紙の本
航空部隊を使う側からの視点
2020/05/07 17:51
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投稿者:能登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者の前刊「砲兵から見た世界大戦」に続いての軍全体、戦争方針や軍備の面からの視点で書かれたシリーズと言えるだろう。
いままでは航空部隊の専門家、航空部隊から見た個別の作戦、戦闘史といったものがメインであったが、「戦線における制空権奪取に充てる航空部隊」「攻略作戦を成功させるための部隊整備」といった切り口からの再評価は非常に面白く、語弊を承知で言えば、パイロット達から「無理解、無定見のエライさん」と片付けられていた層の視点から描かれた作品と言えるだろう。
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古峰文三さんの歴史群像での記事をまとめ加筆修正をした本です。航空戦馬鹿!と言われることがあるとはご本人の弁ですが本書ではWW2における有名な戦闘を空から見直し、定説となっている事を再評価されています。誰もが知っているノルマンディーでのヴィットマンはどうしてヤーボに攻撃されなかったのか? しばしば都合よく忘れられてしまうドイツ空軍の健闘が浮かび上がります。丁寧な分析、定説に惑わされない姿勢にはいつも唸らされてしまいます。できれば、Blogに掲載されていたWW1のお話や冷戦時期にソ連軍の核搭載爆撃機をどうやって迎撃するつもりだったのかを書いた記事も含めた続編を出して頂きたく思います。
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歴史群像に連載していた者ではないかと思う。本土防空戦は読んだことがあった。
通説をもってきて反論するのは著者の手法で、ああこれは面白いなと思うことが多かった。
B-29無敵論に対する反駁は理路整然としている。
また機体性能の優越だけではなく、運用環境まで言及して兵器を包括的に考える姿勢に共感します。
第一大戦の航空戦、「レッドバロン」の記事もあり興味深かったです。
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今までの認識が180度変わったのが、日本陸海軍のフィリピン決戦。当初はルソン島での持久戦だったのが、方針を変えてレイテ島に橋頭堡を築きつつあった米軍を追い落とす作戦に変わったこと。更に十九年年末にはレイテ島の制空権を奪取しつつあるのではと、前線航空隊では感じていたという。そこにはシステムとしての搭乗員と機材の補給が考えられていた点も、新たに知ることが出来た点でした。