ダイヤモンド・エイジ 下 みんなのレビュー
- ニール・スティーヴンスン, 日暮 雅通
- 税込価格:924円(8pt)
- 出版社:早川書房
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紙の本
ナノテクがもたらしたものは。
2006/05/30 22:32
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シノスケ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本の形状をしたインタラクティブ・ソフト<プリマー>はこの世にただ一つのはずだったが、フィンクル=マグロウ卿の意図とは裏腹に技術者ハックワースが不正にコピーし流出してしまった。ハックワースが娘のために与えるはずだったそれは、貧民外で暮らす少女ネルの手に渡り、そこでプリマーと交流を深め、教育を受けたネルはついに家を飛び出すが、そのプリマーがふたたび世に出たことで様々な思惑が絡み合う。ネルと、知らず知らずのうちに彼女の母役となったミランダ、ハックワース、そしてドクターX……。ナノテクは世界の改変をもたらしたが、ナノテクの粋を極めたプリマーは果たしてどんな変化をもたらすのか。
3人の少女に、同じプリマーを与えても違った結果となる。ひとりはフィンクル=マグロウ卿の思惑通りの人格を形成するが、他の二人はまた違った人間となった。果たして問題はどこにあるのか。その成長の差は一体どこから来るのか。簡単な回答としては、いつも気遣ってくれる母親の存在だろう。しかし、そもそも片方が良くて片方が悪いという問題でもない。それでも、ナノテクを通じ、さらに血が繋がっていなくても、間に何らかの情愛が芽生えたという単純な話では終わらせたくない。西洋も東洋もごたまぜにした背景と、尖がっていてかつ洗練された人間関係は魅力的。
ストーリーそのものは実は弱いので、あくまでネルを中心にそれを取り巻く周囲の環境と雰囲気を黙って楽しめばいい。芋虫が蝶へと変身していく様は、近未来の雰囲気の中でもやはり力強く美しいのだ。
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