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太宰の代表作となり「斜陽族」という流行語まで生んだ『斜陽』のかずこのモデルとなった太田静子の日記。というより正確に言うなら、『斜陽』はこの日記を太宰が加筆修正、没落とその中で強く生きる女性という美しい世界観を作り上げた。当然『斜陽』の文と重なる、否、そのまんま、ってところだってある。比べながら読むと面白いだろう。まったく罪な男。
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太田静子さんは太宰治の奥様でした。今作は太宰著の『斜陽』の元となった作品。二冊を比べて読むと本当に面白い。個人的には『斜陽』より『斜陽日記』が好き。
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(1999.12.28読了)(1999.10.03購入)
内容紹介 amazon
太宰治が没する前年の12月、『斜陽』は大ベストセラーになった。この小説が、実在の女性・太田静子の日記をもとに書かれたことは文壇史に名高い。しかしこの日記は太宰治の亡くなった1948年秋に発表されて以来、版を重ねることはなかった。戦中の疎開先で淋しく母を看取る娘の心細く健気な心情を伝える日記から、いかに魅力的な小説に展開させたか、太宰の作家としての力量を見る上でも貴重な幻の資料が、没後50年の今、甦る。
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太田静子は太宰治の代表作の一つ「斜陽」のモデルとなった女性。
太宰はこの「斜陽日記」を元に「斜陽」を執筆しており、母娘に関する部分は、この日記の丸写しといってよいほど、多くを引用している。「斜陽」は2週間ほど前に読了したばかりであるが、まるで再読しているような錯覚を覚えるほどであった。
最初から死ぬつもりで太宰と向き合った山崎富栄に対し、私生児として太宰の子(治子)を生んだ静子が、その後、「斜陽」のヒロインのごとく、力強く生きていったことが、治子の文章からも読み取れる。いやはや、太宰という人間の周りには、何かと興味をそそる対象が多いことに驚かされる。