投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
■彼女は静かに活字を拾う。誰かが落とした、想いの欠片とともにーー
川越の街の片隅に佇む印刷所・三日月堂。店主が亡くなり、長らく空き家になっていた三日月堂だが、店主の孫娘・弓子が川越に帰ってきたことで営業を再開する。三日月堂が営むのは昔ながらの活版印刷。活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心が解きほぐされていくのだが、弓子もどうやら事情を抱えているようで――。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
【あらすじ】
川越の街の片隅に佇む印刷所・三日月堂。店主が亡くなり、長らく空き家になっていた三日月堂だが、店主の孫娘・弓子が川越に帰ってきたことで営業を再開する。三日月堂が営むのは昔ながらの活版印刷。活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心が解きほぐされていくのだが、弓子もどうやら事情を抱えているようで――。
【感想】
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「字を拾う」ってすてきなコトバやな。
手がかかるからこそ伝わる気持ち。
みんななにかしら問題や迷いを抱えながら生きてるんやなー。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「活字を拾う」とはこういう意味だったのか、と。
初めて読む作家さんでした。ここのランキングで表紙の美しさと題名に惹かれて。
読んで大正解。所々で涙ありの、ほっこり心温まるうつくしい一冊だった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
移動時の本を探して入った本屋さんで、「活版印刷」の文字に惹かれ、読んだことのない作家さんだったけど購入。
一気読みでした。
話題になってること知らずに、後輩くんにオススメしちゃいました。
ゆっくり、じっくり向き合う時間。
人との距離感。
どちらかというと不器用なキャラたち。
でも、一生懸命。
そうして、ちょっと頑固。
活字を拾う。その仕草と、流れる空気。
どれもが、わたしには心地よかったです。
ずいぶん前のことになりますが、実は、父が旧式の(ものすごく大きな)タイプライターを持ってまして。
活字が並んでいて。
ガチャッ。という音を思い出したりしながら、読みました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
登場人物の気持ちに寄り添って書かれた
優しい文体は とても穏やかな読書の時間を
過ごさせてくれました。
今 私の住む地域に活版をまだやっている
印刷屋さんがないか探しています。
私が昔勤めていた出版社は
もともと新聞社の出版部門で
会社も新聞社の中にあり 印刷部門も
車内にあって 活字を拾う先輩社員の仕事の
大変さも インキの匂いも 何もかも
肌で知っている世界でした。
懐かしさとともに 昔の活字で私も名刺を
刷りたいという思いが強くなりました。
ひとつひとつの短い物語が
三日月堂に繋がる人から人へと渡されてゆく。
そんなつくりも 私好みです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「活字を拾う」
何かの比喩なのかと思った。
「活版印刷用の金属で作った文字の型」という本来の意を知る。
章扉写真に使われている壁一面に並ぶ活字の様子をは圧巻。
活版印刷で刷られた言葉はひとつひとつがまるで星のように輝きを放ち、伝えたい言葉をもって三日月堂を訪れた人々にやさしく寄り添う。
心がじんわりと暖まる一冊。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
昔ながらの活版印刷を営む「三日月堂」。祖父が亡くなり閉店していた店に孫娘の弓子が引っ越してきたことから始まる連作短編。色んな悩みを抱えた人が店を訪れ、店主の弓子はその人達の悩みを掬い上げるみたいに活字を拾っていく。活字に纏わる話というのが新鮮で楽しめた。活版での印刷物って見た記憶がないのだけれど、パソコンで印刷する文字からは感じることのできない味や温かみみたいなものを感じられるのかなと、この本を読むと思える。
言葉や活字で想いを伝えること、言葉の持つ力は強いのだということが胸に沁みて、何度もホロリとさせられました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
“活版印刷”というものを初めて知った。
活字を拾って、紙に文字という影を残すこと。
それぞれの事情や思いを抱えながら
活版印刷でオリジナルのものを作り出す登場人物たち。
