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香りと言語を結びつけた作品。
虫や草などは、香りを使って会話んしている。
最近の研究で、きのこは匂いでコミュニケーションをとって縄張りを主張しているとかあったなあ。空想のようで、リアルに近い想像のお話。
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どうなってしまうんだろうと 何度も
心配になった。
その稲がある意味
植物のもつ力
それにしてもすごい参考資料
論文を書くように調べて調べて、物語をつむぐ
上橋さんの素晴らしさ
あとがきで書かれていた 上橋さんの大変さ
書いてくれてありがとうと言いたい
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久しぶりに上橋先生の新刊が出ました!読むことをとっても楽しみにしていましたが、上橋さんらしい素晴らしい作品でした。読むことができて幸せです!!目に見えない香りの世界を文章で表現するおもしろさと表現できる書く力がすごいなぁと思います。特別な世界を感じることができる主人公ですが、誰とも自分の感じたことを共有できない孤独という視点にも心がじーんとしました。続編や番外編などが出たら嬉しいです!!
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不思議な力のあるオアレ稲を帝国の統治に使っていたが、その稲に虫がつき、枯れて行く、そこで品種改良された稲をつかって虫に食われても穂は実稲を植えていたがその虫を食べる蝗が大量発生し、虫どころか、稲も草木も食べてしまう。
ただ一度に移動する距離が少ないため、来る前に他を焼くことで防ぐしか方法がないところで帝国の中で揉めに揉める。
最終的に香君であったオリエが帝国の皇帝始め臣下を呼び、話をし始めたところであったが、途中で倒れとうとうアイシャが代わりをつとめ、物語は終焉となる。 神の血はよくわからず終わるが、そこから出てきた皇祖や香君人々を豊かにしたくて、下界に出てオアレ稲を広めたが、やはり将来は不安であったので、制御方法を伝えたが、その理由までが伝わらず、今の危機を誘ってしまった。
今回の蝗害もある面、その様な事態となった際の為政者の決断が本当に将来を決めるという重要なことを示唆しているなあとつくづく思った本書であった。
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読み終わって少し時間が経ったけど、いまだに2022年No.1
上橋ワールドと言われるけれど、少しも大げさではないほど精緻に作り込まれた世界の中で、登場人物が躍動する
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災いそのものよりも未知の災害に直面した時、人はどのように振舞うのかに焦点が当たっている気がした。
被害を最小限に抑えようと対策が後手後手に回る姿も当事者にならなければ危機感が伝わらないさまも新型コロナに右往左往する私たちとそっくりだと思った。
異郷を未知の存在のまま終わらせるところが獣の奏者の様で上橋菜穂子先生らしい反面、外伝や続編という形でもいいからオアレマズラまで旅してほしいと思った。
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災厄の兆候はとどまる気配を見せずひろがり続ける。見つけたかにみえた希望になぜか恐れを抱くアイシャ。人々の思惑が絡まり合うなか、最悪の結末を阻止するために彼女とその仲間がとった行動とは
架空の世界の話ではあるが、現実にも同じようなことがあるのではないだろうかと考えさせられる。上橋さんの描く女性はみなとても強い。
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香りからさまざまなことを知る女性の孤独や豊かさ、そして植物たちと虫、生き物の描き出す輪がもう本当に面白くて首が痛くなるまで読み耽った。神郷オアレマヅラから帰った人の言う、どこかへ帰りたいという想いで胸が痛くなるような強い気持ちにとても惹かれた。
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社会が一つのものに依存していたとき、それが失われると地盤は大きく揺らぐ。それがわかっていながら、そのようなことは決して起こらないと過小評価して生きている。自然は不思議に満ち溢れていて、人間の手の及ばぬところに魅了される。それがときに、人の社会の基盤を揺るがすことになる。津波もウイルスも戦争も出てこないけれど、今の時代に読むことに意味があるように思う。
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下巻は更に圧倒的上橋菜穂子ワールドが待ち受けていた
文化人類学者である上橋菜穂子さんの人の営みを描く深みのあるストーリーが素晴らしい
『自分がこう感じるから、他の人も同じように感じるだろうと思ってはいけない。そう思ってしまったとき隙が生まれる』
『権威というのは、そういうものなんだろう。互いの関係で成り立つ、幻想だ。幻想だが、いったん身に沁み込んでしまえば、反射的に心身が反応するし、多くの人が同時に抱けば、現実のものとなる』
上記2点は作中の引用だが 心に残っている
他にも この本を書くにあたり著者が読んだという動植物の本のリストが巻末にあり 大変興味深い
作中にも 『どんな小さな者も己の役割を担って生きている』…と生き物について言及されるシーンがあるが 人もちっぽけな生き物も 生まれてきた姿と能力を持って命を全うする生き方に違いはないのだとしみじみ感じさせられた
また作中の食べ物 飲み物の美味しそうなこと!
