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紙の本
面白いけど業が深い
2023/02/07 16:53
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
放火殺人の疑いで開かれた裁判に集まった陪審員同士の不倫を描いた一冊。弟を焼死させた疑いのある姉の責任能力をめぐる法廷劇と、同時進行する4,50代の不倫描写(女性視点)を掛け合わせた構成が斬新で面白かった。前半は俗っぽく、中盤は緊迫し、終盤は切ない。
被害者も容疑者も家族内で完結した裁判にも、いずれ解消される不倫関係にもハッピーエンドなんて存在しないことは最初から分かっているけど、予想より皮肉で苦い結末でうーん人生…って感じた。あと、分かりやすく閉鎖的な舞台設定だからこそ、読み手側の視野がいかに狭かったかを感じさせられる。
不倫の描写に注意が行き過ぎると法廷の陳述に目が滑るし、法廷劇が面白くなってくると審議に集中しろ主人公と思うし、個人的には作者の思惑に沿ってこの本を楽しめたような気がする。最後の喫煙描写で匂わせる人間の業があまりにもあまりにも…静かだけど強烈な、日本ではあまり読めないタイプの作品。
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