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うーん、このミス1位ということで楽しみにしてたんだけど、正直500Pは苦行だった。翻訳本ってこんな感じですか?「ザリガニの〜」では全く気にならなかったんだけど、言葉がスッと入ってこずに、読むのに苦労した。なんでハルは死なないといけなかったのか、とかダッチェスの放火はお咎めなし?とか、モヤモヤが残った。文句ばっかり書いちゃったけど、ハルが亡くなったとき泣きそうになった
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アメリカの田舎町を舞台に、痛ましさに満ちた13歳の自称「無法者」の少女ダッチェスの成長を描くー
が、ダッチェスの境遇が痛ましすぎて見ていられない。
希望もへったくれもない。
この少女にいったいどうやって救いがもたらされるのか。
そのことだけが566ページという長いこの物語を読み進める原動力となった。
とってもアメリカンな小説なので、作者のクリス・ウィタカーさんはイギリスの作家ということに驚いた。
このミス2023年版の海外編第1位。
ちなみに、このミス海外編第1位は2019年から2022年までアンソニー・ホロヴィッツさんの独占でした。
ホロヴィッツさんを2位に押しやっての第1位!
読むしかないですね。
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装丁は、そのまま作品の縮図。30年、いや、それ以上の愛憎がそれぞれの生き方にいかに影を落とすか、懊悩を押さえつけるか・・いわばサスペンスと人生論を併せ持つ作品だった。
老若男女の生き方を綴りつつ、少年少女の記憶が血で汚されて知った悲劇を、30年後どのように変容を見せたか。
”We begin at the end"
endは死でなく 区切りと語る。
自らを”無法者”と任じるダッチェス 親友だったヴィンセントを思うウォーク 他の登場人物もそうだが、特にこの2人・・・愛するあまり 事実はより酷な状況になって行くのが痛い。
ダッチェスの突っ張った姿が祖父ハルとの邂逅で脱皮して行くかのような成長を見せる下りが印象的だった。そして、別れ・・ハルもヴィンセントも残念な区切りをつけた形となったとはいえ、ダッチェスも持てそうな予感を見せるロビンもこれからの人生が始まる・・無論ウォークも。
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ミステリーというジャンルを超えた本だと思います。
自分を「無法者」と呼び(この訳語だけは最後まで違和感がありました。解説では「アウトロー」とふりがながついていて、こちらの方がしっくりくると思うのですが)、乱暴な言葉を使うダッチェス。まだ13歳で、母親には頼れず幼い弟の母親代わりでもあるような態度に、精一杯の強がりを感じました。
「王子」と言われる弟ロビンのかわいさがよく伝わり、辛い話の癒やしにも。
全く祖父に心を許さなかったダッチェスの気持ちが徐々にほぐれていく展開に少しホッとしたのも束の間の悲劇。
「人は終わりから始めるのさ」
という祖父の言葉は、原題の
「WE BEGIN AT THE END」
なのでしょう。
そして終盤のどんでん返しの繰り返しからのラスト。
私の考える幸せな未来とは違った形ではあるけれど、きっと二人ともそれぞれの人生を、終わりから始めることができると信じます。
もちろんもう一人の主人公、警察署長ウォークも。
翻訳一般書の中で、ダントツトップの一冊になりそうです。
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2023.01.17読了。登場人物にみな良い意味での田舎くささがあるのがこの話を成り立たせるひとつのカギだと思う。
世の中には知らないままのほうが良いこともあるという真理が通底している。
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アメリカ、カリフォルニアの海岸にある田舎町ケープ・ヘイヴン。過去の少女殺人事件を引きずる警察署長。父を知らず、母と弟を守るため自らを"無法者"とうそぶき現実に抗う少女。
30年の時を経て、運命の歯車は悲劇を呼び起こす。彼は過去と友を守るため、彼女は未来を掴み取るため、それぞれの運命に挑む。
少女"無法者"ダッチェスと中年署長ウォークの2人の主人公を通して、懸命に前へ進もうとする人間の弱さと強さが描かれ、ミステリならではの展開が物語に奥行を加えている。ミステリ好きでよかったと思える良作。
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このミステリーがすごい!の海外部門1位。ページ数も多く、始めの方は気持ちが重くなってなかなか読み進められなかったが120ページ超えたあたりからどんどん話にのめり込んだ。ダッチェスは自分自身と弟を守るため、自ら無法者と言い切って闘う姿勢を見せる。母親を喪い、祖父のところへ行き、やっと幸せになれるかと思ったのにそれも叶わず。これでもかというくらい打ちのめされるが決して泣くことがない。ダッチェスとロビンに幸せは訪れるのか。母親の妹をかつて殺害し有罪とされたヴィンセントは事件にどう関わってくるのか。ヴィンセントの友人で二人を見守るウォークにも注目だ。
