紙の本
ミステリ<青春
2015/01/27 23:15
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人的には「心を穿つ青春ミステリ」という謳い文句とは若干異なる印象を持ちました。あまりミステリ然とした作品ではありません。また、読んでいる途中は理想主義の少女と悲観主義の少年という対比が中心に描かれていて、正直その他の設定については甘いと感じました。しかし、読後は端正な文章とスッキリした結末を際立たせるためには、その他の描写はあえて控えめで良かったのかなと思い直しました。緻密な作品ではありませんが、澄みきった群青色の青春模様を綺麗に表現した作品だと思います。
紙の本
非常に論理的?
2020/06/20 08:51
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
目が覚めたらなぜか知らない島に飛ばされていて、後で幼馴染の女の子も飛ばされてきた。さて、そこからどうやって脱出するか、なぜ飛ばされてきたのか、という話。展開が非常に論理的なように思えるけど、結局飛ばされたままの状態の方が現実世界の彼らにとっては良いことなのかどうか、よくわからなかった。たぶん少年少女に色々言いたいことがある本なのだろうけど、何を言いたいのかよくわからなくてもどかしかった。じっくり読みなおしたいと思えるほど面白くはなかったから、著者の言いたいことを検証・追求する気にはならず一読して終わり。
紙の本
矛盾しててもいい
2015/10/30 23:07
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投稿者:まつい - この投稿者のレビュー一覧を見る
眩しいから目を背けたくなる。そんな自分に苛立ちもする。でもそれはすべてその人に心動かされずにはいられないから。
誰かを大切にする方法に正解はないよなあと気づかせてくれる作品です。
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新潮文庫のサブレーベル、『新潮文庫nex』の創刊ラインナップから、一番面白そうだったのでお試し買い。
『階段島』と呼ばれる不思議な島を舞台にした青春小説。『島の謎を解く』という主題がストーリーを引っ張って行くものの、ミステリとしてはさほど複雑なものでもなく、ある程度、『島』のシステムが作中に出揃ってしまえば、登場人物の性格の過剰な描写と併せて、仕組みを予想するのは難しくない(この手のストーリーはどうしてもオチの付け方が限られる……)。
普段の新潮文庫より若い年齢層を読者と想定していることは、造本からも伺える。カバーイラストの画風も強いクセがない。キラキラの帯も目を惹く。
……が、新潮文庫のアイデンティティとも言えるスピンを無くしたのは頂けない。スピンだけは外して欲しくなかった……ショック。
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なかなかクセのある設定で、主人公含め際立った特徴を持つ登場人物たちの外連味のあるドラマがおもしろい。
島という閉じられた世界の中で、閉塞感を感じるストーリーなわけですが、それでもスルスルと読めるのは文章のテンポがいいからでしょうか。
個人的には堀さんのキャラが好きですね。報われてほしい。
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捨てられた人が集められる島、階段島。物資は船で届くが人は乗せてもらえない。ネットが繋がり買い物も出来るのにメールで助けを呼べない。壁や鉄格子がある訳でもないのに閉じ込められている。ただ七草はそんな島での生活が気に入っていた。幼馴染の真辺が来るまでは。この島は彼女に最もふさわしくないと感じていた。
ミステリというよりは文学的。無意味なSEX描写が無い初期の村上春樹をもっとラノベ風にするとこんな感じか。魔女が登場したりしてミステリ要素は低いが、文言などが気に入った為面白く読む事が出来た。シリーズ開幕となっているので次作も読む予定。
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あと三回くらい読み返したい。
サクラダシリーズに通ずるキーワードがいくつか散りばめられていたように感じた。続きが気になります。
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【内容紹介】
11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凜々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎......。僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。「階段島」シリーズ、開幕。
河野裕:コウノ・ユタカ
1984(昭和59)年、徳島県生れ。兵庫県在住。グループSNE所属。2009(平成21)年、『サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY』でデビュー。著書に「サクラダリセット」(全7巻)「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズなどがある。
