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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
しかし、読んでいて、自伝というよりは、戦争を経験した方の回顧録というか、回想録のような感じがしました……。安野光雅さんは、美しい絵もありますし、ぜひ、多くの方に読んでいただきたい……
紙の本
人柄が伝わって来る
2021/07/29 22:31
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
網羅的な自伝ではなく回想エッセイといったところだろうか。本格的な自伝を期待するとやや物足りないかもしれないが、安野光雅ができあがるまでが、当人の人柄を含めて伝わってくるものにはなっている。
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「私の履歴書」をベースに著者独特の味わい深いイラストが加わり、自伝を超えた愛すべき小昭和史となった。優しさを孕んだ文章はもとより、青少年期の記憶の確かさに感心させられるが、それも著者の持つしっかりとした観察力の賜物だろうか。
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幼児の頃、叔母からもらった安野光雅作の絵本をみて育った。独特で不思議な世界観に、子供ながらも魅せられて、まねて絵を描いたりしていた。
書店で本書を見かけ、ふと懐かしくなり購入した。
昭和の戦中のこどもの頃が逞しげに淡々とづづられている。しかしその陰に淡々とせざるを得ない苦しみや悲しみがあったのではないかと勘繰ってしまう。
良く覚えていられるな。と思うほどの友人知人が登場するが、それきりの人、所在不明の人、亡くなった人がほとんどである。父親の年を越え、著者は長く行き過ぎたと思っているのだろうか。
いやいや、まだまだ元気に活躍してほしいと思う。
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【世界中で愛されている画家の、初の自伝】津和野の少年が炭鉱務め、兵役、教員を経て絵描きになった…柔らかな水彩画が、心温まる追憶にさらなる味わいを添える「昭和」の話。
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安野光雅さんの描くヨーロッパの街並みが好きでした。
同じ窓が延々と連なるお城や洋風建築と、日本画の平面を彷彿とさせる水彩画がツボで。
そんな安野氏も、戦中派。
興味深いお話が多く書かれていました。
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安野光雅の絵本は、大人でも、楽しめる本が多い。
数学のえほん、ふしぎな壺、等、絵も素敵だし、じっと見つめながら、数字の数を計算している自分が居た。
この本の、「ハナ ハト マメ マス」と、「サイタ サイタ サクラガサイタ」で、年代がわかるらしかったのは、亡くなった母が、直接年齢をを聞くのは、失礼にあたるからか、「サイタ サイタ、、、」の時代ですか?なんて自分年齢に近い方に訊ねていた事があった。
なるほど、、、と、
戦中の大変な時代が、少年時代なのに、千人針の事や、盧溝橋事件等も、良く記憶しておられる。
安穏と、生活出来る時代で無かったのであるのが、この本で、良く分かった。
弟が、熊本の陸軍幼学校に入った、と、書かれており、今の戦前生まれの高齢者は、戦争のために、皆大変な時期を過ごしたのだと、思った。
教員になり、給料が150円、生命保険の満期が500円、2階建の家が、500円、、、、なんか、想像できない。
ABCの本は、大変だったのだ、、、、、
昔 私は、Aはリンゴ1つ、、Bは熊2頭、Cは人参3本、Dはドーナツ4個、Eは卵5つ、Fは花を6本をフエルトを使って、サイコロを作って、子供のおもちゃを作った。
何も考えずに、つくったけど、本にしようとしたら、大変な作業がかかるのだと、知った。
作者の年賀状が、凄い!
