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<目次>
はじめに
第1章デジタル独裁主義の悪夢を阻むにはユヴァル・ノア・ハラリ
第2章mRNAワクチンが切り開く可能性カタリン・カリコ
第3章生命とはなにか?ワイルスとは何か?ポール・ナイス
第4章コロナ後の働き方はハイブリットワークリンダ・グラットン
第5章未来の都市は債3の場所を求めるリチャード・フロリダ
第6章GAFAの勝者アマゾンは医療を目指すスコット・ギャロウェイ
第7章コロナ後のGゼロの世界イアン・ブレマー
おありに
2020/7発行の”コロナ後の世界”の続編のインタビュー本。
2022/3発行。
リンダ・グラットン
P125 ~その人の人生が幸せであるか否かを左右する
最も大きな要素とは、(お金ではなく)温かい人間関係
だったのです。
リチャード・フロリダ
P134 ~都市は人と人がつながるための場所として機能
している~
P140 ~日本の工場は肉体労働だけでなく、一人ひとり
の知識や能力をフルに活用すること、~単に働く場所
ではなく、労働者を一人の人間として扱う新しい工場
だった。
P147 ~第3の場所とは、人と人がつながる場所
(以前はバーは教会、いまは再定義されつつある)
イアン・ブレマー
P185 ~中国はオミクロン株に勝てない
(その通りだった)
P197 米中冷戦になれば、~日本は米中の板挟みになり
日本経済は中国への依存度が高いので、身動きが
とれなくなる~日本はアメリカにつくしかない。
歴史的、民族的~日本と中国はお互いに信用できない。
P209 力の空白が生じた地域で紛争が多発する。
P214 日本こそが米中協調を促していく役割を担う
べきではないでしょうか。
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文字通り、コロナ後の未来について様々な評論家が書いた一冊。
オムニバス形式なので内容にばらつきがあるものの、どれも勉強になった。
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前著が出てたよう(『コロナ後の世界』)。それが、2020年7月だったとは、ずいぶん気の早い話。おそらく、かなり予想や予測を含んだ内容だったことだろう。
2024年の今も、コロナ禍といわないまでも、収束はしてないし、本書の上梓された2022年3月のタイミングでも、未来は、なかなか見通しずらいものだったろう。
その中でも、ユヴァル・ノア・ハラリは第1章で
「個人のプライバシーも健康も、両方とも守られるべきです」
と訴え、第6章で『the four GAFA』の著者スコット・ギャロウェイは、
「アマゾンがこれから本格的に参入するのは、ヘルスケア事業です」
と述べ、奇妙な符合に、ちょっとゾッとする。歴史哲学者が「守られるべき」と述べるのは、それが危機に晒される懸念から。一方、ビッグデータやITを駆使する大企業はその領域へ食指を伸ばしてくるということだ。
COVID-19によるパンデミックは、民主主義体制と権威主義体制の違いを際立たせ、働き方や都市の在り方の見直しを促進し、ビッグデータとAIとの関りを再考させ、なにより個人の意識の改革を促した。が、それは、COVID-19がなくても、いずれは通らなければならない道だったのかもしれない。
それを早めたこと、全世界的に認識させたという点で、もしかしたら、コロナ・パンデミックは僥倖だったのかもしれない。
「このパンデミックに良い面があったとすれば、自分はどのような人生を生きたいのか、きちんと自分自身に問うようになったことでしょう」
と述べたのは第5章のリチャード・フロリダ教授。世界で最も有名な都市経済学者だ。
その問いに対し、行動を起こさない者、コロナ以前の暮らしに違和感を抱かぬまま戻っていた者は、淘汰されることになるという警告の書と受け取った。