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エッセイとしては難しい部分もあったが、とても興味深かった。コミュニケーションは本当に多様なもので、哲学ではカバーしきれない部分もあることがよくわかった。
そのカバーしきれない絡まった部分を、三木さんは丁寧に解きほぐして考えている。コミュニケーションにおいて、心的な関わりを占める割合は高い。なのに、コミュニケーションだけでは人の本心はわからないことが多い。少しでも考えてコミュニケーションをとっていこうと思う本だった。
また、自分もセクシャルマイノリティの当事者なので、気持ちの部分で語られる「哲学と私のあいだで」「『私』のいない言葉」はとても実感を感じながら読んだ。少しでも、(性に関することに限らず)多くのマイノリティが過ごしやすい社会になればと思う。
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言葉とコミュニケーションについて、哲学者である三木那由他さんが、ご自身の研究や実生活の体験から生じた疑問や問いかけを、丁寧に述べてゆく一冊。
「言葉=コミュニケーションの道具」という考え方を深堀りするというより、言葉によるコミュニケーションがもたらすもの、孕むものを解釈してゆくイメージです。
言葉がコミュニケーションである、とはどういうことなのか、について論じてゆくような流れがあります。
さまざまな問題、
「言葉の専有」「マンスプレイニング」「一人称問題」「ジェンダー」「謝罪の懐疑論」
などのトピックを挙げて、その話題に合った哲学者の主張や考え方、そしてそれに対する三木さんの考え方がが語られます。三木さんが例に出す題材が、漫画やゲームであったりするのが意外で、三木那由他さんの個性を感じられるようで面白かったです。
なんとなく難しいことを云っていて、なんとなくその内容がわかるような気がする、という読書体験ではなく、著者の実体験から起こる問いかけや、著者自身がまだ解決に至っていない問題に対する言葉には、切実さがありました。
「一人称代名詞の使用を避け続けていた日々、私は自分が言及している当の対象が、そのように語っている自分自身であるという自己認識を伴う発言をできずにいたということになるだろうか?自己認識を失いながら語り続けることからは、哲学的に、言語学的に、心理学的に、どういった帰結が得られるだろうか? 私はいったいあのころ、誰の話をどのようにしていたのだろう?」
(三木那由他『言葉の展望台』より『「私」のいない言葉』講談社)
この、問いかけをみて、まずは自分について問わなければならない、というこの主題の切実さが三木那由他さんの哲学のあり方なのかもしれない、などと思ったのでした。
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面白かった!
『会話を哲学する』では、漫画や小説から会話が引用されていて、それらの言葉は作品の読者に分からせようという意図が強く働いているから、面白い話ではあるけど自然な会話の例ではないじゃん……という違和感をもっていた。
でもこの本を読んで、三木さんは言語哲学が扱ってきた会話に潜む強さや揺らぎなさをとっくに自覚していたことを知った。なんだか安心した。というか、流石すぎる。
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謝罪は決して何かの終わりや決着ではない。謝って解決するのではない。むしろ、謝罪は新しい始まり。 自分が後悔しているということをはっきりと相手とのあいだの約束事とし、その約束事に身を委ねて生きることを、謝罪は告げている。
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著者の生活と哲学的思考の交わりがバランスよく書かれていて、コミュニケーションの哲学を親近感を持って楽しむことができた。
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言語哲学者による、コミュニケーションと言葉についてのエッセイ。
正直、話がすっと入ってこなくてあまりピンとこなかった…。やたら読むのに時間がかかった。たまにこういう本がある。
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難しくて切実で面白い「言葉とコミュニケーション」を、「哲学」と「私」のあいだのリアルな言葉で綴るエッセイ。(e-honより)
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三木那由多さんのエッセイ集。
購入してから大事に少しずつ大事に読み進めて、今日読み終わりました。
後書にもある通り書いている最中に当初は予定していなかったカムアウトのお話もあり、「実は歴史的な一冊なのではないのか!」とか勝手に興奮しながら読んでたりしてました笑
言葉に対する感性と言うか捉え方も矢張りプロ。一読しただけでは理解出来ず何度か戻って読み返したりネットで調べたり。
素の自分から出てくる様々な思い。考えながらいつの間にか哲学の話になっている。
きっと本当に好きでらっしゃるのですね。
最後に載っている文献も有り難い。
今後気になるもの…ポール・グライスさんの本とか読んでみたいと思います。
素敵な本をありがとうございます。
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物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
東大OPACには登録されていません。
貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください
返却:物性研図書室へ返却してください
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エッセイから分析哲学への接続がきれいでとても読みやすい 筆者の個人的な話を交えながら、するりとコミュニケーション論について考えを巡らすことが出来てよい