やはり、考える発想が違うのだと、思う。
1970年の小金井市猫町3の4の5 小金井刑務所 81独房3023号との年賀状の検㊞が、犬のついた名字が、さもありなん、と言う感じで、笑ってしまった。
何度、眺めても、厭きのこない本である。
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1926年生まれ・・・とプロフィールをみて、ふと、かこさとしさんと同年生まれだったんだなと気づく。戦争を知っていて、その体験を絵や言葉で伝えうる大きな存在がまたひとり、いなくなってしまった。世に出された作品を、繰り返しかみしめたい。
子ども時代から少年、そして戦争の日々について、身の回りの小さなエピソードまでよく覚えていらして書かれている。ユーモアたっぷりで、悲惨とか厳しいといった語り口ではないのだが、それゆえに率直な気持ちがにじみ出ていると思う。
ユーモア、という点で、『農民兵士の手紙』の話がなんともいえずよかった。よかったというのもおかしいのだけど。
「わたしは戦争には反対だが、学徒と農民を差別することにはもっと反対である。徴兵猶予などと、だれが考え出したのだろうとおもう。」
徴兵された農民を思っての言葉だが、そのあとに自らの若い恋のエピソードを重ねてこう続けるのだ。
「しかし、先に書いたように、「花ある君」に手紙を出し、返事をもらった友人がいなかったら、このような公憤と私憤を混同することもなかっただろう。」
教員になり、画家として立ち、というその後の人生で出会った人との交流も興味深い。また、大上段に構えたものでなく家族など身辺のことに徹していて、ひとりごとを読んでいるような穏やかな気持ちになった。
さいごの『空想犯』もおもしろい。全くの"空想近況"を書いた年賀状を出してしまう安野さん。人柄の一端がしのばれる、たいへんユニークなエピソード。
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安野光雅さんのエッセイ。
少年時代から歳を重ねるまでの思い出が綴られています。
生きてきた時代は異なるのに、どこか懐かしい匂いのするお話も多数あり、朗らかな気持ちで読めました。
そんな中にも安野さんなりの信条や絵を思う気持ちが散りばめられていて、ますます安野さんのファンになりました。
本の中で、
妄想と空想は違う。
妄想は現実と想像の違いがわかっていないが、空想は現実を理解した上で想像していること。
というようなことをおっしゃっていたのが印象的でした。
宮沢賢治は教員時代に空想の時間を設けていたようですが、「空想」は自分の世界を広げるために必要な時間だなと改めて思います。
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具体的なことがとてもよかった。ディテールがおもしろい、興味深い。
祖父母のライフヒストリーの聞き書きをしたいと思った。
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安野光雅さんの自伝。エッセイ。
絵のことはあまり書かれてなかった。絵本がすごく大好きでいろいろ読んだので、少しでも詳しいことがわかればと思ったが。ただ書き下ろしの絵が沢山で有難い。ABCの本については残念。いろいろ考えて描かれたのに駄目出しが多かったり無断で使われたりあまり良いことがない。それでも大好きな絵のひとつ。
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安野さんの生きた時代の息づかいを感じたのが良かった。ずっと続いているような錯覚に陥るけれど、母と父、祖父母、私と兄弟、甥っ子、それぞれを取り巻いてきた、取り巻いている時代の空気は、自分の生きた年齢に合わせてその感じ方は矢張り違うもので、それをまざまざと実感したというか。同じ時代を生きているということだけで、どうしてこう容易く「私とあなたは同じ」だなんて思ってしまえるんだろう?甘えもいいとこだ。厳密に言えば、同世代と言えども違うこともあるわけなのに。
「同じだね」って、時にぐっと人との距離を近づけてくれるけれど、同時に同じくらい「我々は違う」って、忘れないでいることって、とっても大事なんだなって、ふと思った。
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安野さんの絵を意識してみていたかと言われれば、そうでなかったように思う。風景のイメージが強いのもなぜだろう。。
「昭和を生きた著者の人生」が突き刺さる。自分はそれを祖父に見ていただろうか。
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今、一等になるために走るのではない、いつか大人になって一等になっても得意にならず、ビリになってもくじけないプライドを持つ日の為に走るのだ
試験というもののありかたが、教育の方向を決定づけているという変なことになりつつある。
絵は説明ではない。(略)壁に飾る絵に題名はあっても文字はない。
空想の時間
などなど、普段感じてることがさらっと書かれていて、あぁ、間違ってない、というか、自分の気持ちに肯定感を得たような。
戦中、戦後を生き抜き、沢山の絵を残し、令和の世の中まで見て逝かれたのだと思うと尊敬しかない。
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絵を描く人なのに、言葉選びも無駄がなく洗練されていると思った。私の親世代より少し上くらいだと思うけど、その時代のことが気軽に抵抗無く(固く古めかしい感じではなく)読めて良かった。大型本屋の戦争特集か何かで平積みされているなかで、読みやすそうだなと思って見つけた。大型書店はこういう出会いがあるから本当に好き。