話題になっていたので読んでみた。
少し暗めの内容だったので、読み終わったあとに何となく暗い気持ちになった。
ここまで書きながら思ったが、本を読んで、読者を本の内容に近い気持ちにさせる本は、なかなか無いのではないだろうか。
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人物造形の深さが魅力的な山本文緒さんの短編集。
どこかにありそうなお話を作るのが上手い。
お話の型ではなく、一人一人がドラマを作っていく感じ。
それでいて先が全く読めない。
大体の話が、ラストに驚きがあったように思う。
さらっとこういうお話を書けてしまうのが流石です。
いい人も悪い人もいない、どちらもあわせ持つ等身大の登場人物たち。
ばにらさま
ふくよかな男性と、初めての恋人の話。遠い距離感と通わない心が切ない。一方的に相手の懐を知ってしまうのって辛いな。大切な人とか、絆のある関係とか、程遠い。相手の痛みがわかってても、気持ちを知りきれないのが切なかった。
わたしは大丈夫
こうきたかーという感覚になる話。なぜ倹約生活を送っているのか?交互に繰り返させるお話が一致したときにわかる仕掛けがうまい。恋愛で人生変えられてしまうって言い方はなまぬるい。
菓子苑
胡桃と舞子の関係性が、前半と後半で全く別物に見える。「わたしは大丈夫」もある意味叙述トリック的だったけれど、こちらもなかなか…。胡桃と舞子はある意味合わせ鏡的で、胡桃の将来と舞子の今が合わさっていく予感もさせる。小説の構成的な面で面白い。
バヨリン心中
恋は雷に打たれるようなもの…。恋愛している最中の夢心地は共感できた。そのあと結婚し、とある出来事がきっかけで…。女の激情って凄い。ラストのオチが好き。
20×20
1番お気に入りの作品。題名なんのことかと思ったら…これはオチがほんとに予想できなかった。エッセイなどを書いていた作家さん。平凡な日常を描くのにも絞り出さなきゃ書けなくて、同じマンションのお風呂で知り合った女性とのたわいないやりとりなどが描かれる。作家だからこそ味わえる感覚でした。
子供おばさん
これは身につまされる話だったなぁ。何も背負わず生きている人間って、やっぱりなんか背負いたくなるんだろうか。題名のようなひとはたくさんいるだろうし、自分もこれかもって思う…。独身女性の足場の不安定感も、結婚女性の人間関係にきゅうきゅうにされる息苦しさも、どっちも描けるのは凄い。
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はじめましての作家さん!
YouTubeチャンネルのベルさんがおすすめしてて気になって借りてみた。
本屋大賞候補作は貸出中だったので、次におすすめらしいこちらを借りてみました!
ワイドショーてきな恋愛小説の短編集って感じでした
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山本文緒先生の遺作。
心よりご冥福をお祈りいたします。
6名のタイプの異なる女性の物語。
恋愛って、結婚って、ほんと面倒なもの。
長く生きれば生きるほど厄介になってくる。
男に頼らなくたって一人でやっていけるはずなのに、何故なんだろう。どこで間違えたんだろう。
彼女たちの不器用な生き方に切なくなった。
ざわざわする話が続く中で最後の『子供おばさん』が一番印象に残った。
私も同級生の葬儀に参列したことがあるけれど、あれは本当に辛い。
葬儀の後、共に参列した同級生たちとお茶しながらしみじみ語り合ったことを思い出した。
最後に同級生から託されたもの。それは形あるモノだけでなく晩年の生き方。
私もこんな風に穏やかな晩年をおくりたい。
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表紙の明るさとは対照的に、なかなかにダークな世界観でした。
全体として、読後の爽快感はあまりありませんでしたが、こういうドロッとした感情を摂取するのもたまには良いものだなぁと思いました。
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どれも別々の短編。繋がりは全くないけれど、女性の心の動きが丁寧でリアル。抉られるような共感。言葉の仕掛けに感嘆させられる。
必死に取り繕い装って、カッコつけて何でもないよと、後ろ手に隠し続けていたものをあっさりと引き出され、目の前で公開された恥ずかしさにも似た。
綺麗じゃない。カッコ良くない。年齢を重ね、不意打ちに今の自分の姿を鏡でまじりと映され、見てしまった何とも言えない身の置き所のなさ。
蓋をしていた落とし穴の闇を除いてしまった時の虚無感。打算や醜さといった微毒を含ませながら、その中に哀しくて苦しくて切ないが混ざり合う。何の変化も起きないまま、それでも日々を送る。
激しさはないけれど、深く突き刺さる。そう、自分自身も母となってシニアグラスが要る年齢となった現在も、私の中身は未だに子供おばさんだ。ラスト2行が深く胸に響く。
遺作となってしまわれたのが残念です。ご冥福をお祈り申し上げます。
残念だったのは、装丁イラストが…クセがかなり強いタッチで表紙に惹かれる方は少なさそう。
内容ともイメージが違うので、もう少し何とかしてほしかったです。
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6つの短編からなる一冊。
それぞれの女性の生き方にハッとする事も。
個人的にはバヨリン心中と菓子苑が好き。
菓子苑の胡桃の心情をゴシック体(?)で表したり、バヨリン心中の祖母が昔話をする時に丁寧語を使って書き分けるなど、文緒さんの使い分け方に、ただただ凄いと思いながら読み進めました。
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久々の山本文緒。
お亡くなりになって残念です。
相変わらず、ぎょっ、とさせてくれる作品をかいてくれます。
年も境遇もバラバラの女性なのにどこかなんかどの主人公にも共感できる部分があってぎょっとする。
2022.3.21
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