残念な青年のアルバイト先
2022/04/05 22:25
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
弄られキャラで苦しんできたザックくん、目標もなくただ生きている自分の人生を「余生」とか思っちゃってる、そんな残念キャラ。
春休みのバイト先を変なきっかけと、うっかりな勢いで決めて、沖縄へ。
そこはいい加減なオーナー代理、美味しい料理を作るおばさん、清掃担当の双子のおばあさんがいる裏通りの小さなホテル。
いままで人付き合いをほとんど避けてきたため、人を慮る気持ちが皆無で、知り合った人に拒絶されたり、親友だと思ってた人にも距離を置かれたりします。が、それがなぜなのか理解できず苦しむザッくん。
ザッくんの一夏の体験談ですが、オーナー代理が時々見せる鋭い推理もあり「もしかしてミステリーなのか?」って楽しみも。
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前作のヒロちゃんの性格を考えると、今作の主人公ザッくんの性格はかなり面倒だ思ってしまった。
でも、人の目を気にしすぎたりする性格はリアルさもあって嫌いではない。
家長制度や未婚の女性は墓に入れないということは初めて知った。
人の性格ってそう簡単に変わらないと思うけど、この体験がザッくんを変える、きっかけになれば良いと思う。
色々自分にも刺さるところはあったなぁ…
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不思議な縁で緩いホテルジューシーのバイトを自分でも良く解らないまま引き受けたザッくん。ハーフどころか、色々な国籍のミックスな外見のお陰で、人生損してばかり。前作同様、いい加減なオーナー代理の安城とクセの強いホテル従業員に囲まれて困惑していたが、次第にザックもその雰囲気に打ち解けてきて…
ザッくんもザッくん目線で見れば同情する部分は多々あるんだけど、第三者の目線から見るとイラッとするのが解ります。
中学の時の楽しい時代にしがみついて、そこから動かずそれに気づかない。仲間だって次第に自分の世界を広げていくのに、それを見て見ぬふりをしているザッくんが痛くて切なくて。それでもハッキリ気づかせてくれたアマタツは優しいのかもしれないですよね。
沖縄で出会った居酒屋店員のユージーンとのマーケット巡りもとても痛かった。確かにザッくんは悪い事はしてない。けれど、流されて自分から行動しないザッくんはユージーンにとってイラッとするタイプなんでしょうね。
ラスト、スーパーのおじさんとのやりとりがホッコリでした。
前作のヒロもそうだったけど、自分の価値観を全否定されてからの前を向いて成長する姿が爽快でした。
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ザッくんのコンプレックスに何とも言えない切なさを覚えました。不思議な職場のホテルジューシーで見聞を広げていく様子が面白かった。
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人と違うものを抱えて生きづらさを感じている主人公のザッくん。
けれど人の目を気にしすぎるが故に生まれた偏見と無知さで知らず人を不愉快にさせてしまうことがあると気付いていく。
自分を認めひとりで立って生きることの厳しさ、人と共に生きていくことの難しさが丁寧に描かれている。
多様性に富み、ゆるくて楽しそうなイメージの沖縄も実際は沢山の問題を今も抱えており、同じ日本ではあるものの時代に翻弄されてきた土地なのだということを忘れてはいけないなと思った。
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暗黒の少年時代を過ごした青年ザッくんは、沖縄の
安宿・ホテルジューシーでバイトをすることに。
待ち受けていたのは、おいしい料理と超アバウトな
スタッフ、癖のある宿泊客たちで…!?
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購入本。前作が大好きなので。
ホテルジューシーの面々は変わらず、ヒロちゃんが去った後のお話。続編!と期待しすぎた面もあって、読了後は少し物足りなさもあったが、一緒に推理したり、比嘉さんの料理を想像したりするのはやはり楽しかった。
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「ホテルジューシー」の続編。まさか10数年ぶりに続編が発売されるなんて!
