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流石、上橋菜穂子さん!
彼女の世界観たっぷりの物語。
どうなって行くのか気になってどんどん読み進めたくなる。
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さすがの世界観というか設定というか筆致というか。圧倒的なリアリティ。見慣れないカタカナ語が多いのに何もひっかからずにぐいぐい読めた。
ただ今回は世界そのものの描写よりも、あれよあれよと転がっていく展開、それがすごく速いので目が走っちゃうというか気づいたら終わりそうな場所まで読んでいて、なんかもっとゆっくり読みたかったな…と寂しくもなった。もちろんそれは私のせいだし、そんなの関係なく抜群に面白い。
上橋さんの作品はこれに限らず、読んでいると、なんだろう…なんかもう少しで世界の真理に、世界の形に手が届きそうな気になる。ぼんやり見えるけど、わからないみたいな。分かるけど言葉には出来ないみたいな。何言ってんのかよくわからなくなってきたけど、いつもそんな感覚になる。自分が生きている場所とは違う世界の物語を通して、自分の世界を見る。
あとこれ続編がいくらでも書けそうな感じがしたけど、あるのかな?ないかな?あると嬉しいな。
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畳みかけるように次々と困難がアイシャやマシュウを襲う。オゴダ藩で育てられてきた救いの稲を全土で育てた後に災いがふりかかる様はホラーかと思うほど。
ファンタジーのジャンルなんだけど、生きとし生けるもの全てに理由があるとすれば人の害になるものでも根絶した時の恐ろしさを見た気がする。
主人公アイシャは自分の置かれた立場に足掻きながらも成長し、自分が国民から求められている姿も理解しつつも自分の意志によって香君という存在を変えていこうと邁進する姿に胸がすく思いがした。アイシャの成長にオリエの存在が欠かせなかったのは間違いないところだとも思う。
マシュウもめちゃ、かっこよなんだけど、それは愛する者を守るためにはアッサリと身を引き、でも遠くから絶えず見守りつつ、そして国の未来のためにどうすべきかを常に考えてるからなんだよね。
為政者に求められるものは目先の利益ではなく、その先の未来を見据える力、自分を守る為ではなく国民に利益をもたらす道を探す事なんだよなと思えたけど、今の世界ではそうなっていますかね?
上橋さんの作品はどれも女性が自立していて、かつその傍で影日向に彼女を守るかっこよな男がいるのだ。だから好きなのかなぁ。
私設図書館にて。市の図書館ではこんなに早くに読むことは出来なかったので感謝。
いやーまた上橋さんの昔の作品読みたくなったー。
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帝国の政策は、周辺の藩王国にとって受け入れられるものになるのか。
香君の事実を知るオリエの覚悟には考え抜いた思いがある。手助けをしようとするアイシャにも同じように。
強い者弱い者と言ってもほとんどの人は強い部分と弱い部分が混ざり合っていて強く見えたり弱く見えたりするのが当たり前に思える。自分はくじけない強さを持っていたいと思う。
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今までの物語に比べると劇的な展開ではなかったものの、稲につく虫を食べるバッタに食物食い荒らされ…と、現実で起きたら大問題な食料問題。
現人神が人として生きるための道程も見えた。
オリエとマシュウ、ハッピーエンドでよかったね!
