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ノンフィクションものは読みにくい物がたまにあるが、これは作者がジャーナリストだけあって読みやすくて一気に読んだ
多民族国家ならではの刑務所内の人種グループ USドラマの〈Orange Is the New Black〉を思い出した ドラマでも刑務所内でのグループが人種でパッカーンと分かれてたけど、そこはカナダでも一緒なんだな
私も “読書会” に参加してみたいな
※USドラマ〈オレンジ~〉こっちは女子刑務所ですが、メチャメチャ面白いです これもノンフィクションものです
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自分自身あまり本をたくさん読む方ではないが、この本を通して「本を読むってどういう事だろう?」と改めて考えるキッカケになった。
活字を目で追うだけでなく、自分というフィルターを通して物語や登場人物像を深く掘り下げてみたり、多様な解釈をぶつけ合ってみたりと、本を読んだ後のアウトプットの面白さを教えてもらった。
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500ページ近くの大ボリューム長編
刑務所での読書会。まず選書が素晴らしい。読みたいと思った本は
かくも長き旅
ガラスの城の子どもたち
怒りの葡萄
またの名をグレイス
受刑者たちの読書会は切実な思いが詰まっているし、彼ら自身の人生や読み手の人生を変えるようなことさえ起こりうる。
受刑者たちの洞察や視点がおもしろい。
読書会の醍醐味は宗教や死や生きる意味など普段の会話ではまず出てこない話題でも本のテーマに沿ってであれば語ることができる。
作品を語ることが自分たちの人生をかたることに繋がるからこそおもしろい。
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カナダの、刑務所での受刑者たちの読書会でボランティアをつとめた、ジャーナリストの女性が書いたノンフィクション。すごくおもしろかった。
とくに派手な事件とかできごとが起きるわけじゃなくて、淡々と、読書会を主催して、本を選んで、受刑者たちと話して感想をきき、読書会の舵とりをして、ときには受刑者とどういう犯罪を犯したのかとか、家族のこととか個人的な会話をしたりっていう話なんだけど、受刑者の日々の暮らしがうかがえるのも興味深かったし、彼らの(そういえばみんな男性受刑者だった。女性受刑者の読書会も知りたい)感想や意見もとても深くて鋭かったり楽しかったり。それに対する著者の受け止め方や考え方が書かれているのもよくて。著者は、強盗にあった経験がトラウマになっているのだけれど、恐怖や不安を感じながら受刑者と向き合って友達のようになる人も出てきたり。著者と、彼女を読書会に誘った友人とのやりとりやふだんの暮らしがわかったりするのも楽しい。カナダのアマースト島の自然の描写もよかった。
なにより、本を読むのはいいことなのだ、と思えるところがすばらしい。「読書愛」が伝わってくる。
この読書会で扱われたのと同じ本を読みたくなる。
読書会というものに憧れを抱くようにすらなったかも。
訳者あとがきの、読書は自分自身の人生に引き寄せて考えなければあまり意味がない、というのに共感。わたしもそう思う。読書会は、作品を語ることが自分たちの人生を語ることにつながるからおもしろい、とつながっていて、ますます読書会にあこがれる。。。
だれかと本の話をしたくなる。。。
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素晴らしい1冊。
400頁超のボリュウムで有りながら、1ページたりとも無駄なく読み切ってしまった!1行たりとも目が離せない!
