投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
主人公の徳山はナンバーワンキャバ嬢の初美から強烈なアプローチを受ける。その強烈さを怪しむが、どんどん彼女の虜になっていく。
しかし初美は、外見の美しさとは裏腹に破滅的な欲望を持っていて………
2人が下した決断に向かって物語が進んでいく中で、徳山が狂っていく過程が描かれるのだが、その最中の考え方や価値観に共感できる部分があってモヤモヤとした恐怖を感じた。
極端な依存性と独占欲が辿り着く排他的な思想には衝撃を受けながらも納得してしまった。
2つの内どちらかを少しでも持ってる自覚がある人にはおすすめ、心臓が抉られると思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ー 「まあでも、どこもそんなもんなんちゃう?特に飲食は。サービス残業も普通やし。それにそんな『女工哀史』の時代と比べたら、やっぱり今のはだいぶまともやろ」
「昔と比べて今はマシやから耐えなあかん、ってのは考えなくていいです。苦痛で悲惨なのは今も昔も変わらないです。早く焼き殺されるか、長くじっくり炙られて殺されるか、それだけの違いです」 ー
名作!
素敵な恋愛小説。ボーイミーツガールの傑作。
初美さん素敵だなぁ。
ヘイトする側とヘイトされる側の両方をヘイトし、人類の滅亡、2人の心中を望む初美さんとの恋の物語。
本棚に“人間の悪意のすべてを陳列したい”だなんて、惚れてしまう。
ヘイトを叫ぶ側とヘイトされて平然としている側のどちらでもない場所で、世界の残酷さとどう向き合えばいいのか。何も考えないか、全身に浴びるか、どっちらにしたって、結局は世界を拒んで死んでいくだけのただの人間に変わりない。
だからどうなんだ、って話だけど。
『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』も早く読みたいなぁ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
泣いた。
登場人物全員気持ち悪い。
特に最後の形岡からの超長文メールのあまりのキモさに涙が止まらなかった。
それに対する初美の返信もまじで気持ち悪い。
最高に気持ち悪くて面白かった。
こういうのが読みたかったし、死にたくて死ねなくて生きてるけど生き生きはしてなくてでも屍ではない。人なのか微妙な、でも呼吸はしてるから生物ではあるはずみたいなラインをうろうろするの現実であり空想でありって感じ。
こういう面白い恋愛ならしてみたい。解説読む限り恋情じゃないらしいけど。一応口では愛を確かめあってたし恋愛の括りだろとは思った。でもこの型はめに殺されたような2人な訳だから…堂々巡り。
醜くてもこういう小説読むのを楽しみに私はディストピアを生きるわ〜
理屈じゃない楽しさを自分で捜そう。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
尊敬するような男達が一人もいなかった。出てくる男全員下品で馬鹿で頼りない。
徳山は終始なにもなくて空っぽ。でもそういう人って周りにもいるし私自身気をつけてないといつでもそうなり得る。本当に自分の言葉で物事を語れているかをたまに考える事があるけれど、徳山を見ているとその気持ちが強く思い起こされる。
初美に関して。人類破滅論とか生を汚いと考える所は作者の意図するように極端な存在として君臨している一方で、世界で起きているもしくは起きた歴史を凝視しているとふわっとその考えに心地よく包まれるような気もしている。
結局内場のように私はそれなりにアホで、それなりの幸せというものに自分を満足させて生きながらえるのだと思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
元気がない時に読まない方がいいよ、って言われてた作品。笑
なかなか強烈なタイトルです。
救いになるような話なのか、悪い方にいっちゃう話なのか、どっちだろうと思ってたけど、そういう感じか〜。
読んで思ったのは人の人生って出会う人で変わるのかもな〜って事。
これは一種の洗脳かな。
私は初美に全く魅力も感じなかったし共感もしなかったので、元気ない時でもきっと大丈夫だったかな。
ただラストまでどよーんとやるせない感じが漂うので、かなりHPは奪われます。
舞台が地元大阪だったので、この店、あそこの事よな?とか、そっちでも楽しめました〜
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
やるせなさが味わえる。
破滅までの道のりのジメジメ感がリアルで良かった。心に暗いものを抱えている子って一見魅力的だし惹きつける何かがあると思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
初美の発する言葉は残酷だが少し納得してしまう自分もいた。この世がディストピアだとしたらどうしたら幸せになれるのかを考えされられた。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
