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大半の 論争過去の 蒸し返し
2023/10/28 23:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:清高 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1.内容
現在でも英語教育に関する論争はあるが(記憶に新しいところでは、大学入学共通テストにおける民間試験の活用。p.222参照)、それらの論争の大半は、過去にすでになされている。しかし、過去の論争に決着をつけなかったので、何度でも蒸し返される。そこで本書は、日本が近代化した明治時代から、英語教育についてどんな論争があったかを示すものである。
2.評価
(1)筆者は、大学受験を経験し、個人的に英語教育に関心を持っているので、本書の論争は全て興味深かった。大まかに書くが、とりわけ英語教育の目的が教養か実用かという論点が興味深かった(第3章や第5章が中心)。
(2)気になる点もある。本書でも示されているが、論争に決着がつかないのは、客観的なエビデンスに基づかないところが大きい側面があるから、調査を求めるか、蒸し返し自体を咎めないことのどちらかの方がよかったと思う。また、第5章の論争は評価しているのに、第6章の論争の評価が曖昧な理由がよく分からない。
(3)しかし、(2)に関わらず、英語教育のみならず語学全般について考えさせられた本なので、5点とする。
3.筆者のメモ(素人考え)
本書のニュアンスよりも、現在は英語のヘゲモニーが強いので、英語は全員が学ぶべきである。会話も大事だろうが、読めないと話にならないわけで(インターネットや学術論文を英語で読むことの重要性が増していると認識)、教養寄りの方法論、すなわち文法重視に意味があると考えている。ただ、アメリカの外交官が日本語を学ぶのに2200時間かかるのに(「『英語母語話者には極めて難しい言語』」(p.259)だから)、日本の中等教育の英語の授業は840時間しかなく(pp.259-260参照)、マスターするのは容易ではないから、工夫が必要だろう。
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