例えば
『鴨焼き ー熟成させた鴨の肉を、香料を混ぜた穀醤に漬け混んでから焼いたものー や、山菜、薄焼き(タバ)などが、いい匂いを放っている』
という文… 読書だけで料理の匂いも味も堪能できる
もちろん 最高に美味しいというオアレ稲から採れる米
を炊いたご飯も想像上でしっかり味わった
そして物語のラストに ほっこり温かみを帯びる情景を運んだ上橋菜穂子さんに 心からのありがとうと拍手だ
ファンタジーを超え 人間の生き方を問うようなこの物語 ぜひ心に響く物語に出会いたいみなさんにおすすめしたい
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建国の秘密→規範を破る→災いがおこる→新たな国の在り方を問う
とパターン化しているように思えてしまう。
香君交代劇の会話が強引すぎて冗長に感じた。
しかし相変わらずの想像力と科学的事象をファンタジーのストーリーとして昇華させ、社会的課題を示す手腕は本当に尊敬する。
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下巻に纏めて記す。
香を人一倍感じることができる少女が主人公。
何メートルもの遠くから、人の匂いで誰が来るかが分かるだけでなく、その人の発する香で、緊張しているのか、害をなそうとしてるのかまで解る。
その少女は、反乱国の国王の孫娘だったため、捉えられて殺されようとしていた。が、殺そうとしている方の国の男に助けられる。
その男の国では、香君(こうくん)と呼ばれる、匂いで万象を知ることができる生き神がいる。香君は14歳(?)で連れてこられる。顔立ちの良い娘を連れてくるので、香なんて解らないが、初代はそうだったらしいし、人々は信じている。その当代香君と馴染だった男なので、本物の香君を見つけたとなり、殺されずにその男の国に行くことになった。
香君とも仲良くなり、大帝国を支配するオアレ稲という稲に関する知識をつける。この稲は、種は帝国から貰うもので作成することになるが、簡単に穂がなり、虫もつきづらく、美味しい。が、種が取れないので、種は帝国から貰うことになり、帝国支配のいしづえとなっていた。(オアレ稲を植えた土では他の作物が育たない。まあ他の作物を育てる必要はほぼないので、オアレ稲ばかり育てている)
そんな中、オアレ稲に害虫であるオオマヨが付いたことがわかった。調べた結果、肥料を減らすことにより、オオマヨを駆除できることが分かったが、それは禁則事項とされていた。肥料を減らすと毒性が上がるから…と信じられていたがそんなこともなく、何故ダメなのかが不明であり、一旦その方法を用いてオオマヨを撲滅した。
が、数年経って、その稲に山向こうの異世界からバッタのような生物が大群を成して襲いかかった。バッタはオオマヨも食べるが稲も食べるし、どんどん食い尽くして広がっていった。
稲を焼くしか無いが、焼くと食べるものがなくなり餓える。帝国と周辺国の問答もある。
そんな中、当代香君が毒殺されかけ、主人公が香君としてなり、全ての稲を焼いて事なきを得る。
とまあそんな話。
小学生の頃から好きな、うえはしなおこさんの新作だが、歳をとったから、登場人物の名前が入ってこなくて結構しんどかった。ファンタジーは好きなはずなんだけどなぁ…
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Amazonの紹介より
「飢えの雲、天を覆い、地は枯れ果て、人の口に入るものなし」――かつて皇祖が口にしたというその言葉が現実のものとなり、次々と災いの連鎖が起きていくなかで、アイシャは、仲間たちとともに、必死に飢餓を回避しようとするのだが……。
オアレ稲の呼び声、それに応えて飛来するもの。異郷から風が吹くとき、アイシャたちの運命は大きく動きはじめる。
圧倒的な世界観と文章で我々に迫る物語は完結へ。
上巻では、ジワジワと嵐の前のような穏やかな展開でしたが、下巻では、波乱の展開が幕を開けます
「虫」の大量発生によって、危機に迫る「稲」。そして疑惑の「稲」。
度重なる災難にどう立ち向かうのか。人々を救うために奔走する主人公が逞しく視えて、上巻とは違った一面を垣間見ま
した。
最初は穏やかだったアイシャでしたが、日に日に強い意志のある女へと成長していくので、その辺りは上橋さんの本領発揮だなと思いました。
物語の舞台は、架空の世界ですが、どことなく大昔の日本を彷彿している印象がありました。当時の作品に出てくるような恵みの稲や大量発生といった出来事があったかもしれません。
さすがに香りで調合したり、香りで対抗することはなかったと思いますが、自然の摂理があろうとも、努力の積み重ねで「今」があることを考えると、感謝しなければと思いました。
ただ、個人的にはアクション劇が見たかったなと思いました。上橋さんというと、強い女や剣捌きといった華麗なアクションが印象深かったので、ちょっと残念感もありました。
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異郷から持ち込まれた物、ある物を呼び寄せてしまう原因、連れ帰る者。初代香君が持つ能力。こちらの面はファンタジー。しかしこの話の根幹は食物連鎖と政治。だから、敵と戦うシーンはない。お互い生きようとしているもの同志が戦略を練る…ので、地味な印象があり、他の作品ほど人気出ないかも?でも、圧倒的な世界観は読み終わって直ぐにでも読み返したくなる素晴らしさでした。アイシャが皆に語り次々と言い当てて行く場面などは分かり易くて面白いと言われると思います。
読解に生物・政治的な理解力が必要なので、高校生位から面白く読めるのかとは思うけど、小学生が読んでも大丈夫。
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稲は稲でも架空のモノだし、虫たちも大量発生でその帝国を揺るがすほどの食糧危機。
ファンタジーなのでそれもありなのでしょうが、香君の神格化された綺麗な女性とその跡継ぎ、そしてその特殊才能をもっとみていたかった。ちょっとのロマンスもありで読み終えてみると面白かったのだけれど、グイグイって感じではなかったかなぁ。
表紙が綺麗で期待が大きすぎたから。