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表題作も良かったけど、特にお気に入りなのは「銀の船」。
特殊な世界のルールを作るのが上手いよなぁ。独自のゲームもやりたくなってしまう。
神様の気まぐれでたまに客に紛れてるくだりが良かった。オチも好き。
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2022年、3冊目は、恒川光太郎の編集モノ。単著未収録の短編、掌編、11編収録(3編は、アンソロジーで既読)。自分はランダムに読みススめました。
今回は、気になったモノを幾つか紹介。
白昼夢の森の少女:表題作。植物に侵食された少女の話。人と植物(樹木)との時間感覚、死生感の違い。
傀儡の路地:ドールジェンヌ、彼女が抱えた人形の言葉には、どんなに理不尽でも、抗うコトが出来ない。個人的感覚だが、ラストに向かい、主人公の切なさが増して行く。
銀の船:あらすじ割愛。コレは既読作で、もぅ5回以上再読してる、何度読んでも色褪せない大好物。恒川光太郎との出会いの一編、その思い入れも含めて。
ダーク・ファンタジー、SF、実話怪談等々、ヴァラエティーに富んでいるが、全体的な統一感はない。
★★★★☆評価と迷ったが、掌編
にあまり入り込めず、「『夜市』の次は
これを読め!」の帯叩きが納得いかず、★、-1。
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ブックオフでばかり本を買っているわたしが、新刊で買うのは今この作家さんくらいでは?安定の世界観。ほんとうにすき。恒川さんの中編〜長編が読みたい。
銀の船がすきだったかな。表題作もすき。やはりわたしは抗えない強い力で閉じ込められてしまいたいのだろう。
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幻想と奇想のなかに漂う独特の抒情。
人の生き方や罪、生と死、そして自由を時にブラックに、時に寓話的に映し出す恒川さんの魅力がつまった短編集です。
あとがきによると、様々な媒体で発表したものをとにかく一冊にまとめたものらしく、収録されている作品のバリエーションは、これまで読んだ恒川作品の中でも特に幅広く感じました。
個人的にこれまでの恒川さんらしさを感じたのは表題作の『白昼夢の森の少女』『銀の船』『夕闇地蔵』の三編。
突然現れた蔦によって町一体が絡め取られ、植物と一体化してしまった少女と人々の姿を描いた表題作『白昼夢の森の少女』
永遠に様々な時代を行き来する船に乗り込んだ少女を描く『銀の船』
普通の人とは違う世界の色を見る少年を描いた『夕闇地蔵』
いずれの短編にも感じるのは現実と地続きの異界。どこか超然とした冷静な語り口で紡がれる幻想や異質な風景。そして人間の業。
夢うつつのときに見る幻のような儚く美しい物語世界は、まさに“白昼夢”のように感じます。そうした世界の美しさのなかに垣間見える人間の業があまりに対照的で、
でも対照的なのにそれを無理なく物語の中に両立させているのが、恒川さんの作品の良さであり、独特の抒情につながっているのではないかと思います。
そうした恒川さんの魅力が存分に感じられる短編もあれば、それとはまた雰囲気の違う作品も数多く収録されています。
崩壊した世界で記憶を失った男を描いたロードノベル風の作品『焼野原コンティニュー』
鞠になってしまった少年を描いた掌編『オレンジボール』
人を自由に操る人形を抱えた謎の女“ドールジェンヌ”。彼女に憑かれた人々を描いた『傀儡の路地』などなど。
様々な媒体から集めたことだけあって、一読した当初は「恒川さんってこんな作品も書くのか」と意外にも思いましたが、読み終えてみるとどの作品にも恒川さんらしさを自分は感じました。それは読後感が似ているからかもしれません。
何か切ない気持ちになったり、懐かしい感情になったり。そして何かを問いかけられているような気持ちになったり。でもその問いかけの答えは作品からは見つからない。末答だからこその余韻が自分の心に引っ掛かり、作品をより味わい深くする。
様々な恒川ワールドが見られる一方で、その芯にあるものは変わらない。それを認識した作品でした。
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埋もれていた作品とアンソロジー収録作をまとめたものということで、良く言えばバラエティーに富んだ、悪く言えば統一感のない短編集。まあ、色々な作風が楽しめるのは悪くない。恒川さんらしい異界ものもいいが、ディストピア的世界観の表題作や、パニックSFミステリー風の「焼け野原コンティニュー」が気に入った。
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作者独特の夢みてるようなフワフワ感が味わえる短編集。恒川作品を読んでる人にはBonus Trackみたいな本…かな?テーマが統一されてる訳では無いのでバラエティパックみたいな?私は楽しめました。
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恒川光太郎の短編集
特化したテーマに反らない11の短編
古入道きたりて:牡丹餅を夜船と呼ぶ季節があると初めて知りました。幻想的な風景が瞼の裏に広がります。
焼け野原コンティニュー:滅んでしまいそうな世界に取り残された記憶喪失の男の話
白昼夢の森の少女:植物に取り込まれてしまった人々(緑人)の話!緑人達は夢を共有する!