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最初、主人公の女の子にちょっとげんなり。皆こういう気の強い正しいと思うことを貫く子供好きだよね。おまけに悲劇を味わせるのも。
話が動き出して、結構面白くなってきたけど、周りの大人が理解がありすぎるではないかと、やっかみ半分で思った。
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着々と事実が明らかになっていくストーリーで引き込まれた。結末が気になりすぎて速読してしまい感情移入があまりできなかったのが残念。
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悲しい物語だ。
もうこれ以上、この姉弟に悲しい思いをさせたくないと何度思っただろう。読み進めるのが辛くなるが、物語から離れられない。途中で表紙を見ると、主要登場人物が4人描かれている。最悪の事態は避けられるのだろうと思い読み続けるが、あっさり裏切られた。
『私は無法者だ』と主人公の少女は名乗るが、感覚的に『無法者』がわからない。日本人にはなじみが薄いキーワードだが、その存在感は十分に伝わる。物語の力が大きいからだろう。哀しみの大きさに抗いながら読み進められるのも、物語の力だ。
主人公の少女が生き抜く力、弟が見せる成長、見守る祖父の心、地元の警察署長の関りと人生、期待を裏切らない結末。すべて心に残る1冊だった。
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これは、大きな大きな愛の物語です。
カリフォルニア州の小さな町で起きたひとつの事件。
それに関わった人々が30年間苦しみ続け、そしてまた次々に起こる悲劇。
その過酷な運命を背負って生きている13歳の少女ダッチェス。
最初はあまりにも切ないストーリーに、読み進めるのが苦しくてたまらなかった。
でもね、幼い弟を守るため、強がって懸命に生きているダッチェスから目が離せなくて。
祖父の納屋から、あるものを発見する場面があるんだけど、最高に良い場面なの。
胸がいっぱいになり涙腺崩壊。
アメリカの美しい自然と広大な大地。
数々の悲劇はその景色の中に描かれていて、それがまた悲しみを誘う。
そして衝撃のラストと明らかになる真実。
もう鳥肌が立つ。
本当に読んで良かった作品。
心が震えるって、こういう感覚なのかな。
ダッチェスと弟のロビン、どうか幸せになって!
追記
最後まで読んでしびれたのはヴィンセントの覚悟と、ハルの静かで深い愛情。
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物語の最初の事件であるダッチェスの妹シシーの事件が限りなく事故に近いのに何故「犯人」が長期の収監になったのか、その辺りが理解出来なかった。
「過ちを犯した者は、どうすれば赦されるのか」
その結論が「人生は終わりから始める」とあるが、過ちを犯すのが人間であり、その過ちと共に生きていくのが人間であると、私は思う。
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海外ミステリランキングで、とうとうホロヴィッツの連覇がストップ!ってことで、どんな作品が彼の牙城を崩したのか、大いなる期待を胸に本作を手に取った次第。自分の相性もあろうけど、確かにこれは素晴らしいわ。自分的にもこちらに軍配。本格ミステリって意味では、前者の方がその色は濃いけど、そもそもそれをあまり求めていない身としては、ドラマ色豊かな本作の方が、ずっと心に沁みる。帯の”最後の一行”はハードル上げ過ぎだけど、終盤に向け次第に真実が明るみになるにつけ、驚きとともに感動もいや増す。系統は違うけど、”ザリガニ~”とかそっち系が思い浮かんだ。
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こんなに引っ張んな。くそ長いほど真実より高評価を得やすくなるって、あたしは知ってんだ。否定すると、せっかく費やした時間を無駄にしたと認めなきゃならなくて、それを許せないやつらがいるのさ。ふざけんな。そんなのは、頑なに過去を変えたくないと今にしがみつき、保身を図る臆病者のウォークと同じだろ。ついでに言えば、神を信じ、周りの機嫌を損ねないよう繕って、真実を語れないハルの爺さんとも変わんないじゃん。あたしは同調圧力になんて屈しない無法者のwasabi。こらダッチェス、勝手に憑依すな!俺はそんな酷いことは思って…
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帯に書かれた「翻訳ミステリー史上、最高のラスト1行。」という謳い文句に誘われて読み始めたが、正直、途中まではあまりの暗さと救いのなさに投げ出しそうになった。
途中から少しずつ霧が晴れるように謎が解けていき始め、最後は柔らかな光が見えた気がした。
ただ、最高のラスト、というほどではなかったような…。
翻訳の文体が独特な感じで、少し読みにくい気がした。