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投稿者:ウォルトット - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の暖かさがよく伝わるお話。この世界も、自分の知らないところで、えにしの糸は交差してるのかもしれない。
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投稿者:もこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
小野寺史宣さんの作品は初めてでした。
どの話も、キュッと縮んだ心が最後はホッとほぐれる感じで良かったです。
少年サッカーのコーチの話、あー、あるある。と思いきや、展開と結末は、スーッと心に爽やかな風が吹くようでした。
振られた女性の話も、あー嫌な方だなあ。こんな女性、男性からも女性からも好かれないよ。一緒に居て不快だもの。と思っていました、が。
先が読みたく一気読みしてしまいました。
日々の暮らし、自分の行動言動を改めて振り返ることが出来ました。
温かい気持ちになるお話でした。
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なんというか、すんでのところで踏みとどまり、無事に日常生活に戻れたヒトビト。
登場人物同士のつながりやらシチュエーションやら、絶妙で巧みだなぁと思うことしきり。
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ただ、普通に生活をしていても、どこかで人と人は繋がっている。
世間は狭いと言わず、縁と言うとこが綺麗で良かった。初めて読むような少し不思議な内容だったけど、読後感がいいのでおすすめ。
一番好きな話は、2章の「塵」かな。
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紹介より
人と人はつながっている。
たとえ、どこの誰だか知らなくても。
2019年本屋大賞第2位『ひと』の俊英、会心作!
「親御さんと、こう、親しすぎるんじゃないかと」
室屋忠仁、38歳。少年サッカークラブでコーチのボランティアをしていたが。
「こんなふうになるからもう無理だってこと」
春日真波、28歳。デート中、鈍い彼氏にきつくあたってしまったら。
「おれなら土下座だってしますけどね」
田村洋造、52歳。25歳の息子が女子高校生と付き合い、その父親に呼び出されて。
「何とかするよ。百万で、いいかな?」
国崎友恵、52歳。息子の就職の口利きのため、お金が必要に。
人は人を傷つける。けれど、予期せぬ「縁」がそれを救うこともある。
地味だからこそ心にしみて、ホッとする。
疲れたときこそ読んでほしい、あたたかな読後感!
全5作品の群像劇で、知らない人同士が複雑に絡んでいき、結果として大きな「縁」で繋がれていることに読者としては喜びを感じました。
最初の段階では、バラバラの独立した短編集かなと思いましたが、次の作品になると、前の作品で登場したこの場面の人なんだと意外な人が主人公となって物語が進行するので、そういった楽しみもできました。
さらに一つの場面でも、双方の視点が表現されているので、色んな発見ができるという楽しみもありました。
人間の弱い部分を抉るかのように色んな人間の心情が垣間見えていきますが、小野寺作品としては、温かい作品が多かった分、新たな開拓だなと思いました。
なかなか思い通りにはいかない人生。相手からの印象と自分が思う印象は違うかもしれません。
色々ありますが、正直な気持ちで人生を歩んでいきたいです。
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日々を生きる、大人たちの群像劇。
この本を一言で言うならばこうなるだろう。
登場人物達は聖人君子ではないし、漫画みたいな使命や過去を持っているわけでもない、普通の大人たち。なんならちょっと"よくない"行動をとる事もある人達。
だからなのか、普通に生きる人々が持つ価値観、過去、そういったものが際立って見えてくる。
人の行動、言動の基にはどんな理由があるのか?何を考えながら生きているのか?と考えさせられる一冊。
普通の人達の群像劇だからこそ、自分がこの本の登場人物になっていてもおかしくない。
だから僕らも普通に日々を生きる中で縁のある人達の裏側に対する想像力を持たなければいけないな、そう思った。
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人との縁はどこで結ばれるかわからない
いろんな人と出会ってきたけど
お互い影響しあってるんだなとおもう
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少年サッカーチームのコーチのお話から始まり、次々と繋がっていく人と人との縁。
短編になっているけれど、前のお話に出てきた人と何らかの関係がある人の話が続く。
最初のサッカーチームのコーチの話は特に面白かった。…というか心に残った。私も、子供の少年野球チームで体験した嫌なことが、読んでいるとフラッシュバックして、動悸が止まらなくなるくらいに。
それくらい、小野寺さんの本はいつも、普通の世界と小説の世界の差が少なく、スッと心に入ってくる。
そして、何だか心があたたかくなって、清々しい気持ちで読み終えることができる。
きっと、とても性格が良い作家さんなんだろうなぁと、読んでいつも思う。
人のダメなところもちゃんと描くけれど、全否定するのではなく、色々な状況や考え方があるのだから仕方ないよね、でも出来るだけ間違った事はしないでいたいよね、というように、優しく諭してくれるようでもある。
大好きな作家さん。まだまだ他の作品も読んでいきたいです。香りがよい温かいコーヒーをゆっくり飲んでいるようなひと時をくれました。
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4話別々の話なんですが、
登場人物がみんな
どこかで繋がっていて。
モヤモヤしたり、
イラッとする場面もありますが
読みやすかったです。
みんなハッピーエンドかな?
