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美しい写真集のようで図鑑でもある、最先端の稚魚研究の写真。
2016/08/14 20:12
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙カバーの生き物は地球上のものなのだろうか。そんな美しくて不思議な生き物がたくさんでてくる写真集である。どれも美しくて不思議なばかりでなく、生態的にも貴重。これは生きている稚魚の姿の写真集なのだ。
著者も書いているが、普通の人は普段稚魚などほとんど目にすることがない。最近は「養殖するために捕獲されるウナギの幼魚(シラスウナギ)」をテレビのニュースで見ることもあるが、親とは全く違う姿をしていることに私も最初は驚いた。では、他の魚は子どものころはどんな姿をしているのだろう。
ウナギの例でもわかるように、良く知られている魚でも稚魚の姿がわかっているものは少ない。本書でも「・・の一種」と記載されているものが多い。本書でその生態に初めて触れられたものも少なくないのだろう。
ギンポの一種の稚魚が中ほどのページに載っている。細い体をくるりと巻いた姿は、なんだかお正月に飾る「デフォルメしたヘビの置物」のようだ。こんなのが水中に浮かんでいるのを見たらどんな気分になるだろう。「なぜそんなことをしてるの?」と思わず話しかけてしまいそうだ。
小さくて体もまだ色が薄く、ほとんど透明なものも多いせいもあるだろう。それが「不思議感」を一層高めている。一時期話題になった「透明標本」が生きて泳いでいるようだ。かなり現実離れした姿のものもあるが、親に近づいてきて種類がわかるようになっても「眼が大きくて丸っこい」という人間も「可愛い」と感じる特徴があるのにも驚く。どれも見たことがない不思議さとともに小さいものの可愛さを伝えてくる。
著者の文章には時々「詩だ・・」と思わせられる部分があった。著者は文才もあるようだ。それともこんな海、こんな情景を体感すれば、だれもが少しは著者のようになるのだろうか。
何度も写真を見返して、まだ知らない生き物の不思議な世界に浸っていた。モンスターは、気味悪いものも可愛いものも、現実の中にまだまだいるのだ。そういえば「チリメンモンスター」などというのも一時期流行ったことを思い出した。
美しくて貴重な写真ばかりだと思う。ただ、大きさの推測がつかないものも多いので、おおよそでいいから大きさがすべての写真に入っているとイメージがもう少し作りやすかった気がする。
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