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牧野知弘『不動産激変 コロナが変えた日本社会』(祥伝社新書、2020年)は新型コロナウイルス感染症(COVID-19; coronavirus disease 2019)の拡大によって不動産需要が大きく変わることを指摘した書籍。テレワークの普及によってオフィスビル需要は急減する。Eコマースの拡大によって商業ビルの需要は減る。都心の超高層マンションのメリットがなくなり、郊外の戸建てが取って代わる。
新型コロナウイルス感染症の拡大は旧態依然とした不動産ビジネスを淘汰する。不動産需要は増大せず、供給過剰になる。右肩上がりを前提とした昭和のビジネスモデルは、新型コロナウイルス感染拡大による新たな経済状況に対応できない。これまで以上に消費者や住民を重視しなければならない。
サトウファシリティーズコンサルタンツは、2020年の建築物着工床面積が前年比23%減の9840万m2まで落ち込むと予測する(佐藤隆良「新型コロナが揺さぶる建設市場、「リーマン超え」の着工23%減予測」日経XTECH 2020年5月22日)。
住宅ローン破綻の増加も予想される。住宅ローン破綻が増えると、住宅売却が増え、一層の供給過剰になり、値崩れする。金融機関は住宅ローン貸し出しに慎重になるため、分譲住宅の買い手が減り、やはり値崩れする。
テレワークの推進は不可逆的な動きである。カゴメの山口聡社長はインタビューで以下のように回答する。「今後コロナが収束しても、元の働き方には戻らないでしょうね。みんながフルタイムで出退勤し、密な会議室で会議をし、帰りに1杯といった働き方から、テレワークでできる業務と出社が必要な業務を分けて、双方の働き方を混ぜるといった新しい働き方に移行していくのだろうと思います」(浅川直輝、金子寛人「日本人の野菜不足問題、カゴメにできることは?山口社長が明かすデジタル農業戦略」日経クロステック2020年6月29日)
テレワークの普及はオフィス需要を減少させる。「コロナ禍をきっかけにテレワークや在宅勤務を本格的に取り入れ、オフィス面積の削減に動く企業が出てくるのは自然なことだ」(木村駿「コロナショックでオフィスは不要になるのか」日経XTECH 2020年5月26日)
富士通は国内のグループ会社を含めたオフィススペースを半減させる。この報道後に富士通の株価が上昇した(「<東証>富士通が高い 3年でオフィス面積半減へ」日本経済新聞2020年7月6日)。テレワークを推進し、オフィスを半減すると市場から評価されて株価が上がる。
「一般的にオフィス賃貸契約は半年前の解約予告が必須であることから、今年、秋から冬にかけて、ベンチャーの移転ラッシュが起こるだろう。いずれも、オフィスを縮小する方向だ」(島津翔「さよならオフィス(上) 始まった解約ラッシュ、不要論と対峙する経営者たち」日経XTECH 2020年7月3日)
新型コロナウイルスの感染拡大は経済に大きな影響を及ぼす。世界の株価はブラックマンデーやリーマンショック時のように大きく変動している。日経平均CFDは2020年2月24日に大きく下げた。
13時8分、774円下げて22613円。
14時5分、821円下げて22566円。
CFD; Contract For Differenceは差金決済取引である。証拠金を用いる点やレバレッジが効く点でFXと類似する。CFDでは日経平均の動きに対し、トレードを行うことができる。日経平均は東京証券取引所市場第一部に上場する銘柄で、日本を代表する225銘柄を対象とした株価指数である。
海外のヘッジファンドは情報の透明性に欠ける日本への不信感から、日本の新型コロナウイルス感染状況を深刻と判断して、資金を日本市場から引き揚げているのではないか。
中国の2020年第1四半期のGDPは2019年第1四半期に比べてマイナス6.8%となった。四半期毎のデータが公表されている1992年以降でマイナスは初めてである。中国は日本の生産用機械等を輸入して生産している。このため、日本から中国向けへの輸出の落ち込みが予想される。経済的な打撃は、既に過熱気味と言われており、アフターオリンピックの下落が確実視されていた不動産市況を直撃するだろう。
建築業界ではトイレ倒産が現実味を帯びつつある。今や日本経済は中国を無視して成り立たない。部品が揃わず、マンションの外側はできても、トイレを完成できず、倒産してしまう。
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コロナによって日本人の労働観や住居観が変わり、不動産にも変化が起こると予測する。
情報と交通の発達で都心の魅力はだいぶ前から薄れているがコロナによってさらに拍車がかかり、働き方が変わり、人々は郊外や地方に、本当に求める生活を送るだろう。
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おそらく、著者の予想のある部分が当たって、ある部分が当たらなくて、というのがわかる時期に再読するといいのだろうが。こうあってほしいと人間観察がいったり来たりしている感じがする。
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・立派な経歴の人が書いたみたいなんだけど何だろう、内容がものすごく浅い。
・まず不動産の話が全然出てこない。コロナで社会はこう変わるみたいな話をSNSや無料のネットメディアなんかで散々取り上げられた手垢ベタベタな意見とどうでもいい話の掘り下げで尺を稼いでいる。
・ようやく不動産の話が出てきたけどやはり響かない。読み手に何を言いたかったのかわからない。でもまあこの薄さならそれを期待するほうが悪いなと開き直れる。
・不動産パートは本当にごくわずか。「ぼくがかんがえるあふたーころなのにゅーのーまるしゃかい」みたいな本だなあと思った。
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今の状況を膨らませて書いただけにしか思えない内容です。今後の不動産の状況について特筆すべきところはないように感じます。
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2021/02/23:読了
コロナで、リモートワークでも仕事が回ることをが分かったので、徐々にリモートワークの比率が高くなるため、オフィス需要が減る。出張も減るので、ビジネスホテルの需要は少なくなり、注意が必要。インバウンドもすぐには戻らない、数年かかるだろう。リゾートホテルはその後、需要が伸びる。都市型ホテルや民泊は、無理筋で参入してきたところが退場するし、再出発になる。
はまた、都市型の
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主張が偏っていて根拠がなく、
主張自体も新しいものではない。
著者の会社は、今まで電子化や効率化が全く進んでなくて、よっぽどコロナ前は無駄ばかりだったのだなあと感じた。
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タイトルが誇張しすぎている。内容の5/6がコロナが与える不動産激変の前提であり、一般的に想像できそうなことがツラツラ書かれているのみ。この前提がボリュームはあるものの、薄っぺらく伸ばしていたり、情報のただのまとめだったりして無価値。
しかしながら、最後の本の数ページは読む価値あり。多くの不動産投資の本でバランスシートについて触れられていないのは同意。負債ばかり増やして破裂しないようにすること。
ポストコロナでは個別性が大事とのこと。すなわち、斬新な内装、通信環境、ソフト面等等。
ポストコロナで不動産投資の方程式が変わるとかかれてるが、ここが1番知りたかったところ。答えは求めず、自分で仮説立てた考えるしかないのだなぁ。