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「さようなら、私」のタイトルに惹かれた本。短編集。
読み終わって一番に思ったのは、「僕」ではなく「私」だな、と。
女性の視点で書かれた作品だなぁと思った。
それは、良くも悪くも…。
「おっぱいの森」は設定というかその場所自体が特殊すぎて、色んな意味で衝撃だったけど、何よりも、すべてを許してしまう(包み込む包容力のある)夫が衝撃だった。
「それでいいんか!?もう一度、やり直せるのか?」と思わずにはいられない。
色んな「愛」の形みたいなのがあって、それも「アリ」なんだと思うと、テーマの奥深さが感じられ、とても考えさせられる。
今までにあまり読んだことのない、新しいタイプの作家さんに出会えた気がした。
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全体的に幸福度の低いお話。だからこそ小川糸のおいしい食事の描写が生きるかと思えば、あまりそれもなく、すこし物足りない。
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今朝方祖父が亡くなった報せを受け、道中電車の中で読んだ思い出深い一冊となった。人びとの生き死にが描かれていて、まさに読むべくして読んだ本。
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過去に傷ついて自分で自分を好きになれない「わたし」と決別し、人生を生き直す・・・・。のですね。
確かに、現状から逃げることで、広い世界から自分を見つめ直すきっかけになるのかも知れないけれど、物理的に逃げてしまったら、もう一度やり直すためにもとの場所に戻って来れないかも・・・。
逃げてしまえる人はうらやましいな。
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大切な人を喪った女性達の、喪失と再生の物語です。
失わなければ変わらずそこにあった筈のものと、失ったからこそ新しく見えてくるもののコントラストが、ただただ哀しい。
希望とか幸せとか、そういう自分なりに構築してきたポジティブな価値観の定義って、大切な人を亡くすと一度瓦解しちゃうと思うんですよね。当たり前に隣にあったその存在込みで世界って構成されてたわけですし。
で、そういう当たり前の存在が、ある日、不意になくなると、何かもう訳わかんないことになると思うのです。自分の世界の全てが変容するとまではいかなくても、何かが奇妙にねじれてるというか。その人がいなくても成立してる世界に違和感を感じるというか。
うーん、何が言いたいんだ私は\(^o^)/
でも、そういう当たり前の存在の不在という新しい世界が、自分にとって当たり前になってくるんですよね。それが寂しくもあるんだけど、あの違和感が長続きしないものなんだとふと気付いた時の深い安堵は、今でも忘れません。
この作品に収められた三人の主人公達にも、喪失の穴を優しく埋めてくれる人々がいます。悲しみをゆっくり癒してくれる時間があります。それってきっと当たり前のことなんですが、何だかすごくホッとしたのでした。
ちょっとアンニュイな感想文になってしまた/(^o^)\うおお
◎恐竜の足跡を追いかけて…中学時代の同級生が自殺した。お別れ会に出席するために帰郷した私は、久しぶりに初恋の相手に再会し、彼の生まれ故郷であるモンゴルに誘われる。不倫の恋に疲れ、憧れだったはずの仕事もさっさと退職した私を待っていたのは、日本とはあまりに違う風景と人々だった。
◎サークルオブライフ…母が死んだ。若い頃はヒッピーにかぶれ、恋人が娘に手を出しても無視を決め込み、最期にはホームレスになって一人孤独に死んでいった母。憎みこそすれ、愛情の欠片も湧かなかった筈の母親だったが…。
◎おっぱいの森…コウちゃんを喪い、意気消沈していた私を救ったのは、おっぱいだった。
……最後のあらすじ、我ながら酷いな……
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タイトルとおり、さようなら、(昨日までの)私…って感じの話。心に傷を負った人たちが新たにスタートを切る前向きな話だが、なぜだか心に響かなかった。日常とかけ離れた話だったからか、押し付けがましいものを感じたからか。
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短編が3つ。
普通の本だったらまとめて評価するのかもしれないけど、どうも個人的感想・・・というか評価が作品ごとに違うので、。
恐竜の足跡を追いかけて
★★
この前読んだ『私の夢は』というエッセイの取材旅行の産物なわけですね。
エッセイと文体がまるで同じなような。
“ナルヤ”という名前を連呼しすぎな気がします。
ナルという部分が“ナルシスト”を連想させて・・・
う~ん・・・な感じ。
エッセイのほうがよほどマシ。
もちろん、いいことも書かれているのですが!
