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投稿者:あゆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
商売人の若夫婦が持つ土地を欲しがった大店の主が居た。その土地を策を弄して取り上げた。妻は借金返済の為に体を売り、最後に夫が逃げ、若夫婦は離散。妻は死に際に、全ては策だったと知り、怨念を自分の髪の毛に遺して死ぬ。その髪の毛を土地を取得した大店の跡継ぎが祭っていたのが、ひょんな事から表に出る。その髪の毛を封印するために太一郎初めお馴染みの皆塵堂のメンバーが走り回る話。なかなかの読み応え。怨念満ちた品を封印するのかと思いきや、その怨念を成就させてやる話となり、恨みや怒りをそこはかとなく明るい気持ちへと変換していく作者の腕はさすがです
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怖くて、そして切なくてやりきれなかった。
おこのさん、、、
太一郎の能力もすごいけど、峰吉が末恐ろしいw
今後、伊平次の過去も語られる日がくるのかな。
次作もありそうだし、巳之助メインにして、猫たちの活躍が見たいなぁ。あ、でもそうすると太一郎が力を発揮できなかったりしてw
溝猫長屋シリーズの番外編っていうのもいいなぁ。
(あくまでも猫メインw)
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太一郎ちゃんがめちゃんこ人間味ある話だった。大好物です。
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今回新しい人が出てくるわけではなく、
既存のメンバーで、前回はちょっとしか出番がなかった太一郎ちゃんが主要になっているお話。ひさびさに活躍する太一郎ちゃんが見れて、太一郎推しのわたくし感無量でございます。
輪渡さんありがとうございます!!!
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皆塵堂シリーズの最新作。
今回メインを張るのはの遊び人の茂。ダメ人間は円九郎にお株を奪われている感があるので、久々に登場したら結構しっかりした人になっていたような印象。考えてみたらそんなにダメな描写の人物でもなかった気がする。猫も助けてたしな。
いい意味で相変わらずのストーリーで安心。強いて言えば、増えすぎて収集がつかなくなった猫はいったん打ち止め宣言くらいでしょうか。たしかに増えたからと言って猫が減っていく描写はみたくない。人死にの描写よりも抵抗あるな。ある意味。
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シリーズ第九弾(一旦完結→再開を経て)。
酔った勢いで祠の戸を開けて、封印されていた箱を開けてしまった茂蔵。
中には女の髪が詰められていて、なんとその長い髪が茂蔵を襲ってきて・・・。
基本ユルいのですが、怪異描写は何気に怖いこのシリーズ。
襲う髪の毛は、不幸な目に遭って自害したお此さんというおかみさんの怨念との事で、茂蔵と皆塵堂メンバーがその怨念を残す魂を救うべく行動します。
今回は、太一郎が割と前面で活躍してくれて嬉しかったです。
なるほど、やけに件の箱を取り戻すのがノロノロしているなと思ったら、“敢えて襲わせて”いたのですな・・。
太一郎ってば、こういうドライな面もあれば、猫が苦手なのにやたら好かれて困っているところとか、そのギャップが好きですね。
猫が好きすぎる魚屋の巳之助や、食えない小僧・峰吉、材木屋のご隠居で家主の清左衛門さんも安定のキャラで楽しませてくれます。
そして謎の多い皆塵堂の主・伊平次が元植木屋で弟がいる事が判明(以前にも触れていたかもですが、全然覚えていないww)。
と、いうことで(?)個人的に今後、伊平次を深堀してほしいと思った次第です。
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この手の主人公は、無駄に親切で善人で熱血漢なので、例え相手が悪人でも、呪いや祟りの被害にあいそうな時は全力で阻止するものだけど
そうじゃない所が流石のこの作者
そう言う所、嫌いじゃない
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曰く品が集まる古道具屋皆塵堂シリーズ第9作。
あとがきにある通り、シリーズが『しれっと』再開してからは第二作となる。
今回はいつもと趣向を変えて、新規の登場人物はなし。
元遊び人の茂蔵が酔った勢いで祠にある木箱を開けると、中には長い髪の毛の束があり、それが襲って来た。慌てて元に戻し逃げ帰るも、翌朝祠からは木箱が消えている。
ホラー部分は怖いのだが、それを上回るコメディ要素とテンポの良さで楽しく読める。
最初、茂蔵と円九郎がごっちゃになっていた。二人とも小者感たっぷりだし『巳之助に逆らえない男』なのだが、茂蔵は聞き込みは上手くやっているしチーム皆塵堂に上手く溶け込んでいる。ちょっと外して巳之助に睨まれたり殴られそうになることもあるが、そこはご愛敬。
巳之助といえば、相変わらず猫好きは変態レベル。猫好きネットワークはますます拡がり、巳之助が知らない人は猫好きではないか、江戸にいないかのどちらかというほど。
