投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
彼女に会いたくなかった理由とは?
(以下、ネタバレを含む可能性ありです。
ご注意ください)
七草くんと真辺さんの出合いから始まる物語。
どこにもいけないものがある。
超えようとしてきた自分の欠点、コンプレックスは、
成長することによってどこにいくのか。
自分の内面に残り続けるのか、はたまた
階段島のような場所に「送られる」のか。
昔の自分を振り返り、
ちょっと切なくなる。
完全無欠の彼女でいてほしかった。
階段島で会うことはなかったはずなのに、
階段島にきてしまった彼女の
「欠点」と七草君の「欠点」。
二人が出した答えに、少し救われた気がした。
自分の超えてきた欠点も、
そうあってほしいなと願う。
「変わり続けるのさ、変わらないために」
by carvan
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
評価:☆3
やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。「階段島」シリーズ、開幕。
河野裕さんの作品を読むのは、サクラダリセットに続いて2作品目。
やっぱりこのふわふわした感じは何か合わないなっていう風には感じるw
舞台は階段島という、捨てられた人達が集まる不思議な場所。
ジャンルは青春ミステリーということですが、この設定と、登場人物達に秘められた謎がミステリー要素。
青春要素としては七草と真辺、この二人の関係性。
成長するために何かを捨てるということ、それは悪くないことだと思うから、真辺には欠けて欲しくないという七草の気持ちには共感出来なくてモヤモヤしたかな。
今回はこの世界観の説明がメインって感じだったけど、もうこの階段島のからくりを明らかにしちゃったらこの先が続かないような気もするw
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
不思議な場所に足を踏み入れたような・・・人はそれぞれ自分の嫌いなところを捨てたがる。でもその嫌な部分も飲み込んで越えて行けた時にまたひとつ成長できるんじゃないかなとも思う。そんな事に改めて気づかされた!!シリーズ化されるとの事で、続編も楽しみ♫色シリーズ期待します。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
青春ミステリと聞いて読んだらSF恋愛ものだったでござる。
精一杯どころじゃない幸福な結末、つまり……最適解!
そこここの道具だては好きなんだけど、微妙に波長が合わないので恐らく続編は読みません。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
高校生の視点から描いた青春ミステリ。
思春期特有の思いや考え方もあるだと思うけれど、この作家さんの表現の仕方が私にはちょっとわかりづらかった。
階段島に隠された謎もまだ明かされていないし、シリーズ化されるらしい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
主人公である七草と、その友達の「100万回生きた猫(本物の猫ではなくて、そう名乗っている少年)」の不思議な会話で幕を開けるプロローグ。
思いがけない決着に驚かされつつ何とも言えない余韻を残すエピローグ。
その間の全編にわたって、夢の中を漂ってるような、現実味の「希薄」さが、強く印象に残ります。
舞台となるのは「階段島」という二千人ほどの人々が住むちっぽけな島です。
島の7割は山岳部が占めていて、麓から頂上へと向かう階段があり、その先には魔女が棲むと言われています。
この島は、捨てられた人々の島らしく、島に住む誰もが、自分が島に来た時の記憶を失っています。
住民はなぜか外に出て行くことはできず、人も物も情報も、島に入ってくるばかりで出て行くことはありません。
各々、「無くしたもの」を見つければ、島を出ることができるようではあるのですが…
島の秘密はなんなのか、島で起こっていることにはどんな意味があるのか、七草は何かに気づいているのかいないのか、たくさんの「?」を頭の中にぐるぐるさせつつ、七草や仲間とともに駆けずり回っている中で、唐突に謎の正体が解明されていきます。
読み終わったあと、「同じくこの本を読み終わった誰かと、その意味について語り合いたい!」と思う、そんなお話です。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