久しぶりに前作も再読。
沖縄の安宿「ホテル・ジューシー」でバイトをすることになったザッくんの短編集。
まだ20代なのに“余生”を生きてるというネガティブ思考なザッくん。過去のトラウマに縛られ、心の拠り所である思い出にずっと捕らわれてて生きづらそう…。
それにしても適当すぎるホテルのオーナー代理。ザッくん、よく頑張ってるなぁ。
真面目で頑張り屋のザッくんだけど、自分の思う“正しい姿”や正義感が先行して周囲が見えなくなってる感じがした。
アルバイトを通して、ザッくんがいろんな世代の様々な考えを持つ人と関わって学んでいく姿を、ついつい親目線で眺めてしまいました。
感情をともなう生の体験って成長のうえで本当に大きいなって思う。
作中で沖縄の歴史や制度、米軍基地があるとはどういうことか。大人の私でもハッとさせられることもあったし、初めて知ることもたくさんでした。
ホテルジューシーの従業員、お客様も含め登場人物が個性的でおもしろかった。
作中の沖縄料理も美味しそう!
サラッと読みやすいけど、おもしろくて深い。
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風変わりなオーナー代理が経営する沖縄にある「ホテルジューシー」を舞台とした「ホテルジューシー」の続編(?)
今作の主人公は多国の血が混じった「ミックス」のザックこと松田英太。
大学生でお弁当屋でバイトをしていたが、お弁当屋が休業することになり、中学生の頃に友人たち行こうと約束した「楽園」に下見を兼ねて、住み込みでバイトをすることに。
もちろんバイト先は「ホテルジューシー」。
正確には続編ではなく、姉妹版らしいが、ホテルジューシーのメンバーは健在。
昼間は使い物にならないオーナー代理、料理の上手な比嘉さん、清掃係の双子のおばあたち。
絶対面白いはずなのに、何でだろう?ザッくんこと英太の卑屈な考え方に終始イライラ。
いつもならば、もう少し日常の謎系の話が含まれているのに、今回は各章のラストにちょこっとって感じで、その辺も物足りない感じ。
日常の謎ものではなく、英太の成長の物語として読めば、まぁ、納得しないこともないけど、自分ばかりが辛い目にあってるみたいな考え方はやはり好きではない。
今の世の中、様々な多様性があり、何を言っても、悪く捉えられる傾向があり、普通に生きていても難しいなぁと感じる。
そんなことが伝えたかったのかな・・・
今作の掲載中に首里城が火災に見舞われたことは、作者の心中も穏やかではなかっただろう。
前作に比べ、沖縄の歴史や光と影が詳しく描かれていた気がする。
いつもならば、軽いノリで読み終える坂木作品だが、今作は読み終えた後に考えさせられることが多かった。
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主人公のコンプレックス満載で、前作と違って、全体的にやや暗めな空気が漂っていて。
ま、成長というやつかな
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14年ぶりの『ホテルジューシー』の姉弟本は、
怪しげな人が集うホテルで働くザッくんの、2か月の春の物語。
約束・・・三人で沖縄へ行こう!でも今行けるのは自分だけ。
偶然たるアクシデントは、ザッくんをホテルジューシーに誘う。
風の音・・・ザッくん、ホテルでの、街での人々に、戸惑う。
でも、あのヒロちゃんのマニュアルがある!感激!
境界・・・男二人、女二人の宿泊客。それぞれの不可解な行動と
言動の理由は?ゆんたくでオーナー代理が謎を解く。
ローリングカラーストーン・・・常連の軽部さんが落としたメモ。
謎の単語と彼女から依頼のバイト。真相は沖縄の風習に。
フェア・・・石黒さんと香具山夫妻の荷物とは?旅の自由とは?