そして巳之助が毎年楽しみにしている猫の赤ちゃん誕生の季節が近付き落ち着かない。
逆にそれを地獄のように恐れているのは巳之助の幼馴染みで銀杏屋若旦那の太一郎。こちらも相変わらず猫が苦手なのに猫には異常に懐かれている。
一方で彼の、幽霊やその手の物を見る力は更に強くなっているように見える。死神に憑かれた青年を『祟り婿』で出てきた曰く品で作ったもので救うという新しい技も見せている。
峰吉はいつも通り異常な五感と商売魂とシニカルさを見せているが、珍しく店主・伊平次に買付をやらせてくれと頼んでいて、彼も出世欲があったのだなと安心する。
また伊平次も怠け者の釣り好きではない顔を少し見せている。ご隠居の清左衛門は店番にお財布にと良いように使われているようで最後は上手く締めていた。
肝心のホラー部分については太一郎と同じように見守るのみ。むしろ髪の毛の思いを遂げさせてやりたい気分だった。
茂蔵が何故巻き込まれたのかは後に分かるが、そのせいで茂蔵は『けちな遊び人』ではなく『一段上の遊び人』を目指すことに。根が小者の茂蔵に出来るかどうかは分からないが、身近に目標が見つかったようだ。
再びあとがきにて、猫増えすぎ問題は作家さんも反省しているようだ。太一郎が猫に押し潰されないためにも、少しは抑えてくれるとありがたい。
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皆塵堂シリーズ第9弾。
今回は前にも登場した茂蔵の話。酔った勢いで祠の中に入っていた箱を開けて封印されていたものを出してしまった彼は、怪異を止めようと皆塵堂の面々とともに箱を探すことに‥
真面目になったがやっぱり遊び人にも憧れる、ちょっと間抜けな茂蔵のキャラがほっこりしていい感じ。ストーリーとしては封じられていたものの来歴とその行方を探して右往左往する話だが、太一郎や巳之助も活躍して面白かった。
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祠に封じ込められていた不幸なおかみさんの怨み。茂蔵がうっかり封印を解いてしまう。怨みの矛先はどこへ?(e-honより)
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古道具屋皆塵堂シリーズ、9作目。
今回は皆塵堂に持ち込まれた曰くつきの古道具にまつわるものではなく、巳之助の子分の茂蔵が開けてしまった箱をめぐる怪異噺。
怪異描写は相変わらずの結構な怖さだけど、皆塵堂メンバーのセリフ回しが楽しくて楽しくて、スルスルと読めます。やっぱりこの皆塵堂メンバーが一番好きだな。今回、箱に封じられた髪束に込められた怨念をどう始末つけるか、ですが、実に太一郎らしい始末で良かった。単なる怨霊退治にならず、霊を見ることができる太一郎だからこその采配かな。それをちゃんと汲み取ってあげる伊平次もさすが。
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本作では新しい登場人物はなく,皆塵堂に居候することになるのは巳之助の弟分,茂蔵である。
「朽ち祠」
茂蔵が以前の遊び仲間との花見の宴の帰り道,ほろ酔い気分で歩いていたところ奇妙な祠を見つけて,つい扉を開けて,御神体が入っていると思われる箱を開けてしまう。するとそこから女の髪の毛らしきものが飛び出して茂蔵を襲った。「パキッ」という音とともに攻撃が止むと,髪の毛は自ら箱に戻ったので,茂蔵は蓋をしてしっかり紐で縛って祠に戻した。
しかし髪が箱から出たときの不穏な気配を遠くで太一郎が察知していた。
「髪絡み」
翌日再び祠を訪れると,箱が消えてしまっていた。皆塵堂チームは箱探しを始める。茂蔵はことの発端を作った責任から箱探しに加わることになり,その間皆塵堂に居候することになった。
太一郎が気配を感じた店に行ってみると,店主の八べえが梯子から落ちたところだった。その時足に黒いものが絡みついているという証言が出ていた。八兵衛はその後死亡し,葬儀が終わってから訪ねて箱のことを尋ねると捨ててしまったという。捨てられたゴミはすでにそこにはなかった。
「死神憑き」
太一郎が気配を感じた戸倉屋に古道具の買い取りを装い訪ねてみると逆に相談を持ちかけられてしまう。跡取り息子が死神にとりつかれたようで,自殺を図ったり死にたがっているという。息子の件を解決するのと引き換えに戸倉屋からなんでも譲ってもらえるということになる。皆塵堂チームはそれぞれ息子・喜三郎に生きる気力が湧きそうなものを持ち寄ることにする。巳之助はうまい魚,峰吉は高さの違う枕をたくさん,茂蔵は大量の枕絵を持ち寄った。そして太一郎は連助の件で宮越が折った刀から作ったという小刀を渡す。それで自殺を図ったらどうするんだという周囲の心配も気にする様子はない。
「髪つき首」
茂蔵はひとりではこの行方を追ってとある道具屋を訪れる。すると,箱は確かにあったが売れてしまったという。買った男の話を聞いて追いかける。次のところでもすでに転売されており,「八助」という男が買っていったらしい。その名前に危ういものを感じるが,緊急性があると思い一人で八助の家に向かうと...。
「花の祠」
太一郎は箱の最後のターゲットと思われる店を訪ねる。