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この本を最初に見たのは科学博物館だった。だから、学術書とか民俗学的な何かを期待してしまっていた。
口絵の写真の短い説明書きを見て首を傾げる「すごいパワー」えっ、もしかしてこれスピリチュアル? 序盤から飛ばしてくる。日本ヒスイの勾玉は日本人にとって最高のパワーストーンらしい。生まれた地のものがいいって、マクロビか! どんな効果があるのだよ!(それを具体的に言ったら薬事法違反なので、書かないのが正しいのだが)
そこから、2章、3章と進むうちに、日本ヒスイや勾玉が文明の変遷によりどのような扱われかたをしたのか説明がありほっとする。
うーん。でもパワーの根拠がわからない。
どう考えても、本読んだだけじゃわからないし、著者の言うところのすごい日本ヒスイに触れないとわからないと思う。そして、日本ヒスイを拾うのはむつかしいだろうし、手に入れるのにも(まがい物が多いという意味で)不安が残る。
きれいなものを、ただ綺麗と手元に置くだけでは駄目なのだろうか。効果がなければいけないのだろうか。
ヒスイでなくとも美しい海で拾える石の話や、ヒスイの組成の話は面白かったが、すべてをパワーストーンに持ち込むのに疲れた。
って著者さんは石売りさんなのか……。
最初からパワーストーン系の本だと思っていればよかった……いや、うーん? パワーがあるとしたら、一時期日本ヒスイの勾玉がすたれた理由の説明が足り無くないか? パワーをどうしてかんじなくなったのだろう? そこが気になる。