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新潮文庫の新レーベル。ネット上の書評をみると評判が良いものを見かけるのだけど,私は全く駄目。文章は鼻にはつく表現が多いけど下手ではないので最後までは読めましたが,この理解しがたい世界観と主人公の性格は好きになれない。読み返すことも次巻を読み事もないと思う。
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階段島と呼ばれる奇妙な島に暮らす七草。
いつもよりも早い時間に目覚めた彼が、気まぐれで海沿いの道を歩いていると目の前に知った女性が現れた。
真辺由宇
目一杯、理想主義者で気づかないうちに自身を追い詰めている彼女。彼女は決してこの島に来るはずがない女性だった。「捨てられた人たちの島」であるこの階段島に。
階段島に暮らす者は「捨てられた」とされている。「捨てられた」島民は、失った物を思い出せれば島から出ることが出来る。
七草はそんな島で穏やかに暮らしていたが、悲観主義者の自分とは真反対の真辺が目の前に現れたことで、どうしようもなく動かされていくことになる。
独特の空気感の漂う物語。捨てられた人だけが暮らす孤島で、長い階段の先には魔女が住んでいるという世界。
登場人物もそれぞれがクセのある人ばかりで、そんな中に現れた真辺の直線的な行動が羨ましくもあり痛々しく感じられる。
島に住むという魔女の正体と、それぞれが失ったものが何かということを鍵に七草視点で物語が進むが、ミステリという感じではなく、登場人物それぞれの言葉や行動に浸ってしまって気がつくと吸い込まれている感じ。
失ったものが何かという謎が明らかになってからの展開は、それこそ痛々しくて、読んでいるこちら側まで喪失感に襲われてしまいます。
悪くないラストだと思うのですが……これ、シリーズ物なんですか? という感じ。
続き読んでみようか。
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おもしろい!設定が今までにありそうでなかった感じ。
主人公とヒロインがメインになってるからか、他の登場人物は出てきてもさらっと扱われる。
でもたまに重要なセリフをさらっと言い残す。
あとは同じフレーズを何回か使うことが印象的。
読んでいて、夜明け前の海岸線がイメージとして浮かんだ。
澄んでいてきれいなんだけど、どこか不安が混ざるような世界観だなと感じた。
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評価も高く楽しみにしていたのだけど、なんだか尻つぼみな気がする。真由の正義が鼻についたけど後半に「なるほど」と納得はするんだけども・・・・うーん
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もともとファンタジー系が苦手な私が、ブクログで見つけて、更に本屋さんで発見して勢いで買っちゃいました。
読めないことはなかったけど、やっぱり世界観に入れませんでした。
きっとファンタジー好きな人が読んだら、良い作品なんだろうなぁ。
ごめんなさい(T ^ T)って気持ちデス。
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やり場のない寂寞とした気持ちや、諦めのような静けさでつくられた小説。
この静けさに共鳴できて、寂しさがむしろ心地いいと感じるかどうかで人によって評価が変わってくるのだと思う。
最後の最後の結末が中途半端だったことこそ残念だし、これはミステリじゃないよという指摘もある。確かにそうかもしれないけど、結末が衝撃的だとか、話運びが良い悪いとか、そういう評価の指標上にこの物語の本質はないような気がします。
言葉にできないことを表現する一文一文に、とてつもない価値があると感じられる作品だった。
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「僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。」住人の誰もが、なぜ、どうやって、やって来たのかわからない。そこは階段島と呼ばれる謎の島。そこから出る方法はたった一つ。失くしたものを見つけること。失くしものとは一体何なのか?
独特の語り口調、独特な言い回し、それらが作るミステリアスでゆるい雰囲気を全体にまとっている。事件は起ってるけど空気に抑揚がない、物語は進行しているけど進んだのかどうかわからない、全体的にとっても静かで不思議な空気をまとったお話だが、ファンタジーともちょっと違うのかな?ライトノベル版村上春樹という感じ。合う人にはすごく合うし、合わない人は全然だめだろうと思う。かくいう私は、どっちでもない。でもこの空気感は嫌いじゃない。印象的な言葉や心に残る表現も結構あったりして。
諦める事になれていて、一見主体性のないように思える主人公の、内に秘めていた気持ちが分かった時、心がジーンとした。
全体的にきれいにまとまってると思うので、続編はどうやって持ってくるのかが気になるところ。魔女が絡んでくるのかな。