階段島と呼ばれる島で、再会してしまった、二人。
階段島の謎、真辺由宇の謎、何より七草自身の謎がとても、どうしようもなく惹きつけられてしまう。
シリーズものと知って、一見残酷でしかないと思える、この青春を一体どう膨らませていくのかとても興味深い。
まわりくどい言い回しや、はっとする比喩の文体がものすごくあの作家たちを彷彿とさせるものの、好きなので抗えず。
一〇〇万回生きた猫が好き。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
不条理な状況、空虚で気取った観念的な会話、その様式はまるでキャラメルボックスの芝居を観ているような感じだ。
ただ、キャラメルと致命的に異なるのは、作品から発せられるメッセージや、そこに込められた強い思いだ。茫漠としたイメージの本作からは、そういうものが感じられない。読み終えてこの作品で何が伝えたかったのだろうと頭をひねった。読解力不足なのかもしれないが、少なくとも自分には刺さるものや残るものが全く無かった。
茫漠とした階段島の存在や数々の不条理さは、そこに住む人々の存在を表しているのかもしれないが、住民の営為の目的や理由があまりに希薄で正直分けが分からない。
本作のモチーフは、ひょっこりひょうたん島だろうか、それとも近年なら亀の上に乗った友引町だろうか。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
想像してたよりミステリ感は薄い。
そして難しい。登場人物全員、会話がどれも文学的です。個人的には主人公よりもヒロインよりも100万回生きた猫が好き。プロローグで引き込まれました。現実味の無い話ですが違和感の無く納得できるオチ、単純なことなのに言われるまで気が付かない素晴らしい文章トリック?先入観?だと思います。綺麗に纏まっていたのでここからどう続けるのか、というより何が続くのかとても楽しみです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
YAっぽい、現代小説。
ファンタジーな世界設定は好みではなかったが、ストーリーの起承転結とそれなりに結び付いていた。読み終わって振り返ってみると、構造が上手。
しかし、結局どこが見処なのか分からなかった。
世界観も、キャラクター造形も、恋愛小説としての展開も、目新しさがない。
その組み合わせ方、まとめ方が器用なだけに思える。読後感はよいのだが。
とはいえ、それは大事なセンスだし、ある意味凡庸な小説としては成り立っているので、例えば主人公・ヒロインの人物をもっとビビッドにする等、なにか+αして、魅力的なエンタメを作っていってほしい。
3
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
なるほどなぁ。
捨てられた人たちの島、「階段島」か。
欠陥人間が集まる島。
そうか、そう来たか。
それが、面白いんだな。
そういうふうにできている。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
もう、とにかく、タイトルがとても好きです!
七草の抱える真辺への感情がすんなりとは共感できなくて、それが逆に現実味を帯びているように感じました。単純な片思い云々で言い表せるような恋愛要素は求めていなかったので、むしろ棚ぼたな作品でした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「ひょっこりひょうたん島」のような虚構世界を舞台としたジュブナイル小説。「成長」を「欠落」と捉える見方が面白かった。自己内対話的なナイーヴさが鼻につく向きもあろうが、このジャンルと世界観ならば許容できる。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
16歳の少年、七草(ななくさ)は
4日分の記憶をなくし、気がついた時には
なぜか見知らぬ海岸に立っていた。
そこは「捨てられた人たち」の島、階段島。
この島を訪れる人はみな、
その直前の記憶を失くしている。
そしてこの島を出るには、それぞれがそれぞれの
「失くしたもの」をみつけなければならない。
そう、チルチルとミチルが青い鳥を捜したように…。
(船で海を越えようとしても気がつけばまた島に戻ってしまい、脱出は不可能なのです)
島民たちはなぜ不可思議な階段島に閉じ込められているのか?
島を支配するという
誰も見たことがない「魔女」とは
いったい誰で何が目的なのか?