好奇心と欲望がむき出しの女とそれに翻弄され洗脳される男の話。
共感できるようで出来なかった。
人間の嫌な部分を再認識できる作品。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
人はなんで死にたいと思うんだろう。「死ぬ」という言葉は、空っぽな心に水のように入り込んで満たしてくれるのかもしれない。
それを取り除くには、もっと圧倒的ななにか(愛とかなのか?)で満たし直す必要があるけれど、そんなものはなかなかなくて、だからたいていの人はずっと死ぬことを心に入れたまま生きているのかもしれない。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
恋愛?だけど、ブラックでダークで黒の上に黒が塗られていく感じだった。恐ろしい表現にもどんどん不思議と引き込まれた。日本文学じゃない感じありあり。いや、そんな日本文学のなんたるかは知らんけど。吸引力のある本でした。
memo
加虐心
卑小な男
イニシアチブがうまくとれない
彼女の横にいてはどこでも萎縮するということが少なく、中和されていた
流麗
何を言われても動じる気色がなかった。それが表面上の張力たわけとはとても思えない平静さに、かえって徳山は薄寒さを覚える
塑像に粘土を塗って生命を与えようとするみたいにして
若枝のような細い足
自分の勝手な信頼が恥ずかしいし、その恥ずかしさの反動から初美のつれなさを恨みたくもなる
下心を隠しきれもしない野卑(やひ)さ
東の空の隅に朱色が篝火のよう
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
偽善だって嫌われたって、私は形岡さんみたいでありたい。
空っぽな徳山みたいになるくらいなら前向きに、周りの人のありがたみを感じながら生きていたい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
厭世的で退廃的な思想を持ち、この世のあらゆる生に関連した事象に何も執着の無いのであろう初美、そんな彼女に惹かれていく、3浪生の徳山
人生への諦観・絶望のようなものに身を委ねきって堕ちていく2人だけれど、最後の最後、結婚するしないの問答で2人の温度差を感じて、そこが痛々しかった
愛ですら永遠ではない
じゃあやっぱりこの生になんの意味があるの?と初美は思っているのだろうか
メールの内容はどこまで初美の本心なのだろう
絶望の淵に堕ち、破滅に向かいたくなる気持ちはどんな人にもあるかもしれない、もしくはこれからそうなる可能性を誰もが秘めている、と思う
そうした岐路にいる人間の行動について、終盤、形岡と徳山の対照的な描かれ方は印象強く残ったが、そういう絶望感みたいなものも抱えつつも、それでも自分は、ダサかろうが無粋だろうが、目の前の幸せに人並みに満足して、生きていきたい、と思った
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
初美には何か理想の死に方があって、徳山と出会った瞬間この人となら叶えられると思ったのかな…
不思議な感覚になるお話しだった。
徳山の心の中身をひとつずつ消していくような初美の言葉や行動は支配者に見えたけど、最後まで読むと実は彼女の理想通りには進んでなかったのかな。
初美の背景がとても気になった。分からないから不気味で面白いのかもしれないけど。
徳山は自分があっても劣等感だらけで苦しかったときと、いろんなことに執着がなくなって空っぽになった時どっちが幸せだったんだろう。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
どんどん引きづり込まれていくような感覚になった。なんとなく中学生や高校生にはおすすめしたくないような…
落ち込んでる時には読まない方がいいかも
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
一人の女性と出会ったことで、全てを依存して何もかもを委ねてしまう。それこそ生きる事すらも。これって絶対にこうならないって言える人っているのかなと思って読んでしまった。自分の主義主張がない訳ではなくて、とにかく心地よく日々を送れさえすれば実はあとはどうでもいいと思っている人いませんか?自分だって実はそういう人間の一人なので、自分を本当に認めてくれている人が「あなたはどうであったとしてもそのままでいい」と言ってくれたら、何もせずただ横たわっている事をためらわないかもしれません。でも僕は好きな人に有能だと思って欲しいので頑張っているだけです。主人公のようなスラっとしたイケメンだと、それだけでも自分は好かれる権利があると思えてしまうのかもしれませんが。
世の中と関わりを持って評価されたい、という気持ちは全くもって正当なものでもありますが、たった一人にさえ認められたらそれ以外いらないというのもまた一つの真実。この本をどう読むかは僕もまだ結論出ませんが、完全にバッドエンドとも言えない。