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1933年 夏至祭の最中、屋敷から忽然と消えた男児失踪事件。
事件は未解決のままであり、その男児の姉であるアリスは現在(2003年)大御所ミステリー作家となっていた。
諸事情により謹慎、休暇中となった故郷でこの事件に自らの境遇を重ねて、調べることにした刑事セイディ
「事件」についての秘密を抱え、守り通そうとするアリス
そして「真相」の中で駆け抜けたアリスの母エリナ
アリス・エダウェイン 1933年
セイディ 2003年
アリス・エダウェイン 2003年
エリナ・ドシール 1911年
と、各年代を行き来しつつ謎が明かされていくのは圧巻…そして、ものすごく心にじんわり来る…良い話を読んだ。
「こういう真相だろう」という考えも少しずつ覆されていき、謎が溶けていく快感もあるのですがほっこりしすぎて読み終わるのが惜しく感じました。
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推理小説風の文学、という印象でした。
文学は読まないので実際はわかりませんが。
推理小説にしてはアッパーな感じ。
人生と時間に想いを馳せたくなりました。
人間っていいよね
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ロンドンで刑事をしていたセイディはある事件で失策を犯し、祖父の住むコンウェールで謹慎することに。
そこには打ち捨てられた屋敷があり、ここでかつて男児の行方不明事件が起こり、未解決のままになっていた。
この事件に興味を引かれたセイディは現在の屋敷の持ち主であるアリス・ウェダインへ手紙を書き、連絡を待つ。その一方で自ら事件捜査を始めていた。
一方、ミステリ作家となっていたアリスにとって弟の行方不明の事件はすでに終わったことであり、彼女の手紙を無視していたのだが……。
70年前、果たして湖畔荘で何が起きたのか?
長い時を経て真実が明らかになるときがやってくる。
今年、最初に読んだのがこの作品で本当によかったと思います。
消えた赤ん坊の謎。そして、その事件に関与したものは誰なのか、そして彼の生死は?
読みながら、いろいろと考えながら、こうではないか、あーではないかと考えるのはとても楽しかったです。
セイディのような女性もアリスのような女性も大好きですが、私がこの物語でもっとも惹かれたのはアリス、デボラ、ケイトリン、そしてセオの4人の母であるエリナが好きです。
第一次世界大戦で心に傷を負った夫アンソニーと折り合いの悪い母親を抱えながらも、必死で家族が幸せに至る道を探す彼女は勇敢でありながらも辛い日々を送っている。
そこへ差し出された手を取りたくなるのも人間らしくてとてもいいなぁと思いながら読んでいました。
以前読ませていただいたブロ友さんの感想に家族の物語とありました。
確かにこれは家族の物語で、過去へ向かうのではなく未来へ向かうために必要な物語なのだろうと私は思っています。
そしてエリナのような女性にあこがれます。強くて、でも弱い。けれども、その弱さに立ち向かうことが出来る女性。
彼女がいればこそのこの物語は翻訳された青木純子さんや解説を書かれている大矢博子さんが書かれているように尊いのだと思うのです。
昨年は重たい一冊から始まりましたが、今回は素敵な物語から始まりました。(大事なことなので繰り返しましたww)
今年もたくさん素敵な本に出合えますように♪
はぁ、楽しい時間だった(*^^*)
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出来すぎな感もあるけど、伏線は回収した感じ。微妙な表現ではっきりしない事もあって、もう一度読み返してみたい気持ちになる。
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1933年と2003年のエピソードが交互に少しずつ語られるに従い事件の真相が徐々に明らかになり繋がっていく見事な構成となっている。あっと驚くようなトリックやどんでん返しは無いものの一気に読ませて充分楽しめる。しかし、ミステリー小説全般に言える事だが読んでいる最中はワクワクドキドキするものの読み終わった後にほとんど何も残らないのが少し淋しい。英国コーンウォール地方を訪ねて見たいとは思ったのだが…。
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図書館で。
正直、登場人物が多くて、それぞれの描写が入るから長い。私はあまり30年代の方は興味がなかったので、その辺りはパラ読みでしたが謎解きとしてはそれでも別に読めたのかな、という感じです。
現代の方のヒロインの事件に関しては、あれは母親が真相を暴いたってことだよなって思います。
最終的に出来すぎな感じはありますが、綺麗にハッピーエンドで良かったねぇという感じでした。
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ミステリ。
上下巻合わせて700ページ超えの大作。
流石に長くて、途中でやや飽きかけたが、この結末は素晴らしい。とても感動。
「偶然」をここまで効果的に扱うミステリも珍しいのでは?
「なぜ子供が消えたのか」が作品の中心となる謎だが、「なぜ優秀な乳母が解雇されたか」「なぜ使用人が死んだか」といった細かい謎も、見事に繋がる解決シーンは寒気を感じるほど面白かった。
更には「なぜセイディが主人公なのか」という謎すらあるらしい。確かにこの物語は、セイディが主人公でないと成り立たない。
とにかく傑作。この著者は他の作品も読もう。
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この巻の1/3ほどから、読み進める手を止めることができなくなりました。
人はみんな自分の経験と感覚を通して物事を見るものですが、その表現がされてるミステリーに出会ったのはこれが初めてでした。後半怒涛の謎解明は少しだけご都合感もありましたが、登場人物がそれぞれの視点で仮説をもち検証しては壁に当たり、を繰り返しながら進んでいく様子が本当にお見事です。
真相が過去視点で明かされたり、現在視点で話し合われたりと、明かされ方にバリエーションがあったのもおもしろかったです。
最後は大団円という感じで、読後の感触も良きでした。
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上巻から下巻のあたま位まで、なかなか話にのめり込む事が出来ず、また、人間関係の把握が難しく、途中から相関図をメモしながら読み進めました。下巻からはスルスル読めました。
アリスの気の強さやコンスタンスの意地の悪さには読んでいて嫌気がさしました。それでも最後は気持ち良くまとめられていたので、読み終えて良かったと思いました。
テンポの早い作品が好きなので、なかなか前に進まないまどろっこしさを感じました。