紙の本
ポストコロナ
2021/06/20 21:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
コロナ=新型コロナウイルスとなって久しい。20人の識者による新型コロナウイルス感染後の世界の論考。
パンデミックが終息しても完全に元の世界に戻ることは無いと思われるので、古い時代へのレクイエムのよう。しかしあるいは数年経つと忘れてしまうのだろうか。
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2020年の8月くらいに書かれた内田樹さん編のアンソロジー。
コロナをへてポストコロナに対しての中高生・大学生
に向けて30代・40代・50代・60代・70代の著作者が
指針というかメッセージ集です。
前書きの内田樹さんの『各代の著作者からの想定読者にたいするいうべき言葉は『ごめんなさい』』という部分は非常に
心に残る内容です。
20人の人からの言葉のなかで、一番よかったなあと思うのが、今回は平川さんでした。
昨年の8月と現在(2021年1月)とはまたフェーズが
変わってきているコロナの状態ですが。
やはりいろいろな矛盾が表出してきているなあと
思います。
たしかに、自分の息子も含めて、若い人たちには
今後この世界の変えられるものを、正しく変えていき
少しでも多くの人たちが生きやすい世の中にして
いってもらいたいと思います。
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"何であれ「問題を解決すること」の確かな道筋は、どこかの誰かが出来合いの答えとしてしてしてくれるわけではありません。それは最終的には、自分の知性をもとに、自分の責任と判断で、自分自身で選び取っていくしかないのです。" 114ページ 増田聡
中高生ではないが読んだ。それぞれの方のメッセージを読みながら、いろいろ考えた。
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色んな立場における識者の手による、今の時代ならではのアンソロジー。内田樹編ってところで、それなりのバイアスがかかっていることは間違いないけど、氏の慧眼に心酔している身としては、その選択には疑念の余地なし。通読した後も、その気持ちに変わりはなかった。いくら博覧強記でも、単著では、その言論にそれなりの限界があるものだと思うけど、その点本作は、根っこの部分でのブレをほとんど感じさせることなく、だけどそれぞれに違った見地からの論旨が展開されていて、感じ入ることしきりだった。
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30代40代・・70代。宗教、医学、劇作家、様々な分野の人たちが、2020年11月に出版したという基本の骨組みには拍手。
大人がまず、若い人たちにごめんなさいと謝っている姿勢が現在をよく表し、けれど進むべき道を歩むエネルギーをあたえるほど熱量があるかというと、自分自身たちも悩んでいる今では、難しい。
今までのものさし、価値観で今を見てはいては、未来は見えてないということは感じさせた。
究極自己決定できる力が必要か❣️
コロナで時間に余裕がない中、小学校のおはなしかいでボランティアを受け入れる決断をされた。その学校に行くにあたって、大人として心構えが必要かしらんと思って、柄にもなく気合を入れて図書館で借りた一冊。
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大学は勉強するところではない。大学とは、知識を商品のように学生に売るところではありません。知とはデジタルデータではなく、身体と感情を持った人間一人一人が身につけ、実践し、対話し、試行錯誤する中でしか役立たない。
あらかじめ用意された正解をたくさん覚えることが優秀だというのは、いわば知識ベースの勉強です。しかし、非常事態に対処するには、そんな勉強だけでは限界があります。そこで力を発揮するのが、物事をいろいろな角度から観察し、今までに知った事実と組み合わせて、全体の構造を考えるという知性ベースの学びです。
まだ答えがない問題への対処については、先生と生徒の立場は対等です。
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高校3年生の私でも分かりやすい文章が多かった。新型コロナによって振り回される私たちの未来を前向きに考えていこうと思った。まずは正しい知識を得ること。そしてタテ、ヨコ、算数(本書より)の多角的視点から問題をみつめる。これから大学に進学する上で役立ちそうな知恵を得ることができた。
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コロナ後の世界を想定しているため、コロナに対する寄稿が大半を占めるが、むしろbeforeコロナにあった問題が断絶せず続いていると感じた。
内田樹さんのベーシック・インカムについての話はブルシットジョブ(くそな仕事)から人を解放する方法の1つだと感じた。
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若い人からベテラン著者まで、さまざまな視点で、ポストコロナについて書かれていました。
蔓延するウィルスがどのようなものか、また、そこから受ける我々の生活への影響とこれからの展望。
いずれにせよ、近代的思想に基づいた人間の行動から生み出された歪みだということは一致しているように思える。
