昨日公園につられ
2016/02/28 12:29
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投稿者:椎田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビで見たドラマ版の「昨日公園」に衝撃を受け、原作にも興味が湧きこの本を手に取りました。
「都市伝説セピア」の名の通り都市伝説のような、どこかで触れたことのあるようなそんな短編小説5本。
どのストーリーも読むにつれて「まさか」という思いが湧き上がり、読み終わった後、また一文字一文字なぞるように読み返したくなる、そんな本でした。
夏に読みたい本です。
2015/08/31 20:13
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投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る
「昨日公園」と「フクロウ男」が特に印象に残りました。幻想的で怖さと切なさが入り混じったお話が多く、引き込まれます。
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人間の心って弱くて哀しいものだな…と切なくなる短編集でした。過去に縛られていてばかりじゃどうにもならないけど、過去の思い出なしには前に進めないのも人間なんだと思った。その存在に抗えなかったり、自分なりに乗り越えていく人たちが愛おしくなった。
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◆アイスマン
◆昨日公園・・・遠藤は公園で息子とバドミントンをしていた。そこで息子からユーレイの話を聞き、昔のことを思い出す。死んでしまった悪友・マチのことを・・・。何度時間が戻っても、助け切れなかった彼のことを。
◆フクロウ男
◆死者恋
◆月の石
以上5篇を収録した短編集。
◆昨日公園・・・ 「'06世にも奇妙な物語・秋の特別篇」で光一さん主演でドラマ化された話。あれは大学生の頃という設定だったけど、原作は小学4年生の頃という設定。大筋は同じだけど、最後、自分がマチと同じ状況に陥ったことを気づいた時が異なる。恋人の言動に気づかされてショックを受け、ホラー色強めで終わったドラマに比べ、息子の言動で気づいて全てを悟り、息子に精一杯の言葉をかけた原作。終わり方でだいぶ印象が違う。原作の方が好みかな、切ないけど。
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世にも奇妙な物語で「昨日公園」を見て以来、この話どっかで知ってる感がずっと抜けなくて、色々探していたら答えが見つかりました。
この本の中にあるじゃないー。
どうやら「昨日公園」の話はネット上にも良い意味で尾びれ背びれをつけつつ派生していってるぽいです。
その尾びれ背びれがまた良い。
でもってこの本家の「昨日公園」、やっぱ良いです。
ありきたりな話といえばありきたりな話だけど、でもだからこそ普遍性に近いものがある気がします。
きっとみんなこの話読んで切なくなるんです。
後味の悪さがこんなにもぐっと切ないとは・・・と電車の中で泣いちゃいました。
ほかの短編もわりと楽しめました。
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人間界に紛れ込んだフクロウの化身に出会ったら、同じ鳴き真似を返さないといけない―“都市伝説”に憑かれた男の狂気を描いたオール讀物推理小説新人賞受賞作「フクロウ男」をはじめ、親友を事故で失った少年が時間を巻き戻そうとする「昨日公園」など、人間の心の怖さ、哀しさを描いた著者のデビュー作。
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懐かしいばかりじゃない。せつない話、爽快な話・・・そしてエンディングでの欺き。私の一番は「昨日公園」車中で読んでいましたが最後は鳥肌に続いて込み上げる涙を抑えるのに苦労しました。家で一人で読んでいたら確実に落涙していたでしょう。
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短編集、いろんなホラー話です。やっぱり一押しは「昨日公園」ですね。ドンデン返しは何となく予想される展開でしたが…ホロリとさせられる感動作品でした。
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世にも奇妙な物語に出てきそうな
不思議な話の短編集。
私のお薦めは…
「昨日公園」と「死者恋」
なんだか終わりのほうでビビリますね。
ビビってなんだか変な世界に入っちゃいそうな気分になります。
人間の心って弱いのか強いのか。。
不思議。
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「花まんま」よりこちらの方が面白かったです。
本作にも、30〜40歳代の人がやたらと懐かしくなる
テーマが散りばめられていました。
中には、それってわざわざ入れ込まなくてもね…と思う物もありましたが。
でも内容的には程よく怖く程よく切なくてよかったです。
「昨日公園」が特によかったです。
前日に遊んだ親友が、その帰りに事故で亡くなり、
翌日、彼と最後に遊んだ公園に行ってみると、時間が
昨日に戻っていて、主人公は親友を助けようと試みます。
が、結局事故が起こり、また、翌日公園に行くと…。
他の話もどんでん返しとかがあったりして、面白かったです。
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「花まんま」「かたみ歌」に引き続き。
デビュー作「フクロウ男」を含む初期作品5本の短編集。
というか長編を読んだことがない。
まだ「ホラー作家」の域を出ていないが、「昨日公園」「月の石」あたりはかなりノスタルジック。
