紙の本
細胞内のリサイクルから免疫防御の一端まで担う大事な機能
2022/06/07 16:03
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2016年のノーベル生理学・医学賞の受賞対象となったオートファジーの研究に長く携わってきた著者。オートファジーの仕組みや最先端の知見をわかりやすく本書で説明する。研究のエピソードも豊富に織り交ぜてあり「オートファジー物語」のようにも読める。
不要になった分子や小器官、はては侵入した菌までも包み込んで処理してしまうというオートファジー。分子進化的にもとても長く保存されているということ。細胞内のリサイクルから免疫防御の一端まで担う大事な機能であることは間違いないだろう。
免疫的な機能にしても、細胞一つ一つにこういう自己防衛機能があるということも驚きであった。残念ながら現在のコロナウイルスはオートファジー妨害タンパク質を持っているそうだが。
「様々に働くので注目を集められている」というのでオートファジー」で書籍を探してみたら、一般科学書や専門書の他に「断食」「長寿」などの言葉の並ぶ「健康本」もかなり出てきた。安易に飛びつくのではなく、正しく理解して接していきたい。
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オートファジーについて書かれた本は幾つか読んでいたが、途中まで、LIFE SCIENCEと同じ著者だということは気付かなかった。あれに比べると、同じ一般書だが、もう少し科学的な仕組みに寄っている感じがする。ノーベル賞を受賞した大隅良典教授との出会いや、研究成果の展開について、興味を惹くように書かれており、最後には、オートファジーの研究成果がもたらすかもしれない疾病予防や治療などについても触れられている。たしかに、オートファジーの応用分野については、未だ知られざる可能性が多くありそうだ。正しく活用されることを祈りたい。
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難しい内容をわかりやすく説明していたので、かなりその仕組みを理解できた!
老化や病気の予防、治療に効果がありそう、スペルミジンを多く含む食品は納豆、味噌、醤油、チーズなど。ただし、一旦がん細胞ができてしまうとオートファジーにより増えてしまう効果が見られる。
これを読む限り、飢餓状態どうこうとはあったが、オートファジーダイエットとの相関関係はどうなんだろう。
69冊目読了。
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オートファジー研究者の吉森保さん自らオートファジーの最新情報について解説された一冊。オートファジーは老化や免疫、認知症などの病気にも関わっている細胞のリサイクルシステム。本書では、オートファジー研究の歴史~仕組み~効果~発動方法まで一冊でオートファジーの現在がすべてわかる内容となっている。現在研究中のオートファジー関係のサプリや化粧品の話もでてきて面白い。最近所々で聞くようになったオートファジーについて詳しく知りたい人にオススメ。
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前著ライフサイエンスは、科学思考を丁寧にわかりやすく説明し、ベースを作り上げた上でオートファジーを解明する名著、今回はオートファジーにフォーカスした内容で、オートファジー3機能である自食、新規再構築、攻撃を説明し、将来までを見据えた科学的名著
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オートファジーに関して、いろいろな情報を耳にする機会が増えた。けれど、それはどこ情報?正しいのか?結局オートファジーって何?など疑問が膨らんだので、実際に研究をされている先生による科学的な説明が書いてある本を、と友人から薦められて購入して読んだ。
ブルーバックスだから一般向けに解りやすく書かれているのだろうけれど、文系脳+ポンコツ気味な私には正直なところ難しくて読み終えるまでにかなりの時間がかかった。
オートファジー研究の第一人者といってもいい先生による著述なので何よりも説得力があって、信頼できる。
オートファジーの仕組みや現状を知ることが出来て、読んでみて良かったなと思えた。
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ファスティングを調べているうちにいきついた「オートファジー」という言葉。
LIFE SPANにも書いてあって何となくしっていた言葉だったけれど、本書は研究の第一人者である吉森先生が素人にも分かりやすくオートファジーについて説明してくださっていた。
これから解明されていく可能性を考えるとワクワクさせられた。
それ以上に吉森先生をはじめとする最先端の研究者の方々のあくなき探究心に惚れ惚れしてしまった。
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細胞が自己成分を分解する機能をオートファジーというらしい。
2016年にノーベル賞を受賞した研究だが、受賞者曰く「まだ3割程度しかわかっていない」とのことで、今最先端の研究過程が読めてとてもライブ感があった。
病気の治療や予防、果ては健康寿命の延長まで解決しうる、非常に夢のある題材だった。
これだけ日本でリードしている研究なのに特許やそれを使ったベンチャー企業などが少ないという言及に自分も危機感を覚えた。
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オートファジーの学術的説明。
オートファジーの成り行き、説明が中心で効能や方法についての言及はなし、、
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著者がオートファジーについて研究を始めたきっかけから、どんなテーマでどんな実験をしてどんな成果が得られたのかを、ほぼ時系列に沿って説明
細胞レベル、分子レベルでどんな反応が行われているのかが図で説明されていて、わかりやすく感じられる
何が書いてあったのかを説明しろ言われても説明はできないが、読んでいる時にはとてもよく分かった気がする
トップを走る研究者の講義ってこんなに面白いのかと感じた
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平易かつ詳細にオートファジーについて解説されている。素晴らしい解説本だ。
研究内容を噛み砕いて理解している。
研究の第一線で活躍する著者。
読了90分
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新書レベルとしてはちょっと難しい。
オートファジーの仕組みや発見の経緯の話の方がボリュームが多い。
オートファジーを生かして、実生活をどう改善するかという知見を得ようと思って読むと期待外れになる。