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下巻読了。
図書館のアレで上巻を読了してから、めっっっちゃ待たされましたが、“待ったかいがあった!”と思える面白さで、物語の世界に一気に引き込まれました。
オアレ稲に依存してきたウマール帝国に蝗害の危機が訪れます。
恐るべき早さで繁殖し、変異していく異郷のバッタ・ヒシャ。
アイシャ達は未曽有の災難を回避できるのでしょうか・・。
“来て、来て、・・”。〈救いの稲〉の発する、悲痛な“香りの声”に引き寄せされるように来襲するヒシャの群れ。
どんどん生態変異をしていくヒシャの姿に、某ウィルスを重ねてしまうのは私だけでしょうか。
帝国の権力者達が、損失を恐れるあまり根本的な解決を躊躇する姿も現実世界とリンクしていて考えさせられました。
そして「香君」の在り方を含めてクライマックスまでの繋げ方も秀逸で、オリエの後を継いで香君として立つアイシャの姿は毅然としていて素敵でしたし、落としどころとして良かったと思います。
色々ありましたが、オリエとマシュウも幸せになって何よりでした。
まだ〈異郷〉については謎が多いままでしたので、番外編で良いので、その辺の話も読んでみたいですね。
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面白かった。
一気に読んでしまった。オリエとマシュウが幸せになって本当に嬉しい。
アイシャが香君として立った場面は震えがきた。
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香りと言語を結びつけた作品。
虫や草などは、香りを使って会話んしている。
最近の研究で、きのこは匂いでコミュニケーションをとって縄張りを主張しているとかあったなあ。空想のようで、リアルに近い想像のお話。
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どうなってしまうんだろうと 何度も
心配になった。
その稲がある意味
植物のもつ力
それにしてもすごい参考資料
論文を書くように調べて調べて、物語をつむぐ
上橋さんの素晴らしさ
あとがきで書かれていた 上橋さんの大変さ
書いてくれてありがとうと言いたい
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久しぶりに上橋先生の新刊が出ました!読むことをとっても楽しみにしていましたが、上橋さんらしい素晴らしい作品でした。読むことができて幸せです!!目に見えない香りの世界を文章で表現するおもしろさと表現できる書く力がすごいなぁと思います。特別な世界を感じることができる主人公ですが、誰とも自分の感じたことを共有できない孤独という視点にも心がじーんとしました。続編や番外編などが出たら嬉しいです!!
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不思議な力のあるオアレ稲を帝国の統治に使っていたが、その稲に虫がつき、枯れて行く、そこで品種改良された稲をつかって虫に食われても穂は実稲を植えていたがその虫を食べる蝗が大量発生し、虫どころか、稲も草木も食べてしまう。
ただ一度に移動する距離が少ないため、来る前に他を焼くことで防ぐしか方法がないところで帝国の中で揉めに揉める。
最終的に香君であったオリエが帝国の皇帝始め臣下を呼び、話をし始めたところであったが、途中で倒れとうとうアイシャが代わりをつとめ、物語は終焉となる。 神の血はよくわからず終わるが、そこから出てきた皇祖や香君人々を豊かにしたくて、下界に出てオアレ稲を広めたが、やはり将来は不安であったので、制御方法を伝えたが、その理由までが伝わらず、今の危機を誘ってしまった。
今回の蝗害もある面、その様な事態となった際の為政者の決断が本当に将来を決めるという重要なことを示唆しているなあとつくづく思った本書であった。
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読み終わって少し時間が経ったけど、いまだに2022年No.1
上橋ワールドと言われるけれど、少しも大げさではないほど精緻に作り込まれた世界の中で、登場人物が躍動する
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災いそのものよりも未知の災害に直面した時、人はどのように振舞うのかに焦点が当たっている気がした。
被害を最小限に抑えようと対策が後手後手に回る姿も当事者にならなければ危機感が伝わらないさまも新型コロナに右往左往する私たちとそっくりだと思った。
異郷を未知の存在のまま終わらせるところが獣の奏者の様で上橋菜穂子先生らしい反面、外伝や続編という形でもいいからオアレマズラまで旅してほしいと思った。
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災厄の兆候はとどまる気配を見せずひろがり続ける。見つけたかにみえた希望になぜか恐れを抱くアイシャ。人々の思惑が絡まり合うなか、最悪の結末を阻止するために彼女とその仲間がとった行動とは
架空の世界の話ではあるが、現実にも同じようなことがあるのではないだろうかと考えさせられる。上橋さんの描く女性はみなとても強い。
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香りからさまざまなことを知る女性の孤独や豊かさ、そして植物たちと虫、生き物の描き出す輪がもう本当に面白くて首が痛くなるまで読み耽った。神郷オアレマヅラから帰った人の言う、どこかへ帰りたいという想いで胸が痛くなるような強い気持ちにとても惹かれた。