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2022/07/21 16:41
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
長崎県の離島・松乃島で生まれ育った友麻は高校に進学のために寮生活を送る。友麻は夏休みに松乃島に戻ると一人の男性と知り合う。西谷という発電所で働く男性で友麻の母と父のことを知ってたのであった。父が死んで母も失踪してしまった友麻はショックを受けるが・・・・・。
多感な高校生に母の失踪や島の風習に巻き込まれるとは、気の毒な話ですね。ただ、人を疑わずに真っすぐ育った友麻には好感が持てました。
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なんだこれは。
宮木あや子だけど、A面でもB面でもない、新境地!?
A面にしては、優美な官能が足りないし、B面にしては現実感が足らなすぎる。
現代の話だし、B面の派生系みたいな感じだと思うが、長崎の五島列島の風景とエステ科のある高校での寮生活というのが自分とはあまりにもかけ離れた世界なので、現実感がなさすぎる。
そして、宮木あや子なのに一切エロがない、これはどうしたことか!?
がしかし、爽やかな、でも大人の階段を登っていく少女の青春小説としてはとても良かった。
子供は、周りの大人が今まで思っていたほど完璧ではなかった、と気づいたときが大人になる時だと思っている。
友麻のように複雑な家庭環境だったりすると、それに気づくきっかけが人より多いかもしれない。
作中で彼女は恋をするが、それはもう、恋というよりは愛ではないか。
キリスト教で言う、エロスではなくアガペーの愛。
確実に初恋ではあると思うが、初恋にしてアガペーの境地に至ってしまうのはすごい。
続編が読みたい。
もっと大人になった友麻が、エステティシャンとしてバリバリ働く友麻が、エロスな恋をするA面バリバリで続きが読みたい。
変態は出てこなくていいけど。
相手は、享ではなく、もっと現実感のある誰かがよい。
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青春小説ときいて、センチメンタリズムがちりばめられた物語だったらどうしようと思いつつ読んだが、なかなか骨太な小説だった。
長崎の離島で育った友麻は、エステティシャンを目指す生徒が通うエステ科で学ぶが、父は亡くなり母は失踪中で、奨学生(家が貧しくて学費が払えない)で寮生だ。人との距離の取り方が島出身者特有で、直接的な物言いや振る舞いが時に同級生たちをぎょっとさせるが、皆に温かく見守られながら高校生活を送っている。
真っ直ぐで人を羨んだり嫌ったり、恨んだり、警戒したりすることを知らなかった友麻が、初めての感情に戸惑いながら前に進んでいくさまが、清々しい。
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それぞれ色んな悩みを抱えている主人公や友人だちが、お互いに支え、時には傷つけ合いながらも成長していく姿が懐かしく、高校時代に戻りたいと思った。