瓢箪あたまに産まれ出た女の子
2023/01/12 17:01
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏井いつきさんといえば、おそらく今もっとも有名な俳人のひとりだろう。
その彼女がコロナ禍真っ最中の、2021年3月から2022年3月にかけて「女性セブン」に連載した、
人生の徒然を記したエッセイ集が、この『瓢箪から人生』だ。
愛媛松山出身の正岡子規の糸瓜に対抗したわけでなく、いつきさん、産まれ出た時瓢箪頭だったとか。
妹のローゼン千津さんが詠んだこんな句が最後に紹介されている。
「瓢箪に生まれて人をよろこばせ」
この句そのままの、いつきさんの俳句活動といっていい。
いつきさんといえば、人気テレビ番組「プレバト!!」の俳句コーナーの先生となるだろうが、
それ以前からいつきさんは「俳句の種を蒔く活動」をしてきている。
もちろん、このエッセイの中には「プレバト!!」に触れた箇所もあるが、
そこだけを強調するのではなく、
今までしてきた地道な活動の様子の方がたくさん描かれていることこそ、
夏井いつきという俳人をよく知ることになる。
きっと将来、いつきさんの志がたくさんの芽をふき、花を咲かせることになるに違いない。
そんな活動の話だけでなく、
やはり読者の琴線に触れるのは、
いつきさんと交わった人たちとの話だろう。
特に父親を癌で亡くした時の話には胸をうたれる。
亡くなった時もそのあともなかなか泣けなかったいつきさんだが、
父親が最後にわずかに汁だけを口にした鰊蕎麦をたまたま口にした時、
嗚咽したという。
そんな思いのひとつひとつが、
夏井いつきという俳人を前へと進めているような気がする。
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句集を読むにはまだまだと思ったのでエッセイを読んでみた
ラジオに寄せられた子供の何気ないひと言の句が全部素敵だった ほかの俳句もみんな良いし家族の話でホロリとさせられて読んでよかった
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『プレバト!』の俳句の先生としてお馴染みの夏井いつきさんのエッセイ集。30代で中学の国語の先生を辞め、俳句一筋へ。「俳句の裾野を広げる」ために奮闘!その中で出会った忘れられない人々との交流や高校生の「俳句甲子園」の立ち上げ、全国を回っての[句会ライブ]のこと。もちろん「プレバト!」出演の裏話などいろいろ…。プレバトで披露される下手な俳句を名句に変える添削の技のように、鋭い観察力と豊かな表現、ユーモアあふれる文章はさすがです。「俳句の種まき」をするという強い信念、尊敬します。夏井先生自身の俳句も多数紹介!
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2022年発行、小学館のソフトカバー本。45編。エッセー本。惹句には「愉快痛快」という言葉があるが、確かに痛快な話も多いが、そうでなく作者の苦しみというか、そういった話もある。愉快痛快な話の間にあるからこそ、沁みてくるような気がする。もちろん「苦労」という一言にはできないような話である。
他:「あとがき キッタカさんから繋がっていく邂逅」(2022年 爽籟の松山道後上人坂伊月庵にて 夏井いつき)、備考:「女性セブン」2021年3月18日号~2022年3月24日号に掲載した同名連載を加筆、修正、書き下ろしをくわえたもの、
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読んでいて元気が出たり、毎日が違った景色に見えてくる本は5つ星をつけることにしている。
最初、テレビで見る夏井さんにきては硬い書き方?と思ったが、すぐにいつもの夏井さんの勢い。
俳句甲子園の現場でお話ししてるのを身近に見たことがあるが、ホッントウに、この人、愛があるのだ。
じわーっとこころがあっかくなって、なんかいい人に自分もなるのだなあ。すごい人だと思う。
この本を読んでいる間、私はとってもいい人になれた。機嫌良くもなれた。この気分を続けていけたらなと思う。
人には、「親切」でいることだなと思う。
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今勢いのある夏井いつき先生の人生記。とても興味深く読んだ。
俳句に魅せられ、草の根の活動をして生きてきた人。心の複雑骨折を繰り返しながら、自然治癒力を身につけて行くのが、人生というものなのかもしれない。この文章は奥が深い。
掲載されている子どもの俳句も凄い。
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プレパトで有名な夏井先生のエッセイ。
俳句の裾野を広げようとする奮闘ぶり、一期一会の出会いが取り持つ不思議な縁を大切に人生を切り開いている。
いやぁ!電車の中で人目も憚らず、泪してしまうほど濃いエピソードが盛りだくさん。いっそ「いつき組」に入ろうかな。そう思えるほど素敵なエッセイだった。
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全国各地の句会ライブ、ラジオ「一句一遊」、TV「プレバト」等々、30年に及ぶ種蒔き活動の末に今まさに芽吹いて結実している絶頂期にある俳人のざっくばらんな語り口による振り返り記。亡き父親や廃墟になった実家のことまで包み隠さず書き綴る著者だが、「俳句甲子園」のことだけはいわれなき誹謗中傷を受けたことを繰り返すだけで内実を語ることがないのはよほどのことがあったのだろうか。
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TV番組のプレバトの俳句の先生、夏井氏の俳句にまつわるエッセイ。17音を生業にしているだけに言葉に無駄がない、しかもその奥に背景をも描いている。取り上げられた俳句に涙した章もある。
俳句だけではなく、ヒトとしての重さも感じた。
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俳句番組でお馴染みの夏井先生。
俳句の種をまく活動をされているのは知っていたけれど、思った以上にエネルギッシュで驚く。本当に俳句に人生を捧げているのだなぁ。ご本人は「捧げている」と思っていないのかもしれないけれど。これだけ打ち込めるというのはすごいと思う。
番組からもうかがえるきっぷの良さ、回転の良さ、歯に衣着せぬ感じが文章からも伝わってきて楽しくなる。
かと思うと、ご両親のことなどのところではぐっときたり…
これからも元気に活動を続けていって欲しい。
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プレバトで見てるまんまに切れ味最高。
面白いねいつきさん。
そして俳句にとって、何と大きな存在なんだろう。
ずいぶん前だけれど、私の投句に対しペンネームの読み方を聞いて下さったことが嬉しかったです。
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夏井いつき先生の凛とした雰囲気と愛嬌がめいっぱい感じられるエッセイ。先生のやさしい俳句も身に染みる。
文体はどこか芸人さんが書くエッセイみたいだと思った。多分、不必要な部分はそいであるのに、情感を得るのに十分必要な分だけある口語体から感じるのだと思う。「結婚」にまつわる様々なエピソードが良かった。
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夏井先生、国語の先生だったからか、そもそも言葉に敏感だからか、そのどちらもか。とにかく、文章が軽快で読みやすくてわかりやすい。さらに語彙も豊かで自然と勉強になる。ふふって笑いそうになることも何度もあったけど、不覚にも目の奥が熱くなる瞬間も何度も、何度も、あった。
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あったかくてかっこいい人
淡々と書かれたような文章に感じるのに、
心に響くものがあって何回か泣いてしまった。
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プレバトでおなじみの俳句の先生です。ちゃんと見た事ないのに姿も声も知っているってすごい浸透度ですね。
ちょっと内輪ネタ的なところもありますが、俳句の裾野を広げようと奮闘してきた人なんですね。それは本当にすごい。