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セミプロからプロの農家や園芸家向けに書かれた本っぽいので、ガーデニング初心者には少し難しい。
でも遺伝子組み換えの植物や地球温暖化、食料自給についてやベジタリアンについてなど、生活に直結することや生活の延長にあることをより良く理解する助けになってくれる本だ。
遺伝子組み換えの作物が環境を汚染するというのはわかるようで具体的にどういうことなのかよくわかっていなかったけど、遺伝子組み換え作物と在来の植物が交配して雑種が生まれると、例えば親の遺伝子組み換え作物に殺虫効果があったとして、その殺虫効果のある雑種が増えてしまったら、昆虫を絶滅させることも考えうるらしい。
雑種は一般的に親より強いので、増殖のスピードが早く、その地域の生物多様性を脅かしてしまうかもしれない。
そういった懸念から、日本では遺伝子組み換え植物はあんまり認可されていない。輸入はたくさんされていて家畜の餌になっている。
でも、コロナ禍とウクライナ戦争による穀物不足の影響で、家畜の餌として国産の穀物の比重を増やそうという試みも行われているようだ。
https://www.nhk.or.jp/kagoshima/lreport/article/000/26/
何年か前に、遺伝子組み換えのオレンジのペチュニアがうっかり日本で販売されて、回収騒ぎになっていたというのは驚いた。
タキイ種苗が売り出した品種だったし、多分全国の花農家で育てられて出荷もされたっぽい。大変だったろうなぁ…今もオレンジがかっているペチュニアが売られているけど、そのラベルには「未承認の遺伝子組み換え体ではない」と書かれているようだ。そう書かれているラベルは、承認された遺伝子組み換え植物なのかもしれないな。
遺伝子組み換えのペチュニアについて調べるついでに、ブルーシクラメンやブルー胡蝶蘭も遺伝子組み換え植物だと知ってしまった。
どっちも素敵な花なんだけど、なんか、遺伝子組み換えだと知ると素敵さへのありがたみが減る気がする。
でも、生物多様性への悪影響は遺伝子組み換え植物よりも遺伝子組み換えに無関係な外来生物のほうがやばいんだって。