世の中は、いい人と悪い人だけで二分出来ない。
君ではない・・・米軍キャンプでの出来事。一人になって、
苦しさを「誰かに委ねて」楽になりたかった、自分を知る。
眩しさ・・・東京に戻った、ザッくんの脳裏に浮かぶのは・・・。
14年ぶりの『ホテルジューシー』の姉弟本。
彼は、5ヶ国のミックスで幼い頃からいじめられっ子だった。
大学一年の現在、マインドはそのままのザッくん、松田英太。
一歩踏み出せない、壁の陰から窺うような姿は、過去の影響。
また、過去の親友たちとの約束にも、心が縛られている。
そんな彼が那覇のホテルで味わった、2か月の春の物語短編集です。
沖縄は太陽と青い空、観光地。それは憧れの楽園の様。
だが、複雑な歴史と文化と風習には縛りも存在する。
ザッくんが出会う人々は、沖縄の人も沖縄以外の人も、
同様に縛りを内在している人がいた・・・自分だけではない。
あっちゃん、軽部さん、ユージーン、卸問屋の店主の言葉と、
更に、それらを気づかせてくれる、オーナー代理。
夜モード全開に、推理と心に沁みる言葉で、今回は大活躍です。
ヒロちゃん以前も、ヒロちゃん以降も、ホテルジューシーで
人生にプラスする何かを受け取った人が多くいたのだろうと、
感じました。あのマニュアルに加わる情報が、その証でしょう。
沖縄は、想っていた夢の楽園ではなかった。
でも、東京に帰ったザッくんには、ホテルジューシーの存在は、
心の奥から誘う楽園になったのに、違いない。
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何と何と、14年ぶりとなる『ホテル・ジューシー』の続編が届けられた。オーナー代理を筆頭に、宿泊客も訳ありの人物ばかりなホテル・ジューシー。那覇の国際通りからほど近いこのホテルに、今回アルバイトとして飛び込んだのは…。
前作の主人公・柿生浩美は、一言で言えば超しっかり者。今回の主人公はハーフのザッくん。外見をからかわれ、暗黒の少年時代を過ごした彼は、万事に前向きになれない。浩美から見るとかなりイライラさせられるキャラクターだろう。
一念発起して那覇まで来たザッ君だが、そんな彼にも、おいおい大丈夫か?と思わせるオーナー代理。前作を読んでいれば、只者ではないのはわかっている。浩美と同様に昼と夜のギャップに戸惑うザッくんだが、浩美よりも順応は速いか?
事件らしい事件が起きるわけでもなく、日常の中で価値観を揺さぶられるエピソードが多いのは前作に共通する。浩美のような明確な価値観を持っていないザッくんにも、先入観はある。辛い少年時代を過ごしたザッくんだけに、世の中こんなもんという思い込みは、ある意味誰よりも強いかもしれない。
ザッくんだって時には客の態度に腹を立てるし、オーナー代理の「大人」の対応に違和感も抱くが、浩美のように口には出さないのでモヤモヤが蓄積していく。そんな彼の内面は、オーナー代理にしっかりと見抜かれていた。
自分自身、ザッくんに共感できる面もある。彼だって殻を破りたいという願望は無意識に持っているはずだ。だからこそ、沖縄行きを決断した。沖縄という土地柄が、個性的な人物たちが、頑ななザッくんの心に少しずつ変化をもたらす。
ホテル・ジューシーでの業務に慣れていく中で、終盤にはガツンとやられる展開が待っていた。一緒に出かけた「彼」にぶつけられた言葉。どうすればよかったのか? しかし、ザッくんが何よりショックを受けたのは…。
自分の良いところを認めてあげるのは難しいが、見ている人は見ている。おそらく、謎のオーナー代理も。なかなか自分を肯定できないザッくん。もう少し時間はかかりそうだが、この体験が、さらなる一歩踏み出すきっかけになれば。
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前作より面白く感じるのはラスト近くがリアルなのかな。
主人公の辛さもわかるし周りの気持ちも分かる。
楽園ジューシーの楽園を考えてしまいますね。
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暖かくて眩しい日差しの沖縄に行きたくなる。
そして、学生時代にこんなアルバイトできたら楽しかっただろうなあ、と羨ましく思った。
沖縄への憧れとその奥にある多様性やしがらみ。(家父長制の伝統、離婚率の高さ、基地の問題)
残念なハーフと言われている主人公の心の葛藤と沖縄の眩しさが相反していた。
あとがきラストは「心に南風を。旅のある人生を。」
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主人公の気持ちが結構わかって辛いけど、ちゃんと言ってくれる友達がいてよかったなあって思った。
結局オーナー代理なにものなんだろう。
前作があるのを知らずに買ったので、次はホテルジューシー読もう。