…と云うと、ジェットコースター展開なミステリの様ですが、淡々と語られるノンフィクションです。
著者は犯罪被害者であり、そのトラウマを抱え、加害者の立場に居る人間たちに「興味があって」読書会に協力する流れから、最後は彼らの自立を応援する考えに徐々に変わって行く所も、作中取り上げられる作品群に於いて多々語られる人間の成長の一つである点も面白かった。
キャロルさんを主人公に持ってこない所も良かったと思います。
最終章、その後のエピソードも悲喜交々。ピーターは悲しかったな…。「ベーグル野郎」の下りは面白かった(笑)
優れた読書案内としても良い一冊。
「ガラスの城の子どもたち」「月に暮らす少年」「サラエボのチェリスト」辺りは読まねばと思いました。
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私の人生でこんなに真剣に本を読むことがあっただろうか、わざわざ否定するまでもなく、ない…。熱意が違う。読書会に招かれた作家ヒルが「これまでに招待された中で、こんなに打ちとけて、綿密にしかも熱心に本のことを話し合っていたグループはないと断言できるよ」と発言してるくらい、そしてそれがこの本からも伝わってくる。
中にはやはり素晴らしい知性を持っている囚人もいる。
このホンから伝わってくるのは、一人でもくもくと読む読書ではなく、一冊の本を題材に対話することの楽しみだと思う。正解は一つだと思い込んでしまっているけれど、そうではなくて人によっていろいろな読み方ができて、どちらが正しいかを決めるのではなく互いに尊重しあうことが面白いのだと改めて教えてくれる。
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刑務所での読書会ノンフィクション。職業訓練と読書の違いを理解できた。「読書は 仕事のスキルを向上させなくても、人生を向上させられる」
読書が人生を向上させるとは、読書により「自分を見ること」「異なる 他人(社会)と接すること」ができる ということだと思う
読書会、読書の効果の例
*読書により他人の人生、思考、感情を 追体験し、他人の目で、自分を見ることができ、他人を理解しようとできる
*読書会は 自分と 他人(読書会参加者、ボランティア)とで 主催運営し、自分の意思で参加し、自由な感想を述べられる
*参加者同士の意見交換あり、刑務所内の派閥交流につながっている
*受刑者にとって 読書会は 心が休まる場所であり、良質な本を読みたい欲求が高まっている
被害者や被災者、医療や学校でも ボランティアによる読書会運営は 効果があると思う。図書館や読書家が 社会に 貢献するチャンスなのでは
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ずっしり読みごたえのある本。それでいて、とても読みやすく、つぎつぎページをめくってあっという間に読み終えた。
著者は、友人に誘われてカナダのとある刑務所での月一度の読書会に参加するようになる。実は、彼女はかつて強盗に襲われたことがあり、そのときの恐怖がまだトラウマとして残っている。それでも、本そのものへの愛と、読書体験が人にどういう影響を及ぼすのかということへの興味から、参加を決意する。
まずなんといってもさそってくれた友人の行動力がすごい。ひとつの刑務所で読書会を立ち上げるだけでなく、カナダの各所の刑務所に働きかけてつぎつぎに会をたちあげ、それぞれの刑務所で熱心に関わろうとする囚人を運営に巻き込んで、人手を確保。その一方で、ただ人を集めるだけではよしとせず、みながちゃんと本を読んでくるよう、そして内容の濃い話しあいができるよう、常に目配りを忘れない。
参加する囚人たちも、刑務所という環境にいながらけっこう重いノンフィクションをがっつり読んできて、本音をがんがんぶつけてくる。すごい骨太な読書会だ。
殺人や強盗など、わりと重い罪を犯した人たちも多くいるのだけど、「変わりたい。まっとうな人間になりたい」という強い思いで、本を読み、日記をつけ、という課題をもくもくとこなしてく人もいれば、せっかく出所したのに舞い戻ってきてしまう人もいる。一筋縄ではいかないこともきちんと書かれていて、それもまた誠実だと思った。
紹介された本には未訳のものも多く、それもまた気になった。
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なんとなく本が好きでただ読んできた。読書は娯楽とか趣味であって、1冊1冊が自分の人生にどう影響しているとか、本が生きる糧になるだとか考えたこともなかった。登場する受刑者たちみたいに1冊1冊からちゃんと受け取って読んでいない気がする。
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塀の中の読書会。その活動の立ち上げに携わった著者によるノンフィクション。
毎月一冊の課題図書を読んだ受刑者たちが、さまざまな意見を交換する様子が目に浮かぶ。著者自身も受刑者たちとの交流を通じ、過去のトラウマと向き合いなおす変化もみてとれる。
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本を読む、というのは大変平和な行為であるなあ、と改めて。
こういう本が気になるのはショーシャンクのせいだ。
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読みやすい文体とあまりの面白さで一気に読みきってしまいました。
『「ムショってところは、グループできっぱり分断されているんだ。」
ふだん受刑者は仲間同士で集まって、ほかのグループとは接触しようとはしない。しかし、読書会がそこに風穴を開けたというのだ。』
受刑者たちのハッとさせられるような洞察、ときに笑いを誘う言葉。自分はああ思った、こう思った、という彼らの台詞を読んでいてただただすごいなぁ、と思いました。読書への真摯さが違う。とにかく面白かった!
