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シーシュポスの神話(新潮文庫) みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー70件

みんなの評価3.9

評価内訳

70 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

しかし改版には意義がある

2007/03/20 04:59

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:M - この投稿者のレビュー一覧を見る

 文庫版初版から約40年経った2006年、改版として新たに発行されたのが本書である。
 言わずと知れた若きアルベール・カミュの思索の旅。この瑞々しい若書きについて、いまさら言うべきことはないだろう。けれども改版である本書については言わねばならないことがある。気づいていないひとが多いと思うからだ。
 訳者による改版あとがきには、訳注は大きく変えたが多くの部分はかつてのままだと書かれている。だがもっとも変わった点、もしこう言ってよければこの改版の意義は、「文字の大きさ」の変更である。もちろん大きくなったということ。かなり読みやすくなった。逆に言うと旧版が読み難かったということだが、あとがきまでの頁数は、旧版202頁に対し、改版251頁である。改版の註釈よりも旧版の本文のほうが小さいと書けば、この50頁の増加についてお分かり頂けるだろうか(そこから旧版の註釈を想像してほしい)。
 わたしにとって、カミュ——あの不条理の哲学の記憶は、字の小ささとともにある。これは冗談ではなく、太陽が眩しかったからと殺人を犯す不条理な人間ムルソー(『異邦人』)と、細かい文章、ぎらぎらした文庫版の表紙(これも改版で変わりました)を同時に想起してしまうのである。
 実際、わたしは文庫で読むことを断念し、図書館で全集を借りたのだ。文字は少し大きくなった。当時はかなり大きくなったと思ったろう。というのは全集(1972年刊行)の文字よりも改版のほうが大きいからである。
 もちろんただちに書き添えておかなければならないこと。それは、どれほど文字が眼を射抜いても、けっして本を放り出すことはなかったということである。この哲学的エッセーはほんとうに刺激的だった。内容には少なくない個所で同意できなかったのは事実である。字も小さい。それでも放り出すことはなかった。カミュのなけなしの賭け、瑞々しい文章、それを通じて運ばれてくる誠実な態度。メッセージではなく、メッセージの高揚にわたしは魅惑されたのだと思う。
 ——真に重大な哲学上の問題はひとつしかない。自殺ということだ。(12頁)
 「不条理な論証」はこのように始まる。カミュは不条理に賭けた。エッセーの語り手は、不条理を、不条理な人間を冷静に見極めてゆく。論証が進むにつれ、気づけば語り手は不条理な人間にかわっている。それはやがてサルトルとの論争を準備する、反抗的人間である。
 カミュは「不条理 absurde」の語に特別の意味を与えている。辞書的には、筋が通らないこと、荒唐無稽なことを意味するのだが、それでも人間には全体を求める願望(カミュ曰く「絶対への郷愁」)があり、そうした人間の渇望と理性で割り切れない世界との均衡関係を「不条理」と呼んでいる。
 不条理を生かしつづけること——もともと世界は非人間的で不条理なのだと和解して、あるいは、非人間的ゆえにそれは神なのだなどと飛躍して、不条理を解消しないこと。不条理を凝視しつづけるその反抗的な姿勢において人間の意識は解放され、十全な経験をすることができるのだとカミュは言う。したがって、人生に意義がないことによって人間はいっそうよく生きられるのだと言う。不条理な人間に希望はない。それゆえこの現在をよりよく生きられる、と。
 カミュは論証のひとつの帰結として、自殺が間違っていることを導く。人生に意義が無いからという理由で自殺することはできない。論理的に間違っているからだ。いったいこんな論証はあるだろうか。だからこそ「不条理な論証」なのである。
 こうしてカミュは賭けを続行する。不条理にとどまるカミュの文章は悦びに満ちている。論証はつぎのように締めくくられる。
 ——いまや、問題は論証ではなく、生きることだ。(115頁)

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紙の本

不条理とはなにか

2020/04/02 05:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:藤和 - この投稿者のレビュー一覧を見る

不条理という物の本質について考えている本。
これを読む前に、予備知識として古典文学や哲学とかを知っていないと難しい部分が多いのだけれど、考えるきっかけにはなる。
筆者の中では不条理という物の輪郭がはっきり見えているようだけれども、それが読者にも見えるかどうかはわからない。

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電子書籍

不条理

2023/09/12 23:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

カミュの著作物の中では、比較的読みやすい部類だと思いますが、好き嫌いはあるでしょうね。アルベール・カミュの不条理は……と、考えて行くと、深すぎます。

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2005/05/07 23:26

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2006/03/19 12:56

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2006/08/10 19:57

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2006/11/29 15:36

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2009/01/27 02:12

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2007/10/13 18:45

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2007/09/15 10:15

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2007/10/23 07:56

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2008/04/17 13:43

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2009/05/20 00:20

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2009/10/01 18:43

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