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処女作を読んでみました。
前から面白いって薦められて友人から
借りようとおもったんだけど
なかなか借りる時間が合わず買ってしまいました。
それはそれは、期待通りの作品です。
冒頭からのいきなりのギャグとか
町田康ならではの笑いが満載です。
貧乏で(どれも貧乏)不幸だらけだけども
本人の考え次第で前向きに歩んでいけます。
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『くっすん大黒』…自立できない金属製の大黒を捨てに行く話。チャアミイ。蛸アーティスト。『河原のアパラ』…謎の入れ墨男の遺骨を届ける話。フォーク並び。うどん。天田はま子。主人公の行動は突飛なようで妙に「普通」な感覚を持っていて笑える。つまり共感できたし面白かった。
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超楽しかった!飛び方とスピード感がすごい半端無い。今まで読んだ町田さんの本の中で一番好きだな。こんな面白い人だったのかと思った。ほかのも選り好みせずに読もう。
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何とも言えないくせがあり、力が抜ける。
表題のくっすん大黒は、正直理解不能でわけわからんかったが、後半の河原のアパラは、町田康の文章に慣れたためか、ちょっとおもしろかった。
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デビュー作。
妻に出て行かれた後、家にある不格好な大黒様を捨てようとうろうろするが、大きすぎて捨てにくい。3年もごろごろ暮らし、若い頃は美形だったが、鏡を見るとむくみきった顔に気づく…
饒舌な語りでどんどん話を転がしていく。
行き当たりばったりの生活で奇妙なことに巻き込まれるが破滅型というのとちょっと違う?笑えます。
作者は1962年、大阪生まれ。高校時代より音楽活動、82年詩集発行。95年、この作品で芥川賞候補に。
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落語みたいで面白い。
スラスラ読めて、ストーリーの考え方の勉強にもなって、よかった。
っていうか落語、まさに落語。
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読んだあとは思わずおおブレネリを口ずさんでしまう。紙一重のユーモアセンスが素晴らしい。チャアミィのインパクトがもうすごい。天田はま子もすごい。みんな狂人みたいなのばっかりで、そんな奴らを主人公は狂ってる、というのだけれど、当の主人公もどこかおかしい。
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町田町蔵が町田康になった瞬間。
既存の文学、というかより古いものを下地にしているにもかかわらず、このスラップスティックな展開は凄すぎる。
「亀を焼く」なんて発想を思いついた彼の頭の中が知りたくてしょうがなかった。
そしてこの笑いの底にあるのは、道徳や法律という「不条理」の中を生きる人間の中に潜む狂気なのかもしれません。
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「くっすん」っていう言葉がかなりキモチ悪くて‥
たいして読みたくもなかったけれど「くっすんの謎」を解くべく、読みました
ダメ人間×2が、その日暮らしをしているお話。
‥ダメ人間のお話はそもそもあんまり好きじゃないのでやめようかとも思ったんだけれど‥
‥結局関西弁がやっぱり好きならしい。私。
ところどころが関西弁で(まぁその他の字面が標準語な部分でも、町田さんの中ではイントネーションは関西弁なんだろうけれど‥)、
なんだかほっこり。
バイト先のおばはんの話とかかなり怖かったけれど‥(笑)
なんだか関西弁に釣られて読み進めてしまった。
まぁとにかく、今度生まれ変わったら関西人になろう。
最後の亀の大往生がかなりグロくて、「もうここで読むのやめよう」と思った
‥とはいえ最後の数行ですから‥
読みましたけれど‥
やっと「くっすん」の意味がわかったんで、
「なんとかアパラ」の方は読まずに本棚の奥へと格納される予定です。
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言葉使いが独特。点の使い方、語尾の言い回し、めちゃくちゃなストーリーとリアルな人物観察。おもしろい!
