紙の本
語り継ぐために
2022/04/01 19:33
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
悲しい宝石のようなアニメ「平家物語」がどのように作り上げられたかを綴ったガイドブック。
この一冊で800年以上語り継がれてきたものの凄みがより伝わってくる。
アニメを見て、そして誰かに語ること。
そうして800年の流れを未来に繋ぐこと。
その果てしない流れの一滴となること。
それがびわの、名も知れぬ琵琶法師たちの願い。
このアニメに携わった人たちの切ないまでの願いでもある。
語り継ごうぞ。
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年明けから始まったアニメ「平家物語」全11話を見終えたところで入手。
未来を見通せる少女びわの目から見た平家の姿、移ろっていく四季の中で、栄え、そして滅びてゆく姿を描いた美しい作品だった。原作となった古川日出男訳はけっこうな厚み、読めばかなり時間がかかる軍記物語が10回そこそこ(実質4時間程度)にまとまるものだろうかと案じていたが、びわというオリジナルキャラクターを置き場面も大胆に取捨選択して、びわとともに平家の行末を見守り祈る気持ちになれ、深い余韻を残す作品になっていた。
アニメの放送を楽しみに待ちながら古川訳や安野光雅の画文集も少しずつ読み進めるこの3ヶ月で、冒頭と那須与一しかちゃんと知らなかった全体像を知り、「〜盛」だらけの名前もよく分かるようになった。これからは平家物語入門としておすすめできる入り口になりそう。
この本は、キャラクターデザインを手がけた高野文子による原案からキャラ設定が固まるまでの変遷、アニメーション監督山田尚子の製作日記、特別対談、絵コンテ集、イメージボードなどが詰まったメイキングブック。
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今年は大河ドラマは「鎌倉殿と13人」だし、「平家物語」のあたり年?
中学生か高校生の頃に教科書で読んで、その「滅びの美学」のようなものに惹かれたことを思い出しつつ、同時並行で、平家と源氏の物語を堪能した。
そしてさらに、その平家の物語の制作の裏側まで覗けるなんて。さらにさらに、高野文子の原画やコメントまでとは、なんと贅沢な。
全部のシチュエーションひっくるめて星5つ。
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アニメ「平家物語」が素晴らしかった
というのが大前提にあるわけですが、
この本もとても良かったです!
主に、キャラクターデザインがどのように出来上がっていったか、と、山田監督がどのように作品を練り上げていったかが、が掲載されています。高野文子さんの原案というのかな、が可愛らしくて。ほのぼのします。
あとは、紙が良いです。装丁が素晴らしいです。帯も。表紙の黒も綺麗。
大満足!!!
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アニメ平家物語のキャラクターや演出がとても良かったので、こちらのメイキング本も購入。赤と黒が鮮烈な表紙。
プロジェクトがスタートしてからの監督日記や、キャラクターの原案や絵コンテなどを通して、制作の舞台裏を見ることができる。時代モノという制約はありつつ、「以前、以後。になるような作品にしたい」という監督の熱意が、暑苦しくはなく、しなやかに伝わってくる内容。
登場するキャラクターはどれも魅力的なのだけど、私はびわと重盛の関係性と、重盛の3人の子たちの成長が好きだったので、キャラ設定がこんな風にできあがったのだなぁと興味深く読んだ。
表紙カバーを外すとキャラクター一覧表が出てきたり、ページのあいまにアニメの印象的なシーンのカットが入っていたりと、ブックデザイン自体も愉しくて美しい。ずっと手元に置いておきたい1冊。
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高野文子のキャラクターデザインの過程が詳しく載っていてよかった。現代劇として見られるように、というのが伝わるのびやかな造形。
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高野文子先生のキャラクターデザイン画がとにかく素敵です。これが見たかったんですー!キャラクターデザインへの先生のコメントもひとつひとつ載っていて贅沢で満足。これらの高野先生の絵を「これは宝です」と表現する山田監督の気持ち、分かる!ってなりました。山田監督と高野先生のインタビューや、美しい背景の設定画まで載っていて読み応えあり。良い本です。
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アニメも見終わった。
高野文子先生原案のキャラクター達がどう成立していったか、また、監督山田尚子氏の作品への心の砕き方といい、その全てがきれいに切なく映像になっていったかが滲みた。
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絵に愛嬌があって可愛い。対談での、コロナ禍のため、インターネットで資料を探して描いていた、という高野さんの言葉には驚いた。
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この作品、実はまだ観てはいない…。でも#高野文子 さんの名前を見つけて、反射的に買ってしまった次第。読んだら、早く作品を見なくちゃ!という気持ち。
なにしろ、高野文子さんのキャラクター原案や総作画監督・小島崇史さんの丁寧なキャラクター設定、高野文子さんと監督#山田尚子 さんのコメントが、見応え&読み応えあって、楽しいのだ。
さらに、高野さんと山田さんの対談なんて、高野文子ファンとしては涎が出る。じっくり読み込んで、作品を見たら、高野文子さんの目線を感じられそう。
そして美術設定やイメージボードがまた、丁寧で美しくて、じっくり見てしまう。
よし、準備万端。見始めます。
多分、これ、古川日出男訳の原作も読みたくなるパターン。