ミステリー要素のある
SF(少し不思議な)な青春小説。
発売当時から一際目を引く
その美しい表紙がずっと気になっていたけど、
表紙のイメージやタイトルから想像する
「切なさ」や「儚さ」を
そのまま真空パックしたような青の世界観は
セツナフェチにはたまらなく魅力的で、
真相を知ったあとで間髪入れずにまた読み返したくらい(笑)
好きなテイストだった。
ただ生きていくだけなら、この島にお金はいらない。
山頂に住む魔女によって管理された島唯一の学校に編入すれば、
学生寮に無料で住め食事も食べられる。
階段島は地図にも載っていないし、携帯は通じない、ネットは情報を受けるのみ(アマゾンを使って通販は可能)。
公衆電話はあるが外の世界には通じない。
階段島という孤島に閉じ込められた設定からして
ミステリーマニアなら飛びつきそうだけど
そこはカムフラージュ。
この作品の肝は
どこか夢の中をさまよっているような浮遊感漂う世界観と
青春の痛みや焦燥感を見事に表現した詩的な文体と、
悲観主義の16歳の主人公、七草の葛藤にあります。
二年ぶりに階段島で再会した、
夢想家で理想主義者、
あまりに一途に正義を追い求めるため周囲に馴染むことができない16歳の少女、
真辺由宇(まなべ・ゆう)の
純粋であるが故の愚直さは美しいと思う反面、
自分がとうに失くしたものを見せられたようで
心がざわついて苦しくもあった。
いつも屋上で読書をし暇をつぶしている、
「100万回生きた猫」と名乗る17歳の不思議な少年。
前髪を髪留めで上げ、いつもおでこ全開なクラス委員長の女子、水谷。
携帯ゲーム好きのクラスメートの少年、佐々岡。
顔を白い仮面で隠したクラス担任のトクメ先生。
子供はいないハズの階段島に
突如現れた
小学二年生の相原大地。
三月荘という学生寮の管理人の男性、ハル。
など、みなワケありの登場人物たち。
中でも毎週日曜日に七草に心情を綴った手紙を送る、
コミュニケーションが苦手な少女、堀が印象に残った。
彼女の不器用だけど切実な心の叫びは胸を打ったし、
ある意味ヒロインの真辺由宇より
僕個人としては魅力��に映ったなぁ。
星と拳銃を重ね合わせたイラストの連続落書き事件。
そしてこの島を出るために
様々な方法を試す七草たち。
主人公七草が「100万回生きた猫」と交わす詩的で哲学的な会話が
どこか寓話的でもあり読んでいて心地良かった。
特にピストルスターという銀河でもっとも大きな星について思い入れを語る屋上での二人のシーンには、
「銀河鉄道の夜」に登場する孤独な少年ジョバンニと友人カムパネルラを彷彿とさせて
二人のイノセンスが胸に沁みること沁みること。
そして決して重なり合うことのない
七草と真辺の恋が本当にもどかしく切ない。
群青色の美しい夜空が
これほど似合う小説もないだろうと思う。
(読み終えたあとにタイトルの秀逸さも分かります)
どうしようもないバカだけど
ずっと変わらないでいて欲しいと思っていた人が
いつの間にか変わってしまっていたら。
群青色の空に浮かぶ、決して手の届かないもの。
ずっと輝いていて欲しかったものが
堕ちてしまったことを知ったとき
僕なら(あなたなら)どうするだろう。
一見有り得ないことが頻発する小説はその幻想的な設定に惑わされがちだけど、
そこに描かれているのは
条理と不条理の間で揺れ動く人間の心だ。
突拍子もない設定の中にも
青春としか呼べない思春期の心の揺れを丁寧に丁寧に描いているからこそ
今この時を永遠に引き延ばそうとするかのように闘争し続ける七草と真辺の
切ない抵抗が胸を打つのだろう。
大人になる過程で
自分が失くしたものについて誰もが考えさせられる儚くも美しい小説です。
村上春樹が描く喪失感や
伊坂幸太郎の「オーデュボンの祈り」の世界観が好きな人、
(なんとなく似てます)
米沢穂信のほろ苦い青春ミステリーのテイストが嫌いじゃない人、
星や夜空を眺めてると心が落ち着く人、
トリックやプロットよりも
物語の中で登場人物たちの心の揺れ動く様を重要視する人にオススメします。
なおこの作品は、
全国の大学文芸サークルが
「この1年に最も輝いていた本」を決める2015年度の「大学読書人大賞」を受賞しております。
★新潮文庫が作った『いなくなれ、群青』のPVがありました!↓
https://www.youtube.com/watch?v=T0pIa41bLmU&feature=youtube_gdata_player
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
まだ薄い、軽い。と思ってしまうシリーズ第1作。相手を尊ぶあまり、その姿を変えてしまうぐらいなら、距離を取る道を選ぶという精神は理解できるのだが、もっと深く、切り込む形で書けたのではないかという気がしてしまう。まぁ導入部だからこんなものなのか。