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中澤篤史『運動部活動の戦後と現在』青弓社、読了。レクリエーション(英国)ともプロフェッショナリズム(米国)とも違う日本の部活動。ほぼ全ての学校が運動部を設置し「7割以上の中学生と5割以上の高校生」が加入する。「なぜスポーツは学校教育に結び付けられるのか」(副題)その経緯を明らかにする。
レクリエーション(英国)ともプロフェッショナリズム(米国)とも違う日本の部活動。ほぼ全ての学校が運動部を設置し「7割以上の中学生と5割以上の高校生」が加入。「なぜスポーツは学校教育に結び付けられるのか」(副題)その経緯を明らかにする
運動部活動は明治時代にエリートのものとしてスタートするが、戦後日本では非行防止の手段としてもてはやされた増加。しかし部活動はどここまでも課外活動。運営も現場の慣習という脆弱な基盤で成立し、制度も理念も非合理なものでしかない。
本書は、日本の運動部活動の特異性をその歴史を辿ることで浮き彫りにするだけでなく、フィールドワークから活動を支える教師や保護者の声も聞き取り、スポーツ(楽しむもの)と学校教育(強制性)の緊張関係を「子供の自主性」という視点からも明らかにする。
http://www.seikyusha.co.jp/wp/books/isbn978-4-7872-3374-5
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【請求記号】
375.26||97
【蔵書検索リンク】
http://nieropac.nier.go.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB16240355&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB
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部活動研究をするならば必読書である。競技大会に目を向けているところが新しい。これまで部活動の研究といったものは、その効果などの生徒に関することや、多忙化などの学校側の問題点の指摘が多かったのに対し、カリキュラムの変遷とともに部活動の姿を追い、行政的な面で部活動の問題提起ができている。今後ぜひ参考にしていきたい。また、著者もそれを願っているようだ。