投稿元:
レビューを見る
読了しました。
パパ友が出版した本なので手にした本です。
なので、ベタ褒めしますので割り引いて読んでいただければ幸いです。
割り引いても、この本の持つ本質的な力、価値は変わりません。
そのことがお伝えできればと思います。
本書は、タイトルどおり戦国武将の半生丸ごとを、
経営学におけるSWOT(スウォット)分析という技法(切り口)を
用いながら、著者の所感が丁寧かつ端的にまとめられ、明快に語られていました。
著者は歴史好きです。その深淵な知識は、いったん横において、客観的に戦国武将の選択、葛藤、謀略、汚点、成長をポイントをよく見つめられております。
その一つ一つのポイントは、古(いにしえ)の事象ではなく、現代のビジネスパーソン、そして一人の個人としても得るものが多く、著者独特の高い視座による所により、他書にはない気付きを得られます。
更に本書は、戦国武将の半生におけるいくつかのターニングポイントを、SWOT分析(強み、弱み、機会、脅威という内外環境事象を浮き彫りにする分析方法)という、古くて新しい経営分析手法を用いて、その状況を明快にあぶりだしています。
その内容は、本書の帯にも記載されている「先の見えない時代」にこそ、
十分に参考になる、いや、実践できる内容が詰まっています。
著者は、一人の武将ごとに「まとめ」を記述しております。
著者の深淵な歴史考察と、経営分析手法を用いた状況把握により、明確に論点を整理し、そして著者独自の視座により、「悩めるビジネスパーソン、個人への提案書」として、エキスを抽出し、「12の提案書」として贅沢に目の前に並べてくれました。
一つ一つ提案書は、知見とロジックが明瞭であるため、因果がしっかり繋がっているからこそ、深い納得感、腹落ち感が半端ないです。
そして著者の高く、広い視座による所感は明快であるからこそ、秋の空のように清々しい。
真骨頂は、取り上げられている戦国武将である。
信長、秀吉、家康というビッグネーム(大企業)ではなく、名前すら聞いたことの
ない武将もいます。もちろん有名な名前もありますが。
著者の独特の視座により、名を知らない武将であっても没入感を得られます。
それはその武将の深い見識による賜物であり、著者の歴史好きの域を超えた新しい分野の創生を感じます。
着目されることが少なかった武将の生きざまを再び蘇らせ、現代にその名前を轟かす役割を著者は担っています。
さらに、著者の神髄は、「歴史」のとらえ方です。
歴史は時の権力者により捻じ曲げられることが多いものです。
著者は、そこをより分け、戦国武将との「対話」により、本質的な価値をサルベージしております。
「正義」を語るのではなく、その武将がその時において選択した道。
表面的には悪や残虐に見えること、反対に善なるものであっても著者は冷静かつ沈着な分析で対話をしています。そして、書き上げたのが「12の提案書」です。
この提案書を当時の武将がみたらどう思うでしょうか。
「良くぞここまで…」と絶��なる心服をおくのではないでしょうか。
そう思えるような、著者の高くそして広い視座により、戦国武将の新しい価値が創出されるまさにその現場に立ちえたという、臨場感を感じられる本でした。
取り上げられた「提案書」は、これから歩む人生のターニングポイントにおいて
実践できるものばかりです。
戦国好き、経営者、新しい価値観を探している人など幅広い方々ににお勧めできる本です。
また歴史探検を共にできる日を楽しみにしています。
投稿元:
レビューを見る
本書を読んで今更ながら気付いたが、戦国武将は、家臣を抱え領地を広げて勢力拡大を目指している点からも、現代の経営者と通じる点が多い。
今の経営者も従業員を雇用し売り上げを拡大して、自社を大きくすることを目指している。
そう考えると、ビジネスの視点からも、数々の成功と失敗を繰り返してきた記録でもある歴史から学べる事は多いはずである。
本書でも、昨今の課題でもある事業承継について、武田勝頼、上杉景勝、北条氏政の三人の事例を比較しながら解説をしている。
信玄や謙信のような偉大な父親から事業を引き継いだ二代目たちの経営者としての判断や決断を見ていくと、現代の二代目経営者の苦悩も垣間見えてくる。
また、どのように成功し、どのように失敗したのかも、SWOT分析を使って具体的に説明があり、非常に勉強になる。
戦国時代も今も最大の共通点は、市場環境の変化に対応できたものだけが生き残れている点だという事。
どんなんに従業員にとって良い組織であっても、変化の波に乗れないと、消滅の危機に晒されてしまう。
第一章の事業承継では、その点が浮き彫りになるの面白い。
投稿元:
レビューを見る
戦国武将の成功・失敗をSWOT分析ではかった本。二代目勝頼、景勝、氏政やブランド力のある政宗、宗茂、幸村、変わった独自戦略の宗矩、利休、来島通総などを転機となったできごと前後で分析してその変遷を追う。これぞ正解というものではなく、それぞれの生き残りをかけたその時の最善と思える戦略をどう立てたか、なるほどと思った。
278冊目読了。