紙の本
神童エピソードに仰天しました。
2022/05/14 13:22
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本を代表する小説家6人の17歳のころについて、著者が著した1冊です。
中には17歳で神童ぶりを発揮している人のエピソードもあり、すごいと仰天しました。
文章量は少ないので、一気に読み切れる内容です。
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タイトルが気になって手に取りました。太宰治、宮沢賢治、芥川龍之介、谷崎潤一郎、樋口一葉、夏目漱石等の17歳当時、どのような境遇におかれ、暮らしていたのか、文学をなぜ志すようになったのか、文豪が書き残した日記や友人等の証言、学生時代に書いた作品を取り上げながら解説。ここに取り上げられた文豪達は、生まれや育ちで苦労しつつも、やはり秘めたる才能があってのものだと知りました。しかしその才能は当人の努力で開花したもの。本書を通して文豪たちの幼い素顔が見えるようです。ここに挙げられた文豪達の作品は大半は読了済ですが、また改めて再読したくなりました。
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6名の著名な作家たちの17歳の頃、その前後をそれぞれ追った本。岩波ジュニアだけあって、中高生向けに書かれている。
当時の学校制度など、現在と異なる部分はコラムで補足されていてわかりやすい。学術書ではないので、少し決めつけを感じる部分もあった(作家はああいう境遇にあったから、こういう意図でAという文章を書いたのだろう、など)。
宮沢賢治の「あのさそりのように」のくだり(『銀河鉄道の夜』での記載)は何度も読み返した。
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刊行日 2022/04/20
「十七歳、誰もまだ「文豪」じゃなかった――太宰治は作家になろうと決意し、宮沢賢治は進路をめぐって父に反発、芥川龍之介は友達と雑誌を作り、谷崎潤一郎は苦学生だった。夏目漱石は下宿で受験勉強し、樋口一葉は父と兄を亡くして一家を背負うことになる。作家たちの十代とその決断を、当時の日記や創作とともに紹介。」
はじめに――バタフライ・エフェクト
第一章 太宰治
「作家になろう、と私はひそかに願望した」
十六歳の日記/暗号で書く/優等生の中学時代/「作家になろう」/「正義と微笑」/最初の創作――「最後の太閤」/「地図」と自己意識/ふたつの衝撃――高等学校時代/人生の死活問題
コラム 近代日本の学校制度 その一
第二章 宮沢賢治
「おれの恋は、いまあの百合の花なのだ」
最初の人生の岐路/岩手病院への入院/将来への不安/「Erste Liebe」(初恋)/苦悩の日々と奇蹟/「ガドルフの百合」/アドレッセンス中葉の文学/法華経との出会い/まことのみんなの幸のために
第三章 芥川龍之介
「己と一緒に大きな世界へ来るがいい」
快活な中学時代/中学時代の集大成――「義仲論」/ 生い立ちと境遇/養子入籍/大川のほとり/回覧雑誌時代/生の孤独――「老狂人」/散りゆく花――「死相」/「死」との対話――「青年と死と」/野性へのあこがれ
第四章 谷崎潤一郎
「諸君は何のために学問を修めますか」
華やかな秀才/中学時代の通信簿/春風から秋雨へ/中学校進学への思い/稲葉先生の薫陶/竹馬の友/聖人願望/書生生活/春の目覚め/作家への決意/文壇へのデビュー
コラム 近代日本の学校制度 その二
第五章 樋口一葉
「誠とわれは女成けるものを」
十七歳の女戸主/父ゆずりの向上心/明治の女性と学歴/萩の舎入門/歌と小説/婚約破棄/筒井筒の恋/小説家への道/覚悟と天命/奇蹟の十四ヶ月
第六章 夏目漱石
「我々はポテンシャル、エナージーを養うんだ」
慶応三年生まれの作家たち/遅咲き作家の十七歳/ポテンシャル、エナージー/小さな一個の邪魔物/遠回りの学歴/落第/文学への関心/明治の青春と漢詩文/作家への道
おわりに
参考文献