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アフリカにおける人口動態が分かった。
アジアなど他の地域のように人口抑制の方に働く傾向が現在のところ見当たらないのが興味深い。
優生学は上からの、ナショナリズムは下からの、人口膨張に対するイデオロギー的反応とすればアフリカの人口膨張に対する社会的反応はどうなるのであろうか。注視していきたい。
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著者は自身の研究者生活を犠牲にしてジェトロの理事を務めた方とか。残された晩年の時間を充てた研究の集大成が本書らしい。
先進国や国際機関は結構長い間、お金や技術や人材や資源をアフリカに投入してきたよね(今もしてるか)。でも明らかに、アフリカ経済はそれに見合う発展をしてるようには素人目にも見えない。これがまずは実状。
んでー、その原因は色々あるだろうけど、この本の白眉は「生活が良くなっても出生率が下がらない理由」に着目しているとこ。そう、「所得が増えれば出生率は下がっていく」ってのは、こっちの理屈なのよね。どういう家族構成を好ましいと思うかは、最早「経済学」の範疇じゃないかもだ。
政府がまだまだ未成熟で弱いアフリカの経済政策は、政府がプレイヤーのマクロ経済学より、国境に阻まれない企業がプレイヤーのミクロ経済学の方が有効とな。
中国の対アフリカ政策についての記述が、先日読んだ『経済大陸アフリカ』と被るなーと思ったら、同じ著者だったわ。
個人的にささったのは、優生学についての考察(p187-191)。階級社会から能力主義に移行するまで「順位付け」は不要だった…ってそう言われればそうよね。資源が潤沢なときは「みんな平等」でいいけど、そうじゃなくなったときにはサバイバルが発生するわな。
ところでジニ係数って、0から1の間の値じゃなかったっけ??
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人口が増加するというだけで、アフリカ市場の可能性を訴える本が多い中、アフリカ各国を学術論文的に書かれてるので、興味深い事象も結構ありました。
そしてちまたで先進国の人口減少論が語られてますが、それが当たってるのかアフリカをみてると間違ってる可能性があるという指摘は読んでいてその通りかと思いました。
投資観点でいうと「アフリカでは政府より巨大で強力な企業が登場しうる。」というのは覚えておいて損はないかなと読んでいて感じました。
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アフリカの人口が増加し、やがて人類の半分がアフリカ人に!と帯はあおるけど、実際のところアフリカ人口の正確な統計はなく、推計はとても難しいと。そりゃそうだよな。
それよりも、アフリカ以外の人口動態や食料自給率のお話を興味深く読みました。
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著者は開発経済学が専門のアフリカニスト。キャリアの終盤に敢えて専門外の人口論について書いたのは「今世紀以降の世界人口変動において最大の焦点はアフリカにあり、またアフリカ研究にとっても、長期的にみて最大の課題は人口にある」から。不慣れな分野を調べて書いたがゆえであろうぎこちなさは少しあるが、むしろ人口論の入門として良い見取り図を提示してくれているプラスがワタクシにとっては大きかった
一方、アフリカの話題に深入りするパートでは、逆に分かりづらくなるというか、一筋縄ではいかない問題に取り組んでいるのが伝わってくる。アフリカの出生率も下がってきてはいるのだが、どうも世界の他の地域とおなじ塩梅にはいかなさそうだとのこと