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主人公のちまちましていてクソ真面目な怨念がウケル。。
重たい思考回路を笑い飛ばしちゃうような優しさも感じる。
滑稽滑稽
ハマコみたいになりたくないね。
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初めての町田康がこれ。それで? って感じで、意味が理解できなかったけど、多分もうちょっと後で改めて読んだら解るような気がしないでもない。文体はかなり好き。
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チャアミイ怖い!狂気すら感じる!
表題作も『河原のアパラ』も、どうして出てくる女性はみんな狂っているのか?
狂っているのは「自分」なのか?
これ読んで「作家・町田康」にハマりました。
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2024/03/7再読
くっすん大黒と、河原のアバラ、二篇収録。
◾️くっすん大黒
町田康本人がモデルと思われる男、楠木。
かつては美男子だったと述懐するが、いまは酒ぶくれで目の下もだるだる、仕事もせず妻に養ってもらっていたが、その妻も先日出て行ったきり帰ってこない。金もないから酒も飲めない。乱雑な自室に、大黒様の置き物が転がっている。バランスが悪く自立できないくせに、にやにやと笑っている。なんやこいつ、腹立つ。捨てたろ。
捨てに行くが、周囲の目もありなかなかうまくいかない。不法投棄を企てるシーンは、梶井基次郎の檸檬を彷彿させる。しかし結局いろいろあって捨てられない。そうだ、菊池に買い取らせよう。
菊池は親からの仕送りでぶらぶらしている大学生でふざけた野郎だがその生活ぶりは自分と酷似しており、数少ない友人である。
菊池の家へ。菊池は大黒はいらないというが、まぁ飲もうぜって飲む。
2人とも金がない。金策のため菊池の知り合いのバイトへ。しょぼいブティックのようなところで店員をすることになるが、訳の分からん店長のババアと常連のババアにむちゃくちゃにされ、バックレる。
続いて楠木に仕事の依頼。ある芸術家のドキュメンタリーの聞き手をやってくれと。かつてバンドや映画出演などしたつながりでたまにこういう仕事がくる。渡りに船ってんで、菊池をマネージャーとして従え仕事へ。
芸術家の名は上田京一。オブジェやら写真やらを作る。上田に心酔する桜井という女、その補助役の椚沢などとともに上田の活動している街へ。しかし上田本人は行方不明だという。関係者へのインタビューをしてまわるが、みな、あいつは詐欺師だのなんだの言って、桜井の求める言葉は出てこない。上田がかつて使っていたというアトリエに行くと、桜井のように上田に心酔する弟子の女たちがおり、彼女らはまさに桜井が求める上田称賛の言葉ばかりを吐いてくれた。いやに盛り上がって、楠木たちはアホらしくなりその場を離れる。
楠木と菊池は、浜辺を散歩する。ドブに溜まった亀を都合8匹捕まえ、焚き火に焚べてみる。逃げ出すかと思ったら、亀はパンパンと爆発してしまった。亀って爆発するのか、知らなかったとかなんとか言ってる2人。
そこに上田が現れる。どうやら桜井と弟子たちがケンカをして傷害事件を起こした。上田は桜井を見舞うが、2階から飛び降りて怪我を重ねてしまったとのこと。
上田は、ここで起きたこととか誰にも言わないでくれという。
なんでそんなことせなあかんのといいつつ、楠木は、おれらまだギャラ半分しか貰ってないんだけどと言い、菊池の機転でやや多めに上田からギャラをもらい、仕事終了。
浜辺で木の棒を持って寝転ぶ楠木をみて、菊池は、あんたあの大黒みたいだなと笑う。楠木だからくっすんてあだ名はどうだと進言する。いやだよ馬鹿野郎。そうか。
ふたりは自立しない大黒の物真似をしつつ帰る。