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ポストコロナ期という題名が気になって読んでみた。
いろんな著者の考えを知れて興味深い。
権威にただ従うだけではダメなこと
自分の頭でよく考えること
周りの空気に流されなくてもいいこと
が、いろんな立場の著者から述べられている。
わかっていても難しいんだけどね、というのが
大人になってしまった自分の言い訳だけど。
この先が、少しでもいい未来が待っていますように。
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■1 Letters from around 30
ポストコロナにやってくるのは気候危機 斎藤幸平
楽しい生活──僕らのVita Activa 青木真兵
これからの反乱ライフ えらいてんちょう
■2 Letters from over 40
君がノートに書きつけた一編の詩が芸術であること 後藤正文 技術と社会─考えるきっかけとしての新型コロナ危機 白井聡 「タテ、ヨコ、算数」の世界の見方 岩田健太郎
支援の現場から考える、コロナ後の世界 雨宮処凛
「大学の学び」とは何か─「人生すべてがコンテンツ」を越えて 増田聡
■3 Letters from over 50
コロナで明らかになった日本の最も弱い部分──対話・エンパシー・HOME 平田オリザ
コロナ禍と人間──私たちはどう生きるのか 想田和弘
台風とコロナ・パンデミックは同じか? 俞炳匡
図太く、しぶとく、生きてゆけ──誰も正解を知らない問題にどう答えを出すか 山崎雅弘
■4 Letters from over 60
医療が無料であること 三砂ちづる
人生100年時代ポストコロナはダブルメジャーで 仲野徹
メメント・モリ──思いがけない出会いに開かれているために 中田考 ディレンマの知性 釈徹宗
■5 Letters from over 70
ポストコロナ期における雇用について 内田樹
自分に固有の問題を考えること 池田清彦 コロナと価値のものさし 平川克美 マスクについて 鷲田清一
(内容)コロナ・パンデミックによって世界は変わった。グローバル資本主義の神話は崩れ、医療や教育などが「商品」として扱ってはならないことがはっきりし、一握りの超富裕層がいる一方で命を賭して人々の生活を支える多くのエッセンシャルワーカーが貧困にあえぐ構図が明らかとなった。わたしたちはいま、この矛盾に満ちた世界をどうするかの分岐点に立っている。
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まえがきに掲載されている「寄稿のお願い」で書かれている通りに、書かれていることは、一人ひとり違った切り口の「ポストコロナ期を生きるきみたちへ」のメッセージ。
本当に私が中高生だったら、偶然にでも見つけて手に取って欲しい。手に取れるところに存在して欲しい。
政治学者、疫学者から宗教学者、そしてアーティスト。
アジカンの後藤さんの文章は、不意打ちでもあり、なんか涙出た。
突きつけられつつも、著者たちがある意味突き放してくるからこそ、信頼感があって温かい。
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最近よく言われるところのブルシットジョッブの蔓延と厚遇は、本来最高収入が約束されてもおかしくない3K仕事が正当に評価されないという社会問題を生み出す。
命を大切にすることに携わる人々を蔑ろにするということがこれ以上進んでゆくと、尊厳死や安楽死を認めるような社会になる素地を作ってしまうのではないか。
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玉石混交の内容だが、面白い議論もある。人の行動は変わらないが、コロナの記憶は当面続く。国境の意識、遠隔技術の成果は明らか。企業や国家の行動に影響はあるだろう。イノセンスな効率至上主義は若干減少すると期待したい。
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内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけているのかが,気になる。
新型コロナによって暴き出された現代社会の矛盾は,コロナ禍が過ぎ去ったとしても,なんらかの修正を迫られるはずだ。会社に行かなくても仕事ができる…と分かったからには,満員電車に乗って会社へ行くこと自体が,すでに「必要なこと」ではなくなってしまった。密を避けることは,過疎地域では当たり前であり,過疎であるわたしの地域で影響を受けたのは「年に一番密になる地元のお祭」ぐらいだ。
指導者たちは,巨大な経済システムの中で,無駄を省くことを第一条件として進めてきたことのツケが,あまりにも大きかったことにやっと気づいたのだろうか。もっとも,10年前の東日本大震災の津波による原発事故のときにも気づいたはずだったのだが…それが,いつのまにか,どっかへいってしまっていた。今回,また,違う形で自然が教えてくれたんだが。
内田さんがいうように,今後の社会は決して楽観的に過ごせるわけではないだろう。高齢化率や出生率などを見ても,その大変さがよく分かる。
じゃあ,今後はだれがどんな社会を作ってくれるのか…いや,君が作っていくんだよ,それは君がやりたいことを選んでやっていくんだよ…というメッセージが,少しだけ勇気を与えてくれる。
60代のお爺ちゃんは,孫たちの世代に何を残せるのだろう。まだわたしにできることはたくさんありそうだ。