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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
カミュの著作物の中では、比較的読みやすい部類だと思いますが、好き嫌いはあるでしょうね。アルベール・カミュの不条理は……と、考えて行くと、深すぎます。
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不条理の論証 僕らが日常に感じる不条理の感覚を、カミュは言葉をつくして説明しようとする。とりあえず、凡庸であるがカミュはハイデガーのいうところの≪憂鬱≫が不条理感の端緒であると教える。つまり、「日常→倦怠→なぜ→無意識的日常への回帰か決定的な目覚めか」。不条理は人間をとらえて放さない。そして、「不条理という言葉の当てはまるのは、この世界は割り切れず、しかも人間の奥底には明晰を求める死に物狂いの願望が激しく鳴り響いていて、この両者がともに対峙したままである状態についてなのだ。不条理は人間と世界と、この両者から発するものなのだ。いまのところ、この両者を結ぶ唯一の絆、不条理とはそれである。」と、喝破する。ここは彼の小説『異邦人』にも関わりのある部分である。非常にかっこいい表現として「重要なのは病からいえることではなく、病みつつ生きることだ」というものがある。文章が美文といわれてはいるが、非常にわかりにくい。一度だけでは理解できないかもしれないが、読むたびに美しい表現に出くわす。
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アルベール・カミュの不条理は現代人にも通じるのか?
読み進めると、哲学の勉強が足りない自分に気付いてがっかり。まだ半分も理解してない。不条理。
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人と話していて、ついたとえ話にシーシュポスやプロメテウスが出てきてしまう。
普段は意識していないけれども、深いところに染み込んだ本。
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何度も何度も読み返した。これからも何度となく読み返すだろう。たぶん、人生とは修行なのだ。そうでなければ、なぜこんな理不尽でむごたらしい出来損ないの世界に生きなければならないのか。
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カミュてんてーはお神話で、遠いギリシアの神殿のように荘厳にそびえ立っているよ。遠くにどっしりと荘厳にかまえているからとりあえず安心て感じだよ。好きだよ。この辺の何かを大学の講義で知らん人が真面目に語るのを「くだんねえつまんねえ」と唾吐きながら聞いていた時のトラウマ(BAKA)を引きずっているため、ここで☆の数を上げられなかったという意味のないおれ。←要は私が語れないだけのきわめて低俗なうんこ。
だってコレ意味わかんねーもん!わかるけど。(なにそれ)
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異邦人はおもしろかったがペストはつまらない、そう思ってる人にはぜひ読んでもらいたい本。ペストの登場人物からは異邦人よりも社会に則した形での不条理を読み取れると思う。
自覚的であれば気持ちがいい、無自覚ならば虚しくて仕方がない。
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神々がシシューポスに課した刑罰は、休みなく岩をころがして、ある山の頂まで運び上げるというものであったが、ひとたび山頂まで達すると、岩はそれ自体の重さでいつも転がり落ちてしまうのであった。
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合理性のみに埋没し続けるのも、あるいは非合理性のみに埋没し続けるのも、両方、哲学上の自殺と呼んでいるのが印象的であった。合理性と非合理性の間で揺れ、葛藤する・・・それが不条理。前半はおもしろかった。全体的に、あまりカミュの考えに同調できないが、それでもおもしろく参考になった。10.16-23.
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これを大学で読んでいたらとある教師に「こんなの読んでる人がまだいたんですね〜純文学を読む人間とか、もうとっくの昔に滅亡したと思っていましたよ〜」と言われた。感慨深い思い出。
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不合理の哲学。人間の実存。生きることへの戸惑いと肯定。『異邦人』や『ペスト』のなかで物語にした哲学を、評論として描いたもの。なかでも、ギリシア神話中の脇役であるシーシュポスに光を当てた表題作が、こころに刺さる。落ちてくる岩をそれでも彼は頂上へあげる。そして彼の苦行は幸福である。
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カミュのほぼすべての作品に貫かれている『不条理の哲学』を理論的に展開追究した作品。
彼の自由の証人としての様々な発言を徹底的に支えている立場が明らかにされている。
この作品全体のテーマは「死」であるように思うが、「死」というものが不条理といかにかかわっているのかということを、カミュはこの本の中で書いているように思われる。
カフカの作品に対する論考も載っており、文学を哲学的に考えるならばぜひ一度読むべき作品。
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よりよく生きるのではなく、より多く生きる。不条理の生きかた。未だ汲み尽くせていないじぶんがある。その姿が美しい。
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ジャンル:教養
原書には「不条理についての試練」という副題が付いている。
社会に出ていくまでには読みたい。
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真に重大な哲学上の問題はひとつしかない。自殺ということだ。人生生きるに値するか否かを判断するこれが哲学の根本問題に答えることなのである。
どんな偉大な行動、どんな偉大な思想もその始まりはささやかなものだ。
自らの挫折の中に信仰を持つものは自らの勝利を見出す。
人生は意義がなければないだけ、それだけいっそうよく生きられるだろうと思えるのである。
思考するとはなによりもまず、ひとつの世界を作ろうと望むことだ。
わずかな哲学は人を宗教から遠ざけるが、多くの哲学は人を宗教へと連れ戻す。
わずかな思考は人を生から遠ざけるが、多くの思考は人を生へと連れ戻す。