「アイスマン」……見世物小屋で氷漬けの河童を見た男の話。ホラー色強し。
「昨日公園」……タイムスリップする公園で親友が死んだ日を何度も繰り返す、哀しく切ないお話。一番好き。
「フクロウ男」……都市伝説の主人公になろうとした男の話。秀作。
「死者恋」……若くして自殺した画家の日記をまとめた本から、死者に恋する二人の少女とそのゆくすえ。
「月の石」……電車の窓から見える、死んだ母と元部下の姿。ありがちな話だがもう一ひねり加わっている。
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【Review】
朱川さんの作品の魅力は「秀逸な語り口」と「ホラーだけれど人間の温かみ・人間くささを描けていること」この2点だ。
叙述式で物語を紡ぐ小説はたくさんあるが、その「語り口」が惹かれるものでなければ
あまりその意味をなさない。
特に「フクロウ男」は、「ある人にあてた手紙」という形式で話はすすみ、(江戸川乱歩の「人間椅子」と同じ)
それが、最後のドンデン返しの布石になっているのだが、それがなくとも
「手紙式語り口」が、ぐっと、読者と主人公との距離を近づける。フクロウ男にひきつけられるのだ。
後者の「人間の温かみ・人間くささ」というのは、全ての作品に言えることだが、
特に「月の石」では、「過去に置いてきぼりにしてきた人々−たとえば、リストラしてしまった部下のことなどー
への懺悔の念」という、誰でも持ちうる気持を、主題にしている。
「月の石」をはじめとして、朱川氏は「記憶」と「現在」をうまく交差させて物語を構築するのが本当にうまいと思う。
ひとつひとつ語り始めるとキリがないので、今回は待望?の映像化について、簡単にレビューしてみる。
勿論、映像化というものは往々にして「原作との違いさがし」に拘泥してしまうので、あまりそこには囚われないようにする。
wowowによる映像化作品は「アイスマン」「フクロウ男」「死者恋」。「昨日公園」は「世にも奇妙な物語」で堂本光一主演で映像化済。
残るは「月の石」か・・・。感動系だからかな。
【映像化のレビュー(wowowドラマW77/26放送)】
・フクロウ男 ★★☆☆☆
この作品を映像化するのは先に述べた「叙述トリック」を使っているため、実は無理だ。
なので「フクロウ男」の題材と、小説前半部分を主に映像化しているよう。
それにしても、フクロウ男の「都市伝説」への執着心や、その思考の奇妙さが
うまく描けていない気がする。あと、フクロウ男のビジュアルが意外とふつーだった。
「一人語り」で物語をすすめる方式は、映像でも取り入れられているのだが
成宮くんが、ちょっと舌足らずで聞き取れないところがあった。ちょと残念。
・アイスマン★★★☆☆
ストレートに映像化した、という印象。
主人公と、少女ノン子の演技に少々難があったため、★ひとつ減。
お祭りの雰囲気や、見世物小屋のビジュアルは想像通りでよかったー。
エンドロールで脚本が村井さだゆきと知ってびっくり!!好きな脚本家なのだ。
アニメの今敏や、ウルトラQ、楳図かずお実写化などなど、「イイ!!」と思った
作品はことごとく彼によるもの。
できれば、彼には「フクロウ男」の脚本を書いてほしかった。
・死者恋★★★★★
これは見事!!原作超えしそうだ。
小説は殆どが、リンコの一人語りになるのだが、ドラマでは
インタビュアーのクミコ(原さちえ)と対話する感じで構成されている。
リンコさん=余貴美子の演技、記憶をとき解くさまが、秀逸!!もう言うことなし。
あと、トンデモキャラのしのぶさん役の��しのようこがハマりまくりであった。
この二人の女優の名演と、演出の小気味よさで、★満点。
「女の欲望の恐ろしさ」を描いた本作は、「コエー」と思う一方で、
「あ、そういう気持ち分かる」と共感させる部分もあり。
それにしても、流血シーンなど一切ないのに、映像化して一番怖かったのがコレって・・・・
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うーん。全体的にいまひとつ微妙感が……
「昨日公園」は良い感じなんだが、どこかで読んだような話っぽいのがなぁ……
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短編5作。
短編ながら侮れない、どれも秀逸。
奇妙な物語だけれど、題名にあるセピア色の物悲しさを感じる。
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これはまた・・獣舟以来の、久しぶりの贅沢で珠玉の質の良い短編集に出会えてラッキー!
ひとつひとつのエピソードの要素自体はそう、目新しいものではない。
オール読物推理小説新人賞を受賞した「フクロウ男」は、都市伝説がテーマ。
「昨日公園」は、人生のあの時をもういちどやり直すバージョン。
「月の石」は人の後ろめたさを映す人形。
文章は平易でさらさらしている。読みやすい。
シーンはゆるやかで、ぎちぎちと説明は詰め込まれていない。
なのに、その柔らかさに流されて読む読者は、最後であっと驚き、時にぎゅっと胸を掴まれるはずだ。
私にとってこの作家さんの初見は、角川ホラー文庫の「白い部屋で月の歌を」。
正直、そのまま古本屋に売ってしまった。軽いノベライズ以上のなにものでもない、そう思ってしまった。
この文庫本にも正直期待はしていなかったのだが、いい意味で完全にノックアウト。
物語として美しく、叙情的なのは何といっても「月の石」だが、
私は「昨日公園」が、本当に素晴らしいと思う。
時間という軸に翻弄され、友達への想いと自分の無力さに苦しむ主人公。
しかしその苦しみが最後、あっという間に悲しい、しかし限りなく優しい必然へと昇華する。
なんと秀逸な。
リプレイ、7回死んだ男、リピート・・
今まで読んだどんな鮮やかなタイムトリップ物も、ここまでは美しくはなかった。
筆者は「花まんま」で、直木賞を受賞しているとのこと。ちょっと、読みたくなってきた。