最後、真波の
「歳のサバ」って??
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霧 -KIRI-
塵 -CHIRI-
針 -HARI-
縁 -YUKARI-
終 -OWARI-
RI(り)攻めである。
しりとりの高等戦術。
だれもが一度は試みるラ行の言葉シリーズ。
ではなく、5つのお話のタイトル。
目次にも漢字と並べて英字表示がある。
無理やりしりくりに乗っかると、
それぞれの話は短編でありながら
登場人物でつながっている。
直接的につながったり、
知らぬところで交差していたりと
微妙に密接に重なり合う。
人生うまくいっている登場人物はいない。
みな何かしら躓いている。
課題や心配、問題点を抱えている。
どうにかして打開したいと考えるけれど、
即効的な打ち手は見当たらない。
すべてを解決してくれる妙案は出てこない。
悶々と日々を過ごす。
少しでもいいことないかと足掻く。
そんなところに誘惑が手を差し伸べる。
魔が差してその手を握りしめたくなる。
指先が触れる。さあ、もう少し・・・
悪い方向に進みながら、何とか踏みとどまる。
すんでのところで考え直し、思い直して引き返す。
タイトルに倣えば、GIRIGIRIといったところか。
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人はどこかでつながっている。そのつながりが、ふみとどまらせる。
人がつながって、書かれているので、同じことがもう1人の場面で書かれ、「あれ、また同じとこ読んでる?」と勘違いしてしまう。ちょっと残念。
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小野寺史宜さんを読むのは2作目。
『ひと』に引き続き、こちらもすごく良かったです。
少年サッカーのコーチをしていた室屋は、保護者の間で嫌な噂が立ったおかげで、仕事を理由にサッカーのコーチを辞めてしまいます。(ー霧KIRIー)
話は、ー塵TIRIー ー針HARIー ー縁HERIー と続いていくのですが、これらすべてが見事に繋がっていました。
連作短編のようですが、話の流れがよく、長編のようにも思えます。
縁(えん)という文字を円にも置き換えられるような人との繋がり方は、その人間関係をまるで上から眺めているような感じがしました。
室屋が勤めているリペアショップには様々なお客が訪れます。
嫌な思いをしても、巡り巡ってそれぞれの人たちにもまた良いことが起こります。
予期せぬ縁が人の心を救います。
終わり方が本当に素敵で、読み終わって、心が晴れやかになりました。
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4人の登場人物が意外なところで関わっている。しかもその4人たち自身は自覚しておらず読者だけにしかその見えない鎖が分からない、というのがおもしろく、久しぶりに前の章の○○さんがでてきたら、あっ○○さん‼︎とまるで知人のように思わず心の中でつぶやいてしまった。
4人全員、ちょっと人生でうまくいかなかった部分があって人生の勝ち組みたいな人たちではないけれど、さまざまな場面での人との出会いがそれを上書きするように物語の結末はハッピーエンドで終わる。
少し苦手な人でも、その人と出会ったのには必ず何かの縁があるんだ!と思いながらいろいろな縁を大事にして過ごしていたら、ちょっとでも気が晴れるようなこともあるかもしれないと思った。
それにしても、最後の友恵さんが100万円を盗むところで結末はどうなってしまうのかとハラハラドキドキした〜…
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日常生活で起こる出来事が一つの物語へと集結して展開。登場人物は気づいていないが、人間はゆるくつながっている。悩み、自己中、見栄張りなどの感情の露呈。こういう場面が実際にあり得ると想像してしまった。
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ジャケットとタイトルが綺麗だったので惹かれて購入しました!
付属の縁結びのしおりも綺麗です。
4つの章に分かれていてそのタイトルがそれぞれ霧・塵・針・縁となっていてそれぞれの章の最後の一文にその漢字を使った気持ちが比喩的に表現されていたのでその部分が特に印象に残りました。
4人の視点で物語が書かれていて途中まで(塵の序盤位)はどんな展開で話が進むのか分かりにくかったのですが読み進んでいくと徐々にその4人には直接的か間接的な繋がりがある事が分かってきて他に登場する人物達も含めた関係性を理解した時はこういう繋がりがあったのかとすっきりした気持ちになりました。
最終的に人との縁が良い方向に向かったのでもやもやした気持ちが無くなり晴れた気持ちで読み終える事ができる一冊です。