親子の絆が深まったり
アイデンティティを見出したり…
過去の思い出にふれたり
自分の家のルーツを辿ったり…
心にじんわり染み入るような、やさしいお話が4つ。
夜空や星といったモチーフが好きなので
『星たちの栞』の雰囲気は特によかった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「レターセット」「コースター」「栞」「招待状」にしたためる言葉に思いを込め、文字を拾って刻んでいく。一話ごとに発注者の視線で、主人公であり受注者である活版印刷店主・弓子さんの魅力が明かされていく。毎日活字に触れていながら、印刷について追究したこともなかった。活版印刷において文選、植字により版組み結束される活字、その膨大な量と手間を窺い知り、惹かれていく。活版当時の古書に漂う存在感の正体が見える。そうか、絶版すなわち解版、組まれた活字をばらしてしまえば、およそ再版などできなかったわけだ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「三日月堂」今はほとんど見かけなくなった活版印刷の印刷所
オフセットでは出ない味のある印刷が出来る
北海道の大学に行く事が決まった息子とその母親
亡くなった伯父から引き継いだ喫茶店のマスター
高校の文芸部の生徒と先生
結婚式を控えるカップル
「活字」に思いを込めた色々な人たちが集まってくる
活版印刷を通じて昔のわだかまりや、想いを解消していく。
自分は印刷関係の仕事についていますがデジタルで全て同じものが刷り上がってくる。
活版印刷をしらない世代なので本を読んで実際に活版印刷というものに触れてみたくなった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
川越の烏山稲荷神社のはす向かいにある活版の印刷所が軸になってるお話ね。その印刷所は三日月堂って言うの。
4章に分かれてる。どれも、登場する人物は少し寂しかったり悲しかったり。どうやって生きていけばいいのかな… 自分って何だろう…。 漠然とした不安があるの。
縁あって活版の印刷物を頼むことになり、自分を見つめて、何に不安になってたのかを知って、それを自分で受け止めて、そして次に踏み出していく… 活版で印刷したものが、勇気をくれる、背中を押してくれる… そんな感じの温かいお話。
表現が難しいのだけど。 静かな優しさ、と言おうかな。とても気持ちのいいものだった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
装丁の美しい文庫本に引かれます。
読んだことのない作家さんの作品に最初に触れるのは、その装丁。この本もその美しさに引かれました。
小江戸と呼ばれる埼玉県の川越の古びた印刷所「三日月堂」に帰ってきた弓子。祖父が死んでから閉めていた印刷所を、ちょっとしたきっかけから再開することになります。
息子の成長と巣立ちを嬉しさの中でさみしさを感じる母親、叔父から引き継いだ珈琲店で叔父の影を追い続ける店主、珈琲店で見つけた活版印刷に生徒と自分を重ねる学校司書、祖母の遺品の活字に導かれて三日月堂を訪れる結婚を控えた女性。
今では珍しくなった活版印刷所を舞台に、4つの物語が紡がれますが、大きな謎や活劇が繰り広げられる訳ではありません。普通の生活の中で、普通に抱える悩みがちょっとしたきっかけでほんの少し幸せになるそんな穏やかな物語です。
活版印刷による印刷物がそれぞれ素敵なアイテムとして登場しますが、押しつけがましくなく、物語にしか現れないそのアイテムがちょっとだけ「欲しい」と思ってしまうのが良い雰囲気です。
素直に素敵な物語でした。続編も出ているようなので読んでみようかな。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
心が温かくなるストーリー。
活版印刷をはじめて知ってその魅力を知った。
不思議ですよね。版も活字もないけれど、印刷された文字はこうして残っている。実体が消えても、影は残る。影が実体になって、いまもあり続けている。
って台詞があるんだけどその言葉がすごく印象残った。
そして、活版印刷のようにあたしの心にのこった。
言葉とは不思議なものだと。
言葉の温かさだったり、伝えたい想いを伝える文字の1つひとつの大切さをこの小説は教えてくれたと思います。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
小江戸川越と呼ばれる情緒溢れる蔵造りの町にひっそりとたたずむ活版印刷の三日月堂。
一度は廃業したけど跡継ぎの女性が営業を再開したことで色んな悩みを抱えた人が訪れ、想いを形にするために活字を拾い、言葉を作る。
印刷することがあまりに簡単な時代だからこそ、その手間暇をかける時間に心がこもるのかな。
短編が4つだったけど一編一編が心温まる話だった。
文字、言葉、印刷の繋がりで「舟を編む」が読みたくなった。