サークル オブ ライフ
★★
タイトルが、“ライオンキング”を連想させる。
いい話ではあるけれど、それこそ、場所がバンクーバーである意味がわからない。
同作者の“喋々喃々”では、土地の雰囲気が良く伝わってきて、行きたい気持ちになったのですが、この作品では土地の描写が詳しくされているわけではないし、必然性がない気がする。
おっぱいの森
★★★★
私も、子供が出来た頃、この子が障害を持って生まれたとしたら、生まれて育たずに死んでしまったら、全部私の責任になるんだろうな、とか思ったことがありました。
そんな時、女って損だなとか。
知り合いでも、口蓋裂(で字が間違ってないかな?)の子を産んだら、とても賢いいい子だったにもかかわらず、旦那さんの父親に「自分の目の黒いうちは門をくぐらせるな」と言われたそうです。
自分のDNAも受け継いでいるのに。
産んだ、ことによって、女だけが責任を取らされる、あるいは何か言われなくてもそう感じてしまう、そういう気持ちは痛いほどわかる。
また、産まないことによっても、なぜか女だけが“石女(うまずめ)”などと言われてしまう。
子供に対しての責任感から、哀しい思いをする女性は多い。
旦那さんとの会話は、真実味がありました。
読後感も良かったです
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「そうなんだよな。俺ら、いっぱいいろんな道具を開発して、スイッチ一つ押せば使いこなしている気分になっているけど、壊れたらもう何にもできなくなる。こっちの人は、自分の車とかバイクが壊れたら、全部自分で直すんだよ。直すためには、きちんと仕組みとかが頭に入っていないとできない。結局、頭使って生きてるのって、こういう原始的な暮らしを送っている人達の方なんだよな。一見、俺達の方が先を進んでいるような気分になるけど。どう考えても、俺らの方がアホ化している」
「もし自分に行き詰まったら、もっと広い世界に飛び出して、自分よりも上を見るといいんだ。狭い世界でうじうじしていたら、もっと心が狭まってくだらない妄想に取りつかれるだけだもん。自分のことなんか誰も知っちゃいない、屁とも思っていない世界に自ら飛び込めば、自分がいかにちっぽけな存在か、嫌でも思い知らされるよ。そうすれば、開き直って、もっと成長できる。自分に限界を作っているのは、自分自身なんだ」
「もともとまっすぐな地面なんて、ないんだねぇ」
だから、ゲルのベッドが曲がっているのだって、よく考えれば当然のことなのだ。
「ほんと、モンゴルに帰ってくると、それをすごく実感するよ。人間は、道路を真っ平らにならして、建物でもなんでも真っ直ぐな線で作ろうとするけど、自然界には、真っ平らも真っ直ぐも存在しないんだよ。歪んでいて当然なんだ。日本の、特に東京なんか、ほとんどが人工的な地面だろ。よくここまで几帳面にコンクリートで覆ったものだなぁ、って感心しちゃう。それはそれで、人間の技術が作り上げたものだから、すごいことなんだけど」
「私はそっちの世界の方が当たり前って思ってた。でも、違ったんだね」
言いながら、なぜだか涙が込み上げそうになる。背中の石ころ達のゴツゴツが、妙に愛おしかった。
*・*・*・*・
いい!んだけど主人公の子が勝手すぎてどうしても最後まで好きになれなかったので星は4。
現代文明を批判して昔のシンプルな暮らしに戻ろう、ではなく、どちらも認めた上でお話をすすめていっているのが素晴らしかった。モンゴル行きたいな。
ヒッピーの子どもの話は、そういうこともおきるのか、っていう感じ。自給自足コミュニティとかすごく憧れるけど、ちゃらんぽらんにフリーダムでいていいわけではない。表題作と同じく、自給自足やそういう暮らしに造形の深い作者がそれを批判的に書いている点が、すごくいいなと。
あと母娘愛着問題はデビュー作からの小川さんテーマだよね。
最後のおっぱい山はちょっとユニークだけどやっぱりタッチハンガーのお話。絶対この筆者三砂せんせと合うと思うなー。
全体的にうーーーんだったけど、筆者の雰囲気は好きだしいいお話だとは思う。なんか上からになっちゃった。どこか旅行に行きたいなー。
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小川糸さんの世界観とか言葉の選び方とか好きです。心が洗われる気がします。ちっちゃいこと気にしちゃ前に進めないな。とか自分を丁寧に扱いたいと思いました。
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スラスラ読めた。
「おっぱいの森」は、いま授乳中の息子が居るので、こみ上げるものがありました。
全編通して、現実感に欠けあまり入り込めなかったので星みっつの評価とさせて頂きます。
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大切な人を失った女性3人の3つの短編集。
どの話も小川さん独特の描写が秀逸でさらさら読めますが、現実味のない設定だったため★は2つにしました。
小川さんの小説は特に、関わる人となりの表現と、食事の描写が特に好きです。
最後の短編は、赤ちゃんの息子を亡くしたお母さんの話でちょっと読むのが辛くなりました。
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自分をいったんリセットして
また新しく生きていこうとする
女性3人の物語
おっぱいの森
印象に残る
辛さと優しさと
切なさと
ジンとくる
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よかったな。リスタートする女のひとのお話。誰もが自分なりの問題を抱えているけど頑張っているんだなって思えた。
おっぱいの森は泣けた~
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モンゴルとかカナダが背景になった短編3話で構成。1話目が一番好きでした。小川糸さんって感じがしました。2話目と3話目は少しなっとくできない内容もあったりしたので…1話目はモンゴルの清々しさがすごく表現豊かに綴られててモンゴルに自分が行ったような気持ちになりました。
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美味しいにせよ、まずいにせよ、この作家さんの食べ物の描写は魂がこもってるね。3編ともある人の死をきっかけに普段と違う場所へ赴き、そこで再生していく話。わかりやすくは落ち込まない女性を描くほうが上手そうなんだけどな。そういった意味で、期待よりは心に響かなかったかな。