銀の船:空飛ぶ船にノスタルジーを感じる主人公!いつか自分の前に現れる日を待ち望む・・・。
自分だったら家族を捨てて悠久に世界と時を旅する船に乗れるだろうか?
海辺の別荘で:自称『椰子の実』から産まれた女とバカンス中の男の話
オレンジボール:ボールになった中学生の話
傀儡の路地:人形に操られてしまう人々
平成最後のおとしあな:平成の最後に謎の電話が掛かってくる!?電話口からの質問に答える森高希実は、ある問題を抱えていた
布団窟:作者の少年時代の話、謎の空間に飲み込まれそうになる話?
夕闇地蔵:現実的なものがよく見えず、エネルギーの様なものを捉えることの出来る不思議な目を持つ主人公!?雨蛇さま、冥穴道!?幻想的で残酷な話
ある春の目隠し:青春と幻想と恐怖!
色んなベクトルの恒川ワールド!
個人的には【銀の船】【白昼夢の森の少女】【古入道きたりて】かな・・・
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この空気感が好き……どのお話もとても好き……(うっとり)
一貫したテーマもなく、時代もジャンルも長短もまちまちの短編集。どれもそれぞれに味があるのですが、個人的に特に好きだったものをピックアップして簡単に。
・古入道きたりて
ホラーと言えど怪異事態に怖さは感じず、夜の山の美しさに引き込まれる、全体的に切なく優しい一作。「古入道」は、ダイダラボッチみたいな存在なのかなぁ。そして和菓子がテーマのアンソロジーに収録されただけのことはあり、おはぎが無性に食べたくなりました(笑)
・白昼夢の森の少女
表題作。時間経過の長さといい、コミュニティの広がり方と言い、スケールはすさまじいのに、ひっそりと儚い印象を受けるこの感じ……恒川さんだなぁ。本当に「緑禍」などという現象が起きたら、作中にあるとおり、そこに加わりたいと切望する人が後を絶たないでしょうね。
・傀儡の路地
「都市伝説」めいた怪異に、主人公だけでなく、全国にも悩まされている人がいて、被害者の会を結成してしまうところがユニーク。そうか……あとになると自分でも理解できない「魔が差した」とか「気まぐれ」とか「思いつき」は、みんなドールジェンヌの仕業なんだな、と思うと、面白いような怖いような心持になりました。
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夜市を読んだあとはこれを読め!的な帯が目に入り、衝動買いしてしまった。
11のお話が収録された短編集。ジャンル的には「ホラー」だが、貞子が出てきて人が死にまくるといった、誰もが想像するあのホラーではない。
どの話も独特な世界観で、ふわってしているから合わない人には「なんじゃこりゃ」ってなるかも。
個人的に面白かったのは『平成最後のおとしあな』。世にも奇妙な物語にありそうな、ちょっとコメディちっくでオチは割りと怖いやつ。作者さんの遊び心が文章に滲み出ていた。良作。
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これぞ恒川さん!という作品と、うーんという作品と織り混ざってる一冊。
私が好きなのは古入道きたりて、白昼夢の森の少女、銀の船、夕闇地蔵、ある春の目隠し
ある春の目隠しについては状況がドラマのように目に浮かぶしなんとも言えない読後感を感じた。
共通して言えるのはこの世界観と発想とその緻密な設定、さすがすぎます。これだからやめられない
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『白昼夢の森の少女』がとっても気に入りました。
諸星大二郎の『生物都市』を思い出しました。
いずれも人間ではなくなっちゃうけど、なんだか幸せそうだなぁって思います。
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常川光太郎としては、内容もページ数も小粒な作品の集まった短編集だった。ホラーというよりSFよりの作品が多く面白かったが、永遠に埋もれてしまう可能性がある作品を集めて文庫化してくれたことが喜ばしい。
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『夜市』を読んだとき、その妖しい光景が目の前に広がるようで魅了されました。本作の第1話『古入道きたりて』でそれを思い出し、1冊まるごと没入間違いなしだと思ったけれど、この第1話より気に入る話は最終話までついぞ出て来ず。ノスタルジーを感じるホラーというよりも、もう少し新しい印象を受けます。あとがきを見てみると、著者の意向のみで書いたというよりは、テーマを与えられて書いたものが多いよう。
『夜市』のほうが好きとはいうものの、やはりこの著者の文体には引き込まれます。昭和、平成、それぞれのキャッチフレーズを考える。
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読み進めていくうちに不思議な感覚で異界にどんどん浸っていく。面白いのであっという間。怖くもあり、幻想的であり、不思議な世界観が広がっていてこれぞ恒川ワールド!
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何か不思議なことがあって、結末としてハッキリさせず曖昧なまま終わる話が多くて、私の好みではなかった。