本に対して自由に感じでいいんだと
2022/11/18 14:08
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投稿者:ぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
評価は賛同できるものできないものあったけど、その潔さが読んでて面白かった。そして何より自分がいかにいい人ぶって読書してたかに気づいた。作品に合わせて作品の良いところを感じようとしてたなって。もっと本に対して自分の基準や好みをはっきり出していいんだと。
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なぜ別の人が?っていう疑問はあったけど、前任者が”同様の批評集が増えたら文壇の盛り上がりに寄与する”と考えていたみたいだから、それを汲んでってことかな。実際、作家も半分が重複だし、当然、その作家の作品も結構同じものが取り上げられているし。今回は対象作者が新しいこともあり、既読作家・作品が結構あった。その作品については、同意:反対=3:7くらいの感じ。エンタメ作家も文学の指標で断じている訳だから、文学を理解し切れない自分の評価がどうしても青いんだろうけど。傾向として、評価が低い作品は納得し兼ねるけど、高い作品はまあ理解できる、ってのが多かったから、高評価の作品群で未読のものは幾つか当たってみようか、と。まずは以下の作品から。
血の日本史
スキップ 北村薫
ゼツメツ少年
劇場
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私が「これは面白い」と思った本に、最低レベルの評価がされていて、「面白さは人それぞれなんだな」とあらためて考えさせられた。今後の読書案内として活用したい。
カズオ・イシグロの評価がめちゃめちゃ高い。
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2000年に刊行された福田和也氏による『作家の値打ち』の現代版だそうです。
エンターテイメント、純文学からそれぞれ現在活躍中の50人、計100人の作家を論じて点数をつけています。
(刊行後、古井由吉・石原慎太郎・西村賢太の三氏は物故作家に)
著者の評価が正しいのかどうかはわかりませんが、これだけの数の作品を読了し、コメント・評価していることは労力的には凄いと思います。
小説を点数によって評価してしまうというのはやってもよいことなのかわかりませんが、読むなら評価の高い本を読みたいので小説のブックガイドとして手に取りました。
ブクログで人気の作品も評価されていますが、人気作=高得点ではなくその作家のファンの方ならあまりの酷評に怒り出すかもしれません。
90点以上:世界文学の水準に達している作品
80点以上:近代文学に銘記されるべき作品
70点以上:現代文学として優れた作品
60点以上:読んでも損はない作品
50点以上:小説として成立している作品
49点以下:通読が困難な作品
39点以下:人に読ませる水準に達していない作品
29点以下:公刊すべきではない水準の作品
一番評価が高いのは作家ではカズオ・イシグロ。「掛け値なしに偉大な作家と呼んでいい」と記されています。点数も90点以上か80点以上。大江健三郎さんは、作品による落差が大きくマイナス90点の作品もありました。
次に評価が高いのは古井由吉。宮本輝。意外にも(失礼)又吉直樹さんも評価が高いです。
村上春樹より村上龍を天才と評しています。
エンタメ系では東野圭吾さん、石田衣良さん、伊集院静さんあたりが評価が高いです。
作品別では『忘れられた巨人』カズオ・イシグロが最高得点99点です。
私もこの本を読んでカズオ・イシグロや宮本輝を読まないのは損だと思い遅ればせながら未読作(がほとんどですが)を読み始めました。
中堅の作家代表として私の大好きな伊坂幸太郎さんだとこんな具合です。
『オーデュボンの祈り』56点。
『重力ピエロ』84点。
『グラスホッパー』77点。
『ゴールデンスランバー』49点。
『逆ソクラテス』64点。など点数が付き、各作品十数行程度の論評があります。
伊坂さんは平均点以上とっていらっしゃいますが、『ゴールデンスランバー』49点で「通読困難」って「それってどういうこと?!」と思いました。
他にも原田マハさん『本日はお日柄もよく』18点とか「えっ!なんで!!」という評価が特にエンタメ系に結構あります。
これからまた、私が今までと違う傾向の作品を読んでいたらたぶんこの本の影響です。
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自分の好きな小説はどう評価されるのか、気になって購入。
好きな作品がことごとく低評価なのは本好きとしてなんだか悲しい。近代文学は難解で読みやすい現代文学が好きなもんで。それにしても「評価に値せず」とか「人に読ませるに値せず」とか辛辣すぎて震える。高評価がどんなもんか読んでみようと新たな出会いにも繋がったという意味で読んで良かった。
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福田和也氏の試みを更新するブックガイド。
カズオ・イシグロの評価が非常に高い。福田氏と比べると、村上春樹には厳しい。朝井リョウや西加奈子に容赦ない。いろいろと面白い。綾辻行人や米澤穂信ら、ミステリ系の人々が抜けているのが気になった。古川日出男、道尾秀介とか、あとはいくつか歴史小説家も。なぜないのか、、。
また、男性作家の描く男のエゴには甘い印象。ぜひ、斎藤美奈子さんにも、同様の本を出してほしいところだ。例えば、ノルウェイの森の採点。
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一見下世話な週刊誌的視点で作家を揶揄するような内容と思いきや,面白さ,そして日本文学の衰退という観点で,近年注目されている作家達とその代表作を語る.単にエンターテインメントとしてではなく,日本文学の将来を憂い,日本文化への警鐘になっており,そのまま読んで捨てるには重いテーゼを突きつけられている.
