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電子書籍
愛に、あるいは持って生まれた性(さが)に翻弄される人々
2023/03/29 12:06
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
愛憎を主とした人間の心の機微を、情趣あふれる文体と意想外の着想で卓抜したミステリに仕上げることで定評ある連城三紀彦。
この本の出版された時期は、著者の作品からミステリ色が薄まり普通小説として評価が高まっていった頃です。が、本作は趣ある恋愛小説でありながら、やはり油断ならない傑作ミステリ短編集でもあります。収録されているのは「瓦斯灯」「花衣の客」「炎」「火箭」「親愛なるエス君へ」の5編。
個人的に出色の出来と思うのは「花衣の客」。老いた男と、彼に想いをささげる女。だが男はかつて女の母と関係を持っており、その心が女に向けられることは無いまま、男は死の床にあった。だが、女と男の間を阻んでいたものの真の姿は・・・・・・
また他4編とまったくテイストの異なる「親愛なるエス君へ」も傑作です。実際の事件を下敷きにカニバリズムをテーマとした著者らしからぬ一編。ですが、最後にあらわになる真実の衝撃と、きめ細かに張られた伏線の妙は「戻り川心中」等から変わらぬ匠の技というほかありません。
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