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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
俳句の番組が民放でもやられたりして、短歌や俳句も一般的になった。というか、わからないなりにも詠んでみたりするようになったね。自分は採点されたこともないし、たぶん才能なしなんだろうけど、たまには詠んでみたい。
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東直子(1963年~)氏は、広島県生まれ、神戸女学院大学家政学部卒の歌人・小説家・イラストレーター。歌人集団「かばん」所属。歌壇賞(1996年)、坪田譲治文学賞(2016年)受賞。NHK短歌選者。歌壇賞、角川短歌賞選考委員。歌人としてのデビューは遅いが、俵万智、穂村弘(共に1962年生まれ)と同世代である。
本書は、公募ガイド社の雑誌「公募ガイド」(現在季刊)に2015~21年に連載された「短歌の時間」の入選作をまとめたもの。掲載されているのは、79の題またはテーマについて各9首(雑誌掲載時は15首)で、計711首。また、各1頁のコラム54篇も加えられている。
私は1年ほど前から歌を詠み始め、新聞歌壇に投稿しているのだが(複数回の入選もある)、これまで、穂村弘、俵万智、東直子、木下龍也、岡野大嗣、枡野浩一、九螺ささら等の歌集や短歌入門書、現代歌人のアンソロジーを読んできた。
本書のような、短歌投稿の入選作をまとめたものでは、『短歌ください』、『短歌ください 明日でイエスは2010才篇』(ともに、穂村弘の雑誌「ダ・ヴィンチ」の連載を書籍化したもの)を読んだが、正直なところ、50を過ぎた私には、「短歌ください」の入選作は感覚の違いが大きく(本書での東氏の言葉を借りれば、私には「新鮮」過ぎるということか。。。)、それに比べると、本書の入選作は、(もちろん、素晴らしい歌ばかりだが)自分の感覚で付いていけそうなものも多く、作歌のヒントになりそうな気がした。
また、54のコラムもとても参考になった。例えば、「こんなの自分だけしか考えていないかも、と引いてしまわず、その点を思い切って主張するように表現するといい」、「短歌を読むときの速度を落としたいときはひらがなを多く使い、早めたいときは漢字を多用します」、「ネガティブな部分とポジティブな部分の両面があることによって、気持ちに揺らぎが生まれ、そこに新たな情感を含む詩が立ち上がってくる」、「詩歌の言葉は、実は少し、あるいは大分、不親切な方がいい・・・一体、何が起こったか分からない、知りたい-。この「知りたい」と思わせる部分に、詩としての広がりがある」、「いったん覚えた言葉の知識を忘れて新たに自分の言葉でそれを表現する、つまり言葉を異化することで自分の表現が見つかることもある」等々。
尚、本書では、(後に?)歌集を出す、九螺ささら、五十子尚夏、木下侑介、toron*らの歌が、繰り返し選ばれている。(私が現在投稿している日経歌壇の常連、風花雫、芍薬、各氏も多数選ばれている)
(2022年5月)
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鳥、窓、恋人、袋、ロボット、宇宙、スポーツなど、様々な言葉を「題」にした「題詠」と、その言葉から連想される世界を描いた「テーマ詠」を掲載。エッセイや短歌についてのコラムも収録。『公募ガイド』連載を加筆し書籍化。
様々な発想の広さに驚き。
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「今」「島」「ゲーム」「回転」「階段」「透」「計画」「明」「休暇」……などなど、全部で79種のお題に基づいて詠まれ、公募にて投稿された全711首(!そんなにあったのかと読了後びっくりした)と、東直子さんによる評、そのお題に基づいた東さんのコラムで構成されている。
コラムでは公募以外に東さん自身の歌や様々な歌人の歌を連れつつ、短歌について解説してくれる。
表紙を見た時点で、その柔らかい雰囲気がわかると思うのだが、中の装丁もとても柔らかくかわいらしくて素敵だ。お題ごとにそのお題を表したイラストも(白黒。カラーで見たかったなぁ)添えられている。
表紙含めそれらのイラストも東さんが手がけたものとのこと。東さん成分いっぱい。
こうして楽しく、それでいて濃密な「短歌の時間」に招待されるわけ。
とても濃密だった…短歌って思ったより自由で幻想的なのだなぁと楽しんだ。
公募の歌の、東さんの評を読んで初めて、そういう味わい方もあるのか〜と全然見えてこなかったイメージが見えてきたり、読み進めてちょこっと慣れてくると、わたしはこの歌こういう解釈の方が好きだな〜と勝手に思ったり。
こっそり自分で詠んでみるのも楽しいかも。
投稿者の中には、歌集を出した人もいるとのこと。
それはもしかして…と素敵な歌をたくさん歌っていたのに途中から全然出て来なくなったある方の名前を検索するとヒット。
ひやー、ロマンだなぁ。
選ばれなかったけどほんとは載せたかったという、ここには収録されていない歌たちも気になる。
711首もある!と思ったけど、一題につき1000首ほどあったと聞くと711首しかない!と思ってしまった。
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夏休み⑤
東さんはひとえに、(共感)と(発見)を短歌に求めているのだなぁ、シンプルでわかりやすいと感じた。
わたしは、やっぱ下の句でばーんと撃たれるようなギャップがある歌がすきだなあ。
目の中に光る氷を射抜かれて崩れてしまう私、もう水/真篠未成
ごみ袋 そこに詰まっているものはすべて等しくゴミとする神/菊池優花
球体のどこを斬っても丸になる あなたは恋をしているのです/五十子尚夏
お日様に敬礼をする人々をつぎつぎと産み出す地下通路/寺井奈緒美
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学生のときに少しの期間
投稿していたときがあったけど、
いい!って思うものができる
ことなんてそうそうなくて。
さすが皆さんすごい上手でした。
常連さんが結構おられました。
さっきもこの方のだったなみたいな。
どんな人が詠んだんだろう、
どんな人か見たいなと思いながら
読みました。
表現が素敵だったり、切なくなったり
そのシーンが浮かぶような描写
だったり、勝手に場面を想像したり。
こんな短い文で伝えられる
能力に感嘆!
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胸がキュンとしたり、幻想的な風景にじーんときたり……やっぱり短歌は様々な感情を味わえるな~いいなあと思った。たった一文字でも様々な発想の膨らませ方があり、勉強になる✨イラストもすごくかわいい…東直子さんって歌人であり作家でありイラストレーターでもあるのか。すごい。