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才能を決めるのは、遺伝子か環境か?
エリート棋士の父を持つ京介と、落ちこぼれ女流棋士の息子・千明。
二人の〝天才〟少年は、またたく間に奨励会の階段を駆け上がる。
期待を背負い、プロ棋士を目指す彼らに、出生時に取り違えられていたかもしれない疑惑が持ち上がる。
才能を決めるのは、遺伝子か環境か?運命と闘う勝負師たちの物語。
(アマゾンより引用)
千明くんがめっちゃいい子で泣く。
飛鳥さんてまだ結婚したままなんかな?
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子供たちは1人の母親によって入れ替えられていた。これは疑いようのない事実である。しかし、その事実を知って、本当の親と暮らしても尚、やはり育てと親を捨てることのできなかった少年たち。彼らは共に真実を隠し、嘘をつくことで今までの平穏な生活を継続することを選択した。
夢を追い、諦めることなく挑むことに年齢なんて関係ない。それを達成したいと言う思いこそが真に大事なものだと思いました。
夢を子供に託そうと考え、それが誤った行動へと導いてしまった1人の母親睦美とは対照的に、亡き親友との約束を果たす。その一心で20年以上にも渡って目標を追い続けた1人の父親厚仁。夢を託そうと思ったものと、自分で成し遂げようとしたもの。結局は自分で切り開こうとしたものが強いのだと感じた。
物語でジーンときたのは、子供たちが真実を隠そうとしたことです。全ては今の生活を継続するため。倫理的に考えれば、生物学的な親子のもと生活するのが望ましいことは言うまでもない。ただ、それだけが全てではないように思いました。当事者の心が1番重要だと感じました。
たしかに周りを傷つける嘘は良くないとは思う。しかし、「周りを守るための嘘」は許される場合もあるのではないかと感じました。
なんか高校時代とか、大学時代、小学校時代など、各年代での友達と登場人物を重ね合わせて感情移入していました。
自分は当事者だったらどうしただろうか?
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棋界の話で、特に女流棋士の話は興味深かったけれど、割と展開が読みやすかったのと、最後に失速した印象を受けましたが、題材は面白かったです。
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タイトルが気になり、帯みて将棋界を舞台にした話なんて面白そうやなと思って購入。
読む前に作者の名前が目に入り、『君と時計 』シリーズの綾崎先生だと気がついたのは内緒です。
さて、読んでみると、将棋の対局中の描写が多いのか?というと、そういうのは全くなく、将棋のことを知らないと読めないという作品ではないので、将棋を知らなくても読める作品だと思います。ただ、熱い将棋の対局を期待して読むと残念かもですが。
どちらかというと、ミステリーです。
前半で大体謎は解けたなと思っていたら、やられてしまったなと思うくらいに、シンプルなはずなのに、容疑者が4人いますし、その4人とも事件に関わっている可能性があるという状態。
読み進めていけばいくほど、謎部分は深まるばかりでしたが、そういうことかと思うくらいにミステリー部分は読みごたえがありました。
ミステリー部分以外にも、年間4人しかプロになれない厳しい世界の将棋界。
この世界、奨励会というプロを目指すところに入るためにも、アマチュアの大会を優勝するくらいの力がいるのに、そこからプロになれるのは年4人ですから、いかに厳しい世界かということなんですが、プロになっても厳しい戦いが待ってます。
そんな世界を小さい頃からプロになる、あるいは名人になることを夢みて突き進んでいく努力は半端なことではできないものだなと思いますが、本作品はその夢や突き進んできた道を一旦諦めることとその後のことも描かれているように思えて、私も夢を諦めて今があることを思い、自分と重ねてしまいました。
私も、高校の時から抱いていた夢があり、夢のために相応に努力をし、多少の狭き門をくぐり抜けていったことがありました。
3段リーグのように最後の超絶な狭き門を抜けようと夢を追いかけていたら、周りの人間は私よりも遥かにできる人ばかり。何とか必死について行くなかで、夢に疑問をもったり、努力を諦めてしまったり、何より夢を追いかけることがしんどくなってきたということがあります。
そして、なんのために夢を追いかけているのかわからなくなり、夢を諦めた結果、仕事も夢と関わりのない仕事につきました。
ところが、数年後、久しぶりに勉強してみたいと思って勉強したら、あれだけ苦痛だった勉強がめちゃめちゃ楽しくて、気がつけば、追いかけた夢の関係の仕事につきたいと思い直しました。
夢を追いかけて、夢を追うなかで、それが楽しかったから続けてこれたということを忘れてしまい、夢を諦めて、夢から離れたらそれが楽しいかったことを思い出して、また再びその道を歩きだす。
本作品の趣旨とは離れているかも知れませんが、そんなことを思い出し、共感した1冊でもありました。
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自慢じゃないけど将棋の事は一切分からない。
そんな私でも問題なく読めた。
エリート棋士の父を持つ長瀬京介と、落ちこぼれ女流棋士の息子・朝比奈千明。
プロ棋士を目指し、奨励会の階段を駆け上がる二人の天才少年を軸に物語は展開する。
同じ病院で、一日違いで生まれた二人に生じた出生時の取り違え疑惑。
犯人は早い段階で予想が付くが、それによって「才能を決めるのは、遺伝子か環境か?」のテーマが活きて来る。
親のエゴで振り回されたにも関わらず、その親を慕い嘘をつく子に胸が熱くなる。
ミステリ要素を絡めながら家族小説としても楽しめた。
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二世棋士で実力・人気ともにある父親・長瀬厚仁とこちらも二世の元女流棋士の母親・梨穂子のもと、恵まれた環境で将棋に打ちこむ中学生の京介。小学5年生のときに、自らを天才と言ってはばからない、朝比奈千明と出会う。彼の母・睦美は両親の同期の元女流棋士で、母子家庭だった。二人は同じ病院で一日違いで生まれており、出生時の取り違え疑惑が浮上する。