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「プリズンブッククラブ」 https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784314011426 … 読んだ。んーまあまあだな。囚人との読書会の記録風小説。読書礼賛じゃなくてよかった。1冊完読し意見を交わすことが、小さな達成感と認知の積み重ねになり、それが犯罪から離れる意識変化につながるのでは(つづく
あと全く異なるセグメント(つまりお上品なメンバ)の会での意見を聞くことで、違いを知りはするけれども同時に普通の感覚も身につけていけるんじゃないか、つまり犯罪者が意識的に変化するには(更生とは言わない)社会参加できる、できているという意識が結構重要なのかな、と思った(つづく
読書バンザイとか本スバラシーとかわたしボランティアしてるでざんす、的な内容ではなくてよかったけど、書き手は相当な下衆。あとジャーナリストが陥りやすい小説風の描写が多すぎ。ジャーナリストに文才なんか求めてないから淡々と事実だけ書いてくれればいいですわよ(おわり
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『さよならまでの読書会 本を愛した母が遺した「最後の言葉」』
(ウィル・シュワルビ 早川書房)は、癌に罹患した母と、母の治療
に付き添う息子が本について語り合う、たったふたりの読書会の
物語だった。
同じ読書会でも本書の舞台はカナダ・オンタリオ州の中警備刑務所。
夏季を除いて刑務所内で月に一度開催される読書会に出席するのは
勿論囚人たちである。
著者はこの読書会を主催しているキャロルに誘われて、ボランティア
として参加する。作品として世に出すことを前提としての参加なので、
読書会以外でもメンバーとなっている囚人たちに個別に面接を行い、
2011年から2012年にかけての記録をまとめているのが本書だ。
中警備刑務所とは言え、強盗や詐欺以外にも殺人などで終身刑で
収監されている囚人もいる。
読書会が発足した時点で、多くの囚人たちのなかからメンバーが選ば
れたのかは不明だが、囚人たちが課題本を深く読み、理解しているの
に驚く。そして、自分の読書の理解度がいかに浅いかを顧みて反省
しきりである。読んで理解することではなく、積読本を消化すること
自体が目的になっていないか、自分。
課題本では人種や宗教、虐待など、かなりデリケートな問題がテーマ
になった作品も多く、囚人たちは自身が犯した罪や育成歴などに照ら
して課題本を読み込んで行く。
時には意見の対立で不穏な空気が流れることもあるが、著者や主
催者であるキャロルが予想もしていなかった感想が続々と発せられる。
本書で綴られている読書会の模様は、まるで読み手もがそこに参加
しているように引き込まれる。
そうして、他の刑務所へ移動したメンバーや仮出獄して社会復帰施設
に移ったメンバーは、そこで新たに読書会を設立しているなんて素敵
じゃないか。
少し前、新聞の投書欄で「読書はしなきゃいけないのか」みたいなテーマ
で紙面での意見交換が続いていた。強要されれば読みたくなくなるのは
分かる。でも、本から得られるものは何かしらあると思うんだよね。
尚、本書は真摯に本と向き合う囚人たちの姿にも心打たれるが、刑務所
での読書会に参加することで著者が抱えるトラウマの解消の物語にも
なっている。
旦那様の赴任先であるイギリス・ロンドンで二人組の強盗に襲われた経験
を持つ著者が、犯罪者である囚人たちの読書会に参加するには多大なる
勇気がいったと思う。しかし、一定の時間を囚人たちと一緒に過ごす内に
彼らとハグが出来るまでに恐怖心が解消されているのだから。
それにしても、カナダの刑務所は結構自由度が高いのだな。監房で料理を
作ることが出来たり、こんな風に読書会を開催出来たりするのだもの。
「読みかけの本を残して出所してはいけない。戻って続きを読みたくなるか
らだ。」
本書の扉に書かれている「刑務所の言い伝え」だそうだ。読��会メンバー
で出獄した囚人たちが、刑務所に舞い戻って来ないことを願う。
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2017/5/23
私にこの本を楽しむ能力が無かった。
向いてないのわかってたんだけど、たまに変な向上心が出てきてこういうの読みたくなるよね。
そしてたいてい後悔するね。
カタカナの名前が覚えられないのになぜ何度も挑戦をするのか。
でも人生挑戦しなくなったら終わりじゃない?
私は刑務所にいるわけじゃないけど本を読んで逃避しないと生きていけないのは同意。
読書なしで正気を保っていられる人は何でいろいろやり過ごしてるのかな?
常々「本は麻薬」と思っているので体に悪い薬物に手を出すぐらいなら読んでるだけで褒められたりする読書にすればいいのに。グッドトリップもバッドトリップも思いのままよ。