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【創作への情熱も、ガンの恐怖も。“夢枕節”炸裂!】俳句の話から、縄文、仏教、懐かしのプロレス話にあの人との逸話まで――ガンになったことを契機に縦横無尽に綴った仰天エッセイ!
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2022年発行、文藝春秋の単行本。全7回+補遺+あとがき。決して、エログロなバイオレンスだけの作家と思ってた訳ではないが、どっちかいえば奇天烈なモノを書く作家というイメージのある人。本文中に「書いたあとで理屈を考える」と書いているが、(当然なのだろうが)後付けであってもしっかりした理屈を付けれる知識があるのはすごい。あと、調査しだすとキリがないから適当なところで走り出す、というのはよくある処世訓だが、実際それでうまくいくのはバランス感覚が適正だからだろうな。
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悪性リンパ腫にかかり、抗がん剤治療の結果、寛解した獏さん。まずは、おめでとうございます。
死の影を感じながらも軽快な語り口で八方に話(これまで書けなかった面白い話を押し込んだ?)が拡散しつつも、最後には深いテーマに落ち着く。
中沢真一さんの引用だが、「和歌・短歌では人間が主体となります。ところが、俳句の場合は非人間であるモノが主体です。モノと人間の間を自由に行き来する通路をつくるということが、俳句の主題です」とい一節が残りました。「俳句の本質はアニミズム、アニミズムは縄文と言い換えることができ、縄文は物語」。
これからの小説の話は予告編か。闘病中に俳句ももっと掲載して欲しかったが、こちらは、別に句集が出る?是非出して欲しい!
個人的には、やっぱり、もっと簡潔な文体が好き。
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獏さんガンで入院さていたとは、寛解されて一安心です。数年前に図書館のイベントで1番前の座席で要望質問をしました。なるべく早く長期連載ものの決着を着けて下さいね、と。読者もそれなりに年取って来ていますからね。まぁこの本読んでこちらも長生きして読まないといけませんと思った次第です。
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キース・ジャレットと勝負した男、夢枕獏さん。
お名前は有名でありながら、どんな方か知らず、このエッセイでお人柄を知り、改めて才能溢れすぎる方だと知った。
興味をひくお話ばかりで、書き連ねるとあらすじになってしまうので、簡単に言うと、宮沢賢治と氷室冴子さん、野田知佑さんのエピソードに心打たれた。
後半に、夢枕さんの句に、夏井いつきさんが付句されたものが、これからのガンと生きていく彼を表しているようで、心に沁みる句だった。