第一部 睦美視点で出生時までの状況が語られる。
第二部 京介と厚仁の視点で、過去と現在が語られる。
厚仁は悪い人間ではないが、結局自分のことしか考えていないように思える。一方で、千明の大人びた態度が痛々しい。どれだけ強い少年なのだろうか。
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読み終わった。
正しいことが幸せなのか、
正しくないことが幸せなのか
家族
過ごした環境
ぐるぐると頭の中で考えてしまう物語だった。
この後の2人の物語があったら読みたいなと思う。
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図書館であらすじを読んで興味がわいたので借りてみました
どんなあらすじかというと…
プロ棋士を目指す二人の天才少年が勝負の世界で友情を育む中、実は二人は取り違えられた赤ん坊だった疑惑が…
というありがちな設定を二つ重ねてきた感じ
これでまんまありがちな感じで終わらないよねとちょっぴり不安になりながら読み進めてみると、だいじょーーぶーちゃんとひねってきました
そりゃそうよね
んで面白かった
分かりやすかった
へんに捏ねくりまわさない文体も好感度高し
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カバー裏の紹介文。
エリート棋士の父を持つ京介と、落ちこぼれ女流棋士の息子・千明。 二人の“天才”少年は、またたく間に奨励会の階段を駆け上がる。 期待を背負い、プロ棋士を目指す彼らに、出生時に取り違えられていたかもしれない疑惑が持ち上がり...運命と闘う勝負師たちの物語。
ストーリーは面白かったが、二転三転が多く、結局何だったのか、誰が何をしたかったのか理解が難しい。そして、タイトルのにある「ぼくらの間の嘘」とは何だったのか?仲違いしているように見せたこと?
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将棋×ミステリーというのは、時々あるけど、これはさらに×青春という感じか。
プロローグは、無かった方が、かえって良かったのでは。
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読文
おもしろかったけれど、圧倒的読書体験とはほど遠かった。
冒頭で事実を見せてそうだと思わせておいて、途中でどっちなの? と思わせる。収集のつけ方としてはこの終わり方しか考えられないが。厚人の親友の国仲さんが犯人だったら、ちょっとしたノアール小説。
私としては、あんなに負けず嫌いで勝気な睦美が影もなく消沈しつづけているのが残念。そして梨穂子がいい人すぎるのも、意地悪な目でみてしまう。こんな人って果たしているのだろうか? とよこしまな気分になる。
将棋を知らなくても楽しめるが、将棋を少しでも知っていたら、もっと楽しめた、のめりこめたと思う。
p352
京介が睦美にオンライン将棋の指し方を教える。
*分かるような気がした。子どもの頃、お母さんは僕が諦めるまで何十回でも対局してくれた。だけど、実力が逆転して以降、ほとんど指してくれなくなった。
相手がたとえ息子であっても、負けるのは悔しい。引退してもなお、心は戦士であることをやめられないということかもしれない。
将棋というのは、この世でもっとも相手を思い合う遊戯だ。
だからこそ、盤面を通して初めて見える気持ちというものもある。
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将棋に関するところは多少知っている部分があるので読みやすかった。
若い二人の物語のように見せつつ親世代の物語がメイン。特に長瀬父の奨励会時代の話が面白い。
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彼らのひとつだけの嘘にすっかり騙されてしまいました。その時、気になったのは、まだ少しある残されたページ数。あとは何を書くことがあるのかしらと。
プロ棋士を目指す中学生男子二人。彼らは、それぞれの才能で奨励会で頭角をあらわしていく。ひとりは棋士の血濃い努力型の少年。ひとりは、母親は元女流棋士とはいえ、シングルマザーの家庭に育つ奔放な少年。二人は誕生日が一日違いで、同じ病院で誕生していた事を知る。そこから起きる二人の出生時取り違え事件がメインになります。
その状況を考えつくまでの、女流棋士同士の嫉妬や、棋士の血統からの親子断絶を盛り込みます。
その能力により平等に評価される棋士の世界。その世界に向かうまでの不平等な家庭環境。取り替え事件をテーマにするのに将棋界はとてもしっくりしていました。
最後に少年達の家族の未来を守る棋譜が読めます。
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※
棋士を目指し目標に向かって努力する様と
挫折や成功を乗り越えて変化していく
心の有り様を親子二代にわたって描いた物語。
才能と環境に恵まれた人への羨望と嫉妬。
環境故に他の選択肢を与えられず、生活ごと
縛られる閉塞感。
目標を一にしていても、身を置く環境が違う
とこで他者の苦悩に想像が及ばなくなる事実。
遺伝子や才能、環境と努力や工夫、
何がその人をカタチ作るのか考えさせられる
物語でした。
将棋が好きな人なら、もっと楽しめたかも
知れません。
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エリート棋士の父を持つ京介と、落ちこぼれ女流棋士の息子・千明。二人の〝天才〟少年は、またたく間に奨励会の階段を駆け上がる。期待を背負い、プロ棋士を目指す彼らに、出生時に取り違えられていたかもしれない疑惑が持ち上がる。才能を決めるのは、遺伝子か環境か?運命と闘う勝負師たちの物語。
天才を作るのは血筋か環境か・・・本人の努力か・・・
子育て中、人生の先輩達からは「子は親を越えない。変な期待をせずにノビノビ育てなさい。」と言われていた(笑)結果・・・確かに!
内容はともかく睦美の陰気さに最後までうんざりさせられた。