相変わらず乱雑な自宅に帰った楠木は、豆屋になろうと思う。どうやったら豆屋なんかになれるのだろうか。彼は鉢巻を巻き大声で叫んだ。豆屋でござい。わたしは豆屋ですよ。なんて。
おわり。
◾️河原のアバラ
うどん屋で働く3人。主人公、淀川五郎、天田はま子。主人公と五郎は仲良し。天田は極度の吝嗇で頭がおかしい。
ある日、天田が猿を連れて出勤する。(ほんまこの人うどんとか猿とか好きやな)どうも出勤前に一目惚れして購入、そのまま持ってきてしまったらしい。邪魔なとこに置いたまま働き始まる天田。いやいや、そんなん飲食店であかんやろと問い詰めるがこれを無視。なんやかんやしてるうちに猿は逃げ出し厨房を飛び回る。主人公がちょっと棒でこづくとあっさり落ちた。うどんの茹で釜に。そして猿は死ぬ。店は猿臭く、うどんなど作れない。
天田はあろうことか、悲しむ前に猿の代金を請求する。主人公は激昂し、天田を殴り倒す。天田はさらに病院代を請求し、主人公はさらに殴る。
翌日、五郎から速達が。
「前略 元気ですか 天ハマが極悪です やべぇから逃げろ レンラクください ゴロー」
電話で詳細を聞くと、あの後天田は警察を呼び、自分の被害を盛って申告した。主人公は警察に追われることとなる。
しゃあないので、五郎が紹介してくれた変な格安物件に逃げる。
そんでまた、五郎の言うところ、その物件にかつて住んでいた男、津山幸男はちょっとした知り合いなのだが、死んでしまったという。そしてその妻?が、死んだ男の部屋の整理および遺骨を実家へ運んで欲しいという。謝礼も出ると言う。っつーことで2人で車で行くか、と。五郎が先輩に借りたシボレーで。
人気のない、民家もないところで迷い、うーんと唸り、河原で連れションをしているところ、極彩色の刺繍を施したつなぎを着たジジイに遭遇。ちよい話すと、その遺骨男の兄だという。うちへこいと。歩いた方が近いから車は置いてけと。
行ってみるとしかしこの男は気が狂っており、何らかの内臓肉で焼肉をやろうとし、しかし焼けぬまま上に上に肉を足すので下は丸焦げ上は生という地獄の焼肉で、妙な踊りを踊り、さらには遺骨をまき、焼肉にもふりかけ、供養ですから食ってくださいという。いや食えるかい、と思う2人だがどうも逃げられない。すると男は、酒を買ってくるから待ってろとどこかへ。しかし帰ってこん。様子を見に行くと、シボレーがない。あんにゃろ盗んでったか。
どうにもならないので歩く。3キロほど歩くと、あら?本来行こうとしていた住所に辿り着いてしまった。しかも目の前の家の表札が津山である。もしかしてあのジジイ、全部嘘か。
とりあえずその津山宅にすんませーんって入ると男がガラスを切断する作業中。事情を説明すると、ああそうですか、死にましたかと軽い。遺骨ももういいという。それよりおれの仕事ぶりを見てくれと言わんばかりにガラスの加工の続きをやる男。しかし調子に乗っていたら思い切り親指を切ってしまい鮮血が。主人公と五郎は、お暇する。
なんか食うべってまた歩くと、どうやら色街である。ふたり、それぞれ楽しむ。
そんでまた歩く2人。拾った新聞には、天田はま子さんが何者かに殺されたという事件の記述が。因果応報だぜ。
また河原で談笑する2人。五郎が誤って、鮒かなんか腐った魚が積み上げられたところに手を突っ込んでしまう。くせぇ、助けてくれ。対岸ではなにか映画の撮影隊らしきものたち。演技��うまいのに間に下手くそなオペラのようなものを挟み歌う男女。腐った鮒とオペラに挟まれ爆笑する2人。
おわり。
こう書くと、ほんまに無茶苦茶やな。
しかしだいたいこの通りである。それでもこの本がおもろいのは、町田康の文章がすごいからである。あらすじだけ読んでおもしろがれるものではない。とにかく読むしかない。
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町田康デビュー作。表題作のみ読了。以前読んだ03年の短編集に比べると幻想性が薄くて、ただひたすら荒唐無稽な感じ。チャーミィのくだりと、亀が爆発する所が好き。