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大江健三郎の『燃えあがる緑の木』だけ-90点をつけるのは、もはや右翼の小川榮太郎の意趣返しとしか思へない。
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現役作家の書いた面白い小説とは何かを、著者の目線で評価したガイドブック。
主眼は、素人レペルの作家や仕事と、プロのそれを、まずは弁別すること。
普通の読者として面白いと感じられる作品を面白いとはっきり認定すること。
そう言い切った上で取り上げられた作品は100人の作家の505作品。
評価対象は、作家としての実績がある現役の作家に限定し、エンターテイメント、純文学からそれぞれ50人。
作品の評価の合間には、結構辛辣な内容のコラムが挟まれる。
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『著者からみて、そもそも小説としての水準に達していない作品が軒並権威ある賞を受賞していることである。
作家、編集者らは、近過去の文学作品をきちんと読んでいるのだろうか。』云々。
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エンタメ系の作家は全部知っていたが、純文学系は初見の作家も2割ほどあり自分の読書傾向が、エンタメ重視というのが露呈。
近代文学の文学的良さを理解出来ないワタシには、本書の評価は正直合わなかった。論評にて頻繁に比較対象とされた吉田健一や古井由吉自体を知らないし。
如何せん、自分の好きな作品が、結構な確率で、歯に衣着せぬ物言いで酷評されているので正直悲しい。読了後の感動は自分的には嘘ではない。いくら文芸的に低俗であろうと、読んで結果として面白い!と思えたのならヨシとしたいのだが。
とか言いながら怖いもの見たさ的に、本書で評価対象に入ってなかった自分の好きな作家だったら、著者にどのように語られるのだろうかというのも気になる。例えばエンタメ系なら、逢坂剛、高橋克彦、皆川博子、原尞、純文系なら、五木寛之、乙一、桜木紫乃あたり。
折角なので、本書にて高評価だった未読の作品には何作かは試してみたい。その上で本書の評価をあらためてしてみたい。
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エンタメ系と純文学からそれぞれ50人合計100人を選出し、505作品の評価を下した、面白い小説を探すためのガイドブック。
よくもこれだけの作品を読破し、それぞれを短いながらもまとめ上げ、百点満点方式でランクをつけたことに対して、脱帽すべきであり、これらの内の未読の作品については、食指が動かされてしまう。
作家自身に対してもコメントも辛辣なところや、真の意味での期待感を込めてのものもあるも、単に好悪の感情で評価しておらず、また例えそういったところがあろうと、同一の作家のある作品と別の作品とでは評価が異なっていることから、作品自体への自身の判断基準にブレがないところは素晴らしい。(よくよく評価にあたって、有名や話題の作家が書いたものは評価が高いとしてしまいがちなところがあること自体が間違いで、あくまでも評価すべきは作家でなく作品そのものでなければならない)
さらに賞を取った作品でも疑問を呈しているところもよい。
敢えて言うならこれが「面白い」小説のガイドブックとなるかは、生来の読書家でないものにとっては悲しいことに難しいのかもしれず、素晴らしい小説のガイドブックとした方が近かったかもしれない。
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ブクログと同じでどういった評価をするかはそれぞれ。辛辣に評価してるのが特徴ですかね。言いたいことも分かるけど好みがハッキリと分かれすぎてて嫌いな人の作品は表現が酷い。
☆5の作品を自分は殆ど通ってきてないので何冊か読んでみようと思った。知らない作品を知る事ができる本。
本作とは関係ないけど挿絵の作家さんの似顔絵が特徴を掴めて味があってどれも好き。
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積ん読が増えてしまうけどこれを見なければ読まなかっただろう作家さんと出会える。
宮本輝さんや古井由吉さんは読んだことがなかったけど積ん読リストに入れました。あと、この作家さん合わないかもなーと思って一〜二作で読むのやめてた人でも、高評価なのだけもう一作読んでみようかなと思いました。
好きな作家さんが酷評されてる可能性はあるのでそれは割り切ったほうがいい。評価は好みが大きいと思うので、全部は鵜呑みにせず、参考程度にすれば良書だと思います。
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現代文学を知る上では非常に参考になる本ではある。
純文学・大衆文学の500作品を著者が読み、点数と作品について文章を書いている。
しかし、点数を鵜呑みにするのは読書を楽しむ上では微妙だと感じた。
著者自身も80点つけたものと50点以下のものを比べて読んでみてと述べており、その結果、著者自身も自分の読書の腕前を批評されているとしている。
何冊か読んでみたが、意外にも50点つけてる作品でも面白いものがあり、80点以上つけていてもそうかな?自分にはそこまで魅力には感じない作品もあった。
ブックガイドとしては楽しめるし、本屋で本を選ぶ際には点数を無視して自分の興味のある本を買って、本の点数と評価が書かれた文章と自分の感想を比べてみるのが使い道としては正しいようにも感じた。
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よくぞここまでバッサリ斬ってのけたという書評。なるほどなるほど言われてみればその通りや。って批評もあるけど、自分が好きな作家さんがボロクソに言われてたりもするので、小川さんはこう評価したって受け止めないと、自分にとっての良作を逃してしまうかも。
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◆独断で一刀両断、英断だが言語道断? まさに禁断のブックガイド2冊
ブックガイトは数あれど、100人の現存作家の500以上の小説すべてに、
100点満点を付けるという、なんとも恐れ多いことをやってのけた本が2冊あります。
1冊目は、2000年刊の福田和也『作家の値うち』。
著者は、江藤淳に見いだされた文芸評論家で、
デビュー10年にして新潮新人賞や三島由紀夫賞の選考委員にもなった人物。
まさに江藤淳ばりの保守の論客としても知られていました。
「ワインを点数評価した『ボルドー』のような本が、小説でもできないか」
という出版社社長の発案を受け、
彼の著書名でもある『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』を駆使し、
500以上の作品をすべて読んだうえで書き上げたブックガイドなのです。
その思いは「どう見ても価値のない作品が文学賞を受賞する一方、
優れた作品が何の反応も評価も受けないまま消え去っていく」ことに対する苛立ちでした。
刊行後、当然のことながら、文壇・読書界に激震が走り、論争も発生。
その顛末・後日談として、1年も経たないうちに『「作家の値うち」の使い方』
という本まで出しています。
もう1冊は、2021年刊の小川榮太郎『作家の値うち』。
体調不良続きだった福田氏(2024年9月に63歳で病没)の代わりに、
出版社社長が小川氏に執筆を依頼。
事実上の改訂版にあたる同名書として刊行されました。
サブタイトルは「令和の超(スーパー)ブックガイド」。
この方も文芸評論家ではありますが、
福田氏以上に右寄りで、安部晋三氏を支持し、朝日新聞と争ったり、
雑誌『新潮45』でLGBTへの差別的表現で問題となった『杉田水脈』論文を
擁護する寄稿をしたりと、この本ではなく、政治的活動で世間を騒がせていました。
とはいえ、著者は異なれど、同じ形式を踏襲し100作家を網羅。
しかも掲載作家も半数をその後活躍中の人に入れ換えた、
比類なきブックガイドであることに変わりはありません。
何より、自分が好きな作家の作品や、未読だが気になるに作品が、
どう評価され何点がつけられているかは、誰しも気になりますよね。
少し紹介しますと、「福田版」では、五木寛之は総じて評価が低く
「時の経過に耐え得なかった」として7作品すべてが40~50点。
高橋源一郎は4作品ですが、91点から21点まであり極端。
「小川版」では、原田マハは4作品が65点から18点まであり、
三浦しをんは4作品で63点もあれば、なんと0点の作品も。
さらに全作品通じて採点不能が4作品。マイナス90点もありビックリ。
これ以上は、ご興味があれば両書を読んでみてください。
「なるほど」と感じるところもあれば、「?!」と思うところもあり、楽しめます。
また、両書には、約半数は同じ作家が掲載されていますので、